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グリーン・ホーネット [映画 *か]


グリーン・ホーネット (ミシェル・ゴンドリー 監督) [DVD]
「グリーン・ホーネット」、観ました。

覆面姿に身を包み、相棒と共に世の犯罪者と戦うグリーン・ホーネットの活躍を描いたアクションコメディ。
主演はセス・ローゲン、相棒のカトーにはジェイ・チョウ。

実はこの映画、観てきてから1週間ほど経ったのですが、もう頭の中から消えつつあります・・・^^;
それくらい、私にとっては後に何にも残らない映画でした。
もちろん、観ている最中はそこそこ楽しめたような気もしたのですが。
さて、感想を書こうかと後ろを振り返ってみたら、何も出てこなくてビックリしました(汗)

新聞社社長で仕事人間の父親を持つブリットは、幼い頃から寂しさを抱えてきた。
成人した今では父への反発から放蕩し放題。
ある日、蜂に刺されたショックで父が急死し、新聞社の跡を継ぐことになる。
父親の運転手だったカトーは凄腕のカンフーの使い手で、車を改造する腕前もピカイチだった。
その頃、ロサンゼルスではギャング・チュドノフスキーが幅を利かし治安は悪化。
ブリットはカトーと共に覆面に身を包み、正義の味方となって街に飛び出すのだった。

そもそもコメディなので、頭をカラにして楽しめればそれでいいのですよね。
そんな風な気持ちで観て、帰って来て、今に至り、感想が浮かばない・・・困った^^;
良い所を上げるとしたら、カトー役のジェイ・チョウ。
まるっきり見るのも聞くのも初めての方だったのですが、身のこなしもスマートで笑顔がキュートでした。
台湾出身の歌手、作曲家、俳優、等々、非常に多彩な方のようですね!
劇中でもピアノを弾いてましたが、もっと聞きたかった。
ジェイ・チョウ、この名前とあの笑顔はