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ルックアウト/見張り [映画 *ら]


ルックアウト/見張り [DVD]
「ルックアウト/見張り」、観ました。

交通事故が原因で記憶障害を負った青年の日常と、彼を巻き込んで銀行強盗を企てようとする犯人グループのたくらみを描いたサスペンス。

主人公のクリスを演じるのはジョセフ・ゴードン=レヴィット。
はい、彼目当ての鑑賞ですっ(^^*
映画冒頭、彼女と友人カップルをオープンカーに乗せハンドルを握るクリス。
周りは何も無い片田舎の1本道、クリスの無謀な運転のせいであっと言う間もなく大事故が起こる。

それから4年後。
恋人も友人も失い、クリス自身も脳に損傷を受け記憶障害という後遺症が残った。
朝起きてすることは、自分の行動をメモすること。
記憶を上手く留めて置く事が出来なくなったクリスにとって、一日の行動を順序立てて考えることは容易ではない。
物忘れもひどく、すぐに眠くなる・・・大事なことは必ずメモをとる習慣を守っている。
昼は支援センターで授業を受け、夜は銀行の掃除係をしながら、1日また1日が過ぎていく。
そんな時、バーで知り合ったゲイリーという男にパーティに誘われるのだが・・・。

早い話、このゲイリーが銀行強盗グループのリーダー。
クリスを仲間に引き入れて、夜は彼がたった一人で番をしている銀行で手引きをさせて大金を頂いちゃおうって魂胆。
クリスに女の子を差し向けたり、酒を酌み交わして油断させ、いざ強盗の計画を打ち明けた時にはクリスの自尊心を傷付けることで彼を縛ります。
クリス自身は覚えていないのですが、ゲイリーはハイスクールの先輩だった。
事故を起こす前のクリスはスポーツ万能、ホッケーの花形選手でお金持ちのボンボン、誰からも憧れられる目立つ存在。
昔と今を比べそれらの全てを失ったしまった今のクリスをあざ笑い、焚き付けてグループに引き込むゲイリー。
見張り役を命じられいざ実行の時、ことは計画通り運ぶかに見えたのですが・・・。

これではいけないと必死でクリスが反旗を翻します。
ゲイリーに対抗する手立てを、頭の中で組み立ててメモに書きとめる。
そんなクリスの計画が効を奏するか、ハラハラさせられました。
でもクライムサスペンスの割には、全体的なトーンは静かな印象を受けます。
クリスの内面で起こっている葛藤に重点を置いて描いていたから、そう感じたのかな。
何をやっても上手くいかないもどかしさや焦燥感。
自分を赦せないし周りも自分を赦さないだろうという絶望感。
そういったクリスの内側を、ジョセフ君が繊細に演じていました、やっぱ彼は上手い。

クリスと同居しているルイスをはじめ、彼の周りには優しく見守る人たちが沢山いたんです。
事件を起こす前に気付いて欲しかった。
だって・・・ドーナツ警官が可哀想過ぎるんだもん・・・。
静かに、でも確実に新しい1歩を踏み出したクリスを応援しながら映画は終了しました。

THE LOOKOUT  (2007)
 監督 スコット・フランク
 ジョセフ・ゴードン=レヴィット ジェフ・ダニエルズ マシュー・グート
 ブルース・マッギル アイラ・フィッシャー カーラ・グキーノ
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悪人 [映画 *あ]


悪人(サントラ)
「悪人」、観ました。

殺人を犯してしまった男と、彼を愛し共に逃避行をする女を軸にして事件に関わった人々が味わう苦悩を描いた人間ドラマ。

先月カナダで開催されたモントリオール世界映画祭で、深津ちゃんが女優賞を受賞したことで話題となっていたのも記憶に新しいところ。
その時のインタビューで、映画に関わったすべての人の力があったからこそ受賞できた・・・という風な意味合いのことを話していたかと思います。
映画を観て、本当にその通りだと感じました。
深津さんの演技も素晴しかったと思うし、主演の妻夫木君、若手からベテランに至るすべての出演者の見事な演技に圧倒されました。
そんなキャストの熱演に加え、真に迫る作品世界を作り上げた監督はじめスタッフの努力の賜物が、あの受賞に繋がったのかな、と思える作品でした。

出会い系サイトで知り合った女性・佳乃を殺めてしまった祐一。
彼は長崎の海辺の町に住む若者。
叔父が営む解体業を手伝い、仕事が終われば親代わりの祖父母が住む家に帰る。
同じ事の繰り返しの毎日に、変化を与えるのが出会い系であり、そこで知り合った佳乃との関係だった。
しかし、祐一は不運な成り行きに抗うことができずに佳乃の命を奪ってしまう。
そんな時、祐一の携帯に1通のメールが届く。
佐賀に住む女性からで、祐一は彼女と会う約束をするのだった。

この佐賀の女性が深津ちゃん演じる光代。
彼女も変化のない毎日が積もりに積もり、自分のこれからに言いようの無い不安を抱えていた。
生真面目で純粋な光代が、祐一との出会いによって自分の人生を投げ打つような逃避行に身を置くことになっていくのです。
“出会い系で知り合った男の子だけど、これから本気でお付き合いできるのかな”、そんな風に考えていた彼女が彼から罪の告白をされる、それも殺人を犯したなんて聞かされたら普通は一緒に逃げようとはならないはず。
そこから2人の逃避行となっていく所に説得力を持たせるのって、結構大変なんじゃないかな。
けれども深津ちゃんと妻夫木君は、迫真の演技でそのハードルを越えていたと思う。
祐一と光代の中の孤独感が共鳴して、互いの存在が拠り所となっていく様を、静かにしかし熱く演じていました。
あの激しいベッドシーンも必要不可欠、の大事なシーンと言えます。

被害者である佳乃の父親を演じた柄本明の、もって行き場の無い憤怒が噴出しそうになる場面では、観ているこちらの胸もかきむしられる様でした。
振り上げたこぶしをぐっと堪えた父親の遣る瀬無さ、彼の心からの叫びに、号泣。
もしかしたら今、この劇場内で一番泣いてるの私じゃない?ってくらいだったんだよぅ^^;

祐一の祖母役の樹木希林も、流石の演技。
もう、台詞が無くても彼女の困惑とか、絶望とか、手に取るように分かる。
台詞が無い方が、ずっとずっと分かるんです。
役者さんの表現力の凄さを思い知らされました。

逃避行の末に2人が得たものとは何だったのか。
真っ当な光代と出会ったことで、罪の重さを知った祐一。
光代という大切な存在を得たことで、佳乃もまた誰かのかけがえの無い存在だったと思い知らされるのです。
最後に祐一がとった行動は、自分の為に未来を費やしてしまいそうな光代を自由にしてあげたい、と思ったからなのか。
また、光代が犯人を匿って一緒に逃げた共犯者になってしまわない様に、連れ回された被害者にした方が良いと思ったのか。
祐一の光代に対する愛情なんでしょうね、きっと。

それに対して、やっぱり祐一への思いを断ち切れないラストシーンの光代が切なかった。
光代が花を手向けに行った殺害現場のガードレールに、祐一の祖母のスカーフが巻き付けられていたのも、また切ない。
あの場に訪れた祖母はきっと、手を合わせながらずっと頭を下げて居たんだと思う。
そんな風に、多くを語らずとも情景が目に浮かんでくる演出も、心を揺さぶったのです。

悪人  (2010)
 監督 李相日
 妻夫木聡 深津絵里 岡田将生 満島ひかり 塩見省三
 池内万作 光石研 余貴美子 井川比佐志 松尾スズキ
 山田キヌヲ  韓英恵 中村絢香 永山絢斗 宮崎美子
 樹木希林 柄本明
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ナイト&デイ [映画 *な]


ナイト&デイ (キャメロン・ディアス、トム・クルーズ 出演) [DVD]
「ナイト&デイ」、観ました。

スパイの男と知り合ったことからとんでもない騒動に巻き込まれる女性。
世界を舞台に大暴れするカップルをコミカルに描いたアクション。
主演はトム・クルーズとキャメロン・ディアス。

トム・クルーズが十八番とも言えるスパイに扮した本作。
ですが今回は今まで彼が演じてきた生粋のスパイアクションに、思わずニヤ~とする“笑い”というスパイスをブレンドしたコミカルアクションとなっていました。
トム演じるスパイのロイはめちゃくちゃ有能で、どんなピンチも超人的な技で切り抜けてしまいます・・・強い、強すぎる。
その凄腕ぶりが微妙に鼻に付く一歩手前、って感じがよろしかった。
これは自身が演じてきたスパイのセルフパロディか?とある意味小気味いい。
“通常通りのトム・クルーズ”を期待して観に行った方は、もしかしたら肩透かしを食らった気分になるかもしれないですが、私は今回のこの塩梅、好みでしたね~^^トムがやるから生きてくる!

とある事情で各方面から追われているロイと関わってしまった事で、彼と怒涛のような追跡劇に巻き込まれてしまうのがキャメロン・ディアス演じるジューン。
同じ女性として、自分も言われたくないことを言うのは気が引けるのですが、彼女も歳をとったな~。
それでも、持ち前の元気印なキャラは健在。
クリームイエローのドレスにエンジニアブーツという究極のミスマッチファッション、そこに斜めがけバッグで逃げ惑う姿がとっても可愛くて個人的にはツボでした。
巻き込まれて危機を切り抜けるうちに、段々とロイに感化されて行き終いには・・・っていうのも彼女らしい。

トムにしてもキャメロンにしても、戦う姿はさほど珍しくないけれど、今回は妙に力の抜ける笑いが散りばめられていてそこが面白かった。
その最たるものが“眠り薬”で、事あるごとにムニャムニャ~となって場面が変わるのには脱力でした^^
こうやって書いてると肝心のアクションはどうなの?と思われるかもしれませんが、安心あれ。
数々あるアクションシーンは迫力モノで手抜きなくしっかりと作られていました。
アクションやる所はキチンとやってるので、楽しめたんです。

監督は「アイデンティティー」「3時10分、決断のとき」のジェームズ・マンゴールド。
どっちの作品もお気に入りなので本作も期待していたのです。
ぶっちゃけ新鮮味に欠ける主演2人に、妙味な味付けを施していたと思う~、期待は裏切られず。でした^^

KNIGHT&DAY  (2010)
 監督 ジェームズ・マンゴールド
 トム・クルーズ キャメロン・ディアス ピーター・サースガード
 ヴィオラ・デイヴィス ポール・ダノ ジョルディ・モリャ フォーク・ヘンチェル
 マギー・グレイス デイル・ダイ マーク・ブルカス レニー・ロフティン セリア・ウィェストン
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ウディ・アレンの夢と犯罪 [映画 *あ]


ウディ・アレンの夢と犯罪 [DVD]
「ウディ・アレンの夢と犯罪」、観ました。

金のために犯罪に手を染めたことで、破滅への道をたどる兄弟の姿を描いたサスペンス。
ウディ・アレン監督作品。

実家の稼業であるレストラン経営を手伝いながらも、ビジネスの世界での成功を夢に見る兄のイアン。
彼は理想の恋人・アンジェラと出会った事で、予てから計画していた投資事業を本格的に始めようとする。
一方、気が優しい弟のテリーは自動車修理工として働きながら恋人と家庭を築くことを考えていた。
テリーは酒とギャンブルが大好きで、ドッグレースで大勝した大金を注ぎ込み兄と共に中古のヨットを手に入れる。
“カサンドラズ・ドリーム号”と名付けられたヨットは兄弟の夢の実現への第一歩に思えたのだが・・・。

テリーがポーカーで大変な借金を抱えてしまったことから、兄弟に暗雲が立ち込め始めます。
この窮地を乗り切るために、2人はアメリカで成功を収めた伯父に助けを求める。
イアンは投資の元手となる資金の無心、テリーは借金返済のための無心。
2人の申し出を受ける代わりに、伯父からも交換条件を出される、それは伯父のビジネスの邪魔になる男を消して欲しい・・・というトンでもないものだった。

物語は始まった時から破滅への階段を一歩一歩下りて行くように、不安な気持ちを煽る。
伯父からの申し出に葛藤しながらも、どうしてもお金が必要な兄弟は犯罪の実行を決めるのです。
特に兄のイアンは成功への執着が強く、恋人に対する虚栄心もあってどうしてもお金が欲しい。
弟のテリーは気弱な面があって、兄よりもずっと振り幅の大きな葛藤に揺れるのですが、やはり借金からは逃れられないと腹を据えるのです。

ユアン・マクレガーとコリン・ファレルが兄弟を演じています。
兄を演じたユアンはちょっとええカッコしいの野心家を上手く表現していました。
弟のコリン・ファレルが今回はすごく良かった。
コリンってイケメンの役よりも、こういう少し三の線の入った方が似合うんだ。
あの下がりまゆ毛を一層下げて、ビクビクと怯える姿が今までのコリンと違っていて新鮮でした。
真面目で気の優しい市井の人もいけるんですね、意外な魅力の発見って感じ^^

「マッチポイント」、「タロットカード殺人事件」に続くウディ・アレンのロンドン3部作の最終章、という位置づけらしい。
とは言っても、それぞれに独立した物語です。
どの作品も歴史あるロンドンの街並みと、郊外ののどかな田園風景が楽しめる。
物語の醸し出すシリアスな雰囲気は「マッチポイント」に共通するのかも。
兄弟の行き着く先に希望は無い、とそれは予想が付くので、一体どんな悲劇的で皮肉なラストへと導かれるのか?が非常に気になった。
ヨットつながりでそれこそ「太陽がいっぱい」級の締めくくりを期待していたのですが、思ったよりかはあっさりとしていた。
それでも、皮肉なことに変わりは無いが・・・。

ウディ・アレン監督らしい小気味良い台詞の応酬、画的にもセンスが散りばめられていて、いつも楽しめます^^

CASSANDRA’S DREAM  (2007)
 監督 ウディ・アレン
 ユアン・マクレガー コリン・ファレル トム・ウィルキンソン
 ヘイリー・アトウェル サリー・ホーキンス フィル・デイヴィス
 ジョン・ベンフィールド クレア・ビギンズ
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キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン [映画 *か]


キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン [DVD]
「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」、観ました。

パイロット、医師、弁護士になりすまして小切手詐欺を繰り返した少年。
60年代のアメリカで実際に起こった事件が元ネタ。
スティーヴン・スピルバーグ監督作品。

高校生のフランクは両親の離婚という現実を目の当たりにして、それに耐え切れずに家を飛び出す。
所持金もそう持っていないであろう高校生は、すぐに金策に頭を痛めることに。
見るからに子供のフランクを相手にしてくれる大人がいるはずもなく、銀行、ホテルのフロントとことごとくにべもない扱いを受ける。
そんな時、フランクの眼前に颯爽と現われたパイロット。
パイロットを見つめる人々の羨望の眼差し、またパイロットが持つ絶大なる信頼に気付いたフランクは、その力にあやかり自らの窮地を脱する方法を見出すのだった。

16歳で小切手詐欺に手を染め、その後の5年間に渡り身分を偽りながら不渡り小切手を発行し、現金を騙しとった実在の詐欺師を元にした作品。
スピルバーグがメガホンを執り、主人公の天才詐欺師をレオナルド・ディカプリオが、彼を追うFBI捜査官・ハンラティをトム・ハンクスが演じています。
2002年の作品で、ディカプリオは当時で28歳くらいだった訳ですが、16歳の高校生をまったくの違和感もなく演じていて(童顔であるにしても)感心しました。
実は前にも観たことがあって、その時はまぁ普通の映画かな、くらいの感想しか持たなかったと思うのですが、今回はなかなか楽しめて、あれ、この映画好きかも^^と作品の印象がちょっと変わったという所が自分でも面白かったです^^

フランクは元々は裕福な家庭の1人息子で、会社経営者である勇ましい父親と、父親が戦時中に駐屯したフランスの田舎町で射止めた美しい娘だった母親との不自由のない暮らしを送っていました。
それが躓き出したのは父親の脱税容疑、そして経営難・・・夫婦の間にも亀裂が生じ、フランクの大好きだった家族がバラバラになろうとしている・・・耐え切れなくなった彼は家を飛び出してしまう。
それからの彼は身分を偽り生きていくのですが、実はその下地とも言える考え方は父親から得た教訓なのかな、と思いました。
パイロットの制服から得られるステイタス、つまり一目置かれる人間になるコツをかつて父親もフランクの目の前で実践した経験があるのです。
初めはお金を得るために始めた詐欺行為ですが、フランクには父親に褒めて貰いたい、という思いも抱いていたのでしょう。
尊敬し崇拝する父親に自分の手で掴んだ地位を認めて欲しい。
そして父親の方も悪いことと知りながらも、息子の才能に顔を綻ばす。
この奇妙な親子関係が効いていました、父親役のクリストファー・ウォーケンがまたイイ!

そして忘れてならないのが、フランクを追うFBIのハンラティ。
偽造小切手専門の捜査官なのですが、なんせフランクにはてこずりっ放し。
とにかく頭の回転の速いフランクに、追いついては取り逃がし、追いついてはかわされる。
この辺の捕り物のテンポも良くて、窮地のフランクがどうやってピンチを凌ぐのか、その点でも楽しめました。
そうやって何年も追いつ追われつしているうちに、この2人にも絆が生まれてくるんです。
クリスマスのエピソードも良いんです~。
ただの捕り物で終わらずに、その先の2人の関係もジンと来ました~。
ハンラティは実在の人物ではなくて創作の登場人物ということですが、モデルになった数人の方達がいるそうです。

映画のラストで、フランクのその後が紹介されますが、納得というか妙に感心させられました^^
まさに事実は小説より奇なり。
映画向きの題材を、スピルバーグが粋に料理してました。
忠実に再現された60年代の空気も見どころ。

CATCH ME IF YOU CAN  (2002)
 監督 スティーヴン・スピルバーグ
 レオナルド・ディカプリオ トム・ハンクス クリストファー・ウォーケン
 マーティン・シーン ナタリー・バイ ジェニファー・ガーナー
 エイミー・アダムス フランク・ジョン・ヒューズ ブライアン・ホウ
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アーマード 武装地帯 [映画 *あ]


アーマード 武装地帯 コレクターズ・エディション [DVD]
「アーマード 武装地帯」、観ました。

装甲現金輸送車の警備員達が、輸送金である4200万ドルを狂言強盗により強奪しようと目論む犯罪アクション。

警備員のタイは普段から世話になっている先輩のマイクに、とある計画に誘われる。
それは彼らが輸送を任された4200万ドルの現金を、強盗に襲われたという嘘をでっち上げて奪うというもの。
メンバーは警備員仲間の6人で、強奪した金は6人で山分け。
一切の犠牲者も出さない、完璧な計画だと話すマイクの言葉を信じて仲間に加わったタイだったが、ことが上手く運ぶはずは無く・・・。

はっきり言って、“計画、甘あまなんちゃうん~^^;”とツッコミ入れまくりです。
ひとつ予想外の出来事が起こってしまうと、パニくってしまって次々にヘマをやらかしてしまう犯人グループ。
完璧な計画どころか、穴だらけ。
しかし最初の計算違いで引き返すことが出来ず、目の前の大金に狂ったように執着する彼ら。

そんな時、仲間の中から行動を異にするものが出てくる。
それがタイ。
タイは当初の計画から大きく道を外す仲間に耐え切れず、狂言強盗の計画から下りようとする。
まだ現金が詰まれたままの輸送車に立てこもり、仲間の追跡を振りほどこうとするのだったが・・・。

上にも書いたようにツッコミどころ満載のアクション、って感じでしたが実は面白かったです。
出だしの所でタイとマイクの関係とか、タイが抱えている家庭の事情なんかをチョコっと描いているんですが、そこなんかも中々渋くていい感じなんですね。
事件が起こってからはテンポもいいし、けっこうハラハラとさせられましたし。
ツッコミというのも決して批判的なものじゃなくて、愛すべきツッコミなんですよね^^
小粒な尺なもんで、休みの朝からゴソゴソと観始めて、終わってもまだ10時来てなかったです、観易いっ!イイネ!

出演者も結構、豪華ですよ。
タイ役の役者さんはあんまり知らない人でしたが、妙に応援したくなってしまうような愛嬌のある顔した黒人さん。
あと、マイク役はマット・ディロン。
残りの4人の犯人もジャン・レノ、ローレンス・フィッシュバーン、「プリズンブレイク」のスクレに、あともう1人は残念ながら知らない人でしたが、いい顔ぶれですよね。
ローレンス・フィッシュバーンは「プレデターズ」に続いてアブないキレキャラで、どうもこれがお家芸になりそうな気配を感じました(笑)

記事を書くときに調べたら、「モーテル」や「プレデターズ」と同じ監督さんだったんですね。
どれも世間的評価はあまり高くないみたいだけど。
わたし的には、何気にどれも楽しめたりしたのですが~^^

ARMORED  (2009)
 監督 ニムロッド・アーントル
 マット・ディロン コロンバス・ショート ジャン・レノ
 ローレンス・フィッシュバーン アマウリー・ノラスコ
 スキート・ウールリッチ マイロ・ヴァンティミリア フレッド・ウォード
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きな子~見習い警察犬の物語~ [映画 *か]


きな子 ~見習い警察犬の物語~ [DVD]
「きな子~見習い警察犬の物語~」、観ました。

警察犬訓練士を目指す杏子と、ラブラドール・レトリバーのきな子の奮闘を描いた感動作。

夏帆ちゃん演じる杏子(通称あんこ)は父親が訓練士だったことから影響を受け、自分も小さい頃から父親と同じ道を歩くことを心に決めていた18歳の女の子。
念願の訓練所に住み込みで入所したあんこは、そこで病弱なラブラドールの赤ちゃんに出会う。
毛並みが黄な粉色だからきな子と名づけ、きな子を警察犬にすると宣言する。
厳しい訓練所長・番場のしごきに耐えながら、あんこときな子のペアの毎日が過ぎていくのだった・・・。

挫折を乗り越えて、夢に向かって進んでいくあんこの成長物語でした。
彼女のパートナーのきな子も、決して優等生ではありません。
警察犬試験で大失敗を披露したきな子は“ズッコケ見習い警察犬”として注目されたくらいなのですから。
それでも懸命に努力する姿と、このペアの間に生まれた絆に、観ているこちらも癒されました。

ストーリーははっきり言って王道です。
次はこうなるだろうというお約束をキッチリ踏まえて進んでいきます。
普段なら“ベタやな~“と少々悪口も出て来そうな展開ですが、この映画に限ってはとても素直な気持ちで向き合うことが出来ました。
何でなんだろうな~、やっぱり真面目さが伝わってくるし、嫌味の無さが良かったのかな^^

夢にひたむきに取り組むあんこの真っ直ぐさと演じた夏帆ちゃんが融合。
きな子の愛くるしい姿、飼い主に似るが如くだんだん夏帆ちゃんと似ているように思えて来たし^^
それからちょっと熱過ぎるくらいの演技でしたが、それも良いスパイスだった寺脇さん演じる番場所長。
あんこを厳しく見守る番場ファミリーの子供達も良かった。
特に番場の娘・ニイナの存在感は抜群、この子には笑わされました。

あんこときな子の奮闘に笑って泣いて、劇場出たら化粧が落ちまくり^^;

きな子~見習い警察犬の物語~  (2010)
 監督 小林義則
 夏帆 寺脇康文 戸田菜穂 山本裕典 広田亮平 大野百花
 遠藤憲一 浅田美代子 平田満 原史奈 宮武祭
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月に囚われた男 [映画 *た]


月に囚われた男 コレクターズ・エディション [DVD]
「月に囚われた男」、観ました。

契約期間:3年
赴任地:月
労働人数:1人

近未来、地球上のエネルギー源は枯渇。
ところが月の裏側に豊富な資源があることが発見される。
この資源を採掘し、地球に輸送する任務にたった一人で従事する男を描いたSF。

孤独な任務を日々こなし、あと2週間で任期の3年を迎えるサム。
地球との通信は衛星の故障により不可能となって久しい。
妻との会話を録画したテープが唯一の拠り所。
月でのパートナーは、ロボットのガーティただ1人(?)。
1日に1本、エネルギーをポットに詰め地球に向けて発射すればあとは自由な時間だけが残される。
地球への帰還が近づくに連れ、心が落ち着かなくなって来たサムはある日、不可解な現象に見舞われる。

ビデオレターに出てくる妻や、資源発掘会社の社員など、少々の出番の出演者を除けば、サム役のサム・ロックウェルの1人芝居と言っても差し支えないでしょう。
彼の演技力が、この不可思議な物語を支えていました。
私は観ているうちに、すごく惹きこまれて行くのが自分でも分かった。
意外と淡々とした雰囲気も受けるのですが、ちゃんと緊張感も伝わって来るんです。
この次にどういう展開が待ち受けているのか、固唾を呑んで見守っていました。

SFで描かれる未来は、科学技術の発達によって、人類が長年抱いてきた夢を叶えた姿を垣間見せてくれる。
タイムマシンもその一つ、宇宙旅行もその一つ、月面に立つのもその一つ。
そして同時に、環境問題や異種族の共存・・・等の大切なメッセージを含ませていると思う。
この物語も月を舞台にして、人間の尊厳という事を考えさせられる内容になっていました。
サムの人生を思うと、その理不尽さに震えと切なさが込み上げた。

白を貴重にした月のステーション内部は「2001年宇宙の旅」を彷彿。
モノクロームの世界が広がる月面や、そこを走る作業車の画もどこかほのぼのとした懐かしさがあった。
低予算で作られた、ってのはちょっと納得^^
サム・ロックウェルの演じ分けも良いし、話自体も好きな雰囲気でした。
小品ながら奥深く、味わいのある佳作。

人工知能のガーティの声は、エンドクレジットで知りましたがケヴィン・スペイシーだそう。

MOON  (2009)
 監督 ダンカン・ジョーンズ
 サム・ロックウェル ケヴィン・スペイシー ドミニク・マケリゴッド
 カヤ・スコデラーリオ ベネディクト・ウォン マット・ベリー
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ハートブルー [映画 *は]


ハートブルー [DVD]
「ハートブルー」、観ました。

銀行強盗グループを逮捕するため、ビーチのサーファーに紛れ込み潜入捜査する新人FBI捜査官の活躍を描いたアクション。

「ハート・ロッカー」でアカデミー賞に輝いたキャスリン・ビグロー監督の1991年の作品。
FBI新人捜査官をキアヌ・リーヴスが、宿敵である犯人グループのボスを昨年すい臓がんの為に他界されたパトリック・スウェイジが演じています。

この作品は1991年の映画でもう、20年近くも前の映画になるんですね~。
その昔、レンタルビデオで鑑賞したことあります。
サーフィンとかスカイダイビングとか、格好良いスポーツを上手くアクションとして盛り込んでいて、とても楽しめた記憶が自分の中で残っていました。
今年、「ハート・ロッカー」でその名を賑せたビグロー監督が「ハートブルー」の監督さんだったことを知って、機会があれば再見したいな~、と思っていたのです。
この度レンタル店でパッと目に入ったので、そうだそうだ、これ借りないと・・・ってすかさず手に取った^^
いま観ても十分イケてるアクションだと感心しました。
ひとつ残念だったのは借りたDVD自体がかなり古かった、と言うことでもう少し新しく出た物だったら、もっと画質とか綺麗なのかな~、とそこがちょっと・・・ではありましたが^^

カリフォルニアで頻発する銀行強盗の担当になったのは新人のジョニー(キアヌ)。
コンビを組む先輩刑事は強盗発生時期に独特の周期があることから、犯人グループは波を追って移動しながら強盗で生計を立てているサーファー達ではないか、という斬新な推理を持っていた。
この推理に共感したジョニーはサーファーに成りすましビーチに潜入、それらしき犯人達を捜し始める。
そこでジョニーはボーディと呼ばれる熟練サーファーに出会うのだが・・・。

この暑さですから、巨大な波をくぐる様にボードを操るサーファーの涼しげな映像がイイ~^^
ちょっとしたリゾート気分も味わえたりして、この前の「パーフェクト・ゲッタウェイ」の絶景といい、夏が苦手な私でもやっぱこれだよ~、夏はいいね~なんてワクワクしてしまいました。
ジョニーはサーフィン初心者で最初はビーチでも笑われたりするようなダサい感じなんですが、段々とその魅力に引き込まれていってしまうのですね。
ビーチで知り合った女性にサーフィンを教えてもらったり、ボーディたちの自由な生き方に触れたりするうちに、自然を相手に挑むサーフィンとサーファー達に連帯感を持つようになる。
ところが・・・と言う話なんです。

キャスリン・ビグロー監督はホントにワイルドで骨太な映画を作る人だと思いました。
もちろんその昔に鑑賞した時はあんまり映画に関する知識など持ち合わせてない頃で、監督さんが女性とか全然知らなかった訳です。
だから今回観る時には果たして女性監督らしさが感じられるかと、ちょっと気にしながら観ていたのですが、男らしさを感じるアクションにはホレボレするばかりで、言われなければあまり女性っぽさは感じないかも、でした。

すごく面長な印象のキアヌですが、この頃はまだポチャポチャっとしてて初々しさのある可愛さ。
パトリック・スウェイジはカリスマ的なサーファー役で魅力を発揮していました。
この2人は、お互いの境遇が違っていたならばとても素晴しい師弟関係、というか友情を育むことが出来たのではないか?と思えるんですね。
それが追う立場、追われる立場になることで親しみと憎しみという相反する感情に揺さぶられるようになる。
面白かったですね~。
最後なんか、ホントに男のロマンを感じました。
実際の刑事さんだったら絶対しちゃいけないことだろうけど、あのラストはこう、ロマンがあったね~。
やっぱビグロー監督、カッコよすぎです^^

POINT BREAK  (1991)
 監督 キャスリン・ビグロー
 キアヌ・リーヴス パトリック・スウェイジ ロリ・ぺティ ゲイリー・ビューシィ
 ジョン・C・マッギンレー ジェームズ・レグロス ジョン・フィルビン トム・サイズモア
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パーフェクト・ゲッタウェイ [映画 *は]


パーフェクト・ゲッタウェイ [DVD]
「パーフェクト・ゲッタウェイ」、観ました。

ハワイの美しい自然の中で繰り広げられる死闘を描いたサスペンス・アクション。

ハネムーンでハワイを訪れた新婚カップルのシドニーとクリフ。
彼らは楽園のようなビーチを目指してトレッキングコースを辿ることに。
その途中でヒッチハイクをする男女、アウトドアに長けた男女、という2組のカップルと顔見知りになる。
折りしも“ハワイでカップルの惨殺死体が発見され、犯人もカップルらしい”とのニュースが流れる。
もしかしたらこの中に犯人がいるのでは?
疑心暗鬼に駆られながら、歩を進めるシドニーたちだったが・・・。

事前情報なしで観るのが、楽しめる秘訣だと思います。
感想が書き難い作品、ってことですね~。
だから映画の本筋から離れた感想になるのですが、とんでもない位自然が美しいです!
これぞ絶景!
雄大で神々しさを感じる景観を見ていると、この世の楽園とはこういう所かと思っちゃいますね^^
ハワイってホントにいい所ですね、私はまだ一度も行った事が無いので、こんな楽園みたいなとこでのんびりと過ごしてみたいものだと、またしても行きたい場所リストに書き込みしてしまった。
(映画を観てるとそういう場所が増えるけど、いつまで経っても“行きたい止まり”なんですが^^;)

この美しい大自然の懐でとんでもなく残忍な事件が起こります。
それで、もしかしたら側にいる人間が犯人かもしれない、という緊張感。
南の島のジャングルのような場所だし、携帯の電波も繋がる所もあれば圏外の所もある、全く人が居ない訳でもないけど直ぐに警察が駆けつけられる場所でもない。
シチュエーションとしてはドキドキハラハラ感を煽るのにも、絶好の環境に思えました。

97分のコンパクトサイズということもあって、イッキに鑑賞してしまった。
やっぱこれくらいの尺が一番観やすい。
後半はアクションも畳み掛けだったし。

・・・でも、後々じっくり思い返してみると、釈然としない気もする。
何か強引な手法で、観客を騙してたコジツケ感を感じなくも無い^^;
まぁ、観てる間は十分、引き込まれてた事は間違いないんですけどね。

A PERFECT GETAWEY  (2009)
 監督 デヴィッド・トゥーヒー
 ミラ・ジョヴォヴィッチ ティモシー・オリファント キエレ・サンチェス
 スティーヴ・ザーン マーリー・シェルトン クリス・ヘムズワース
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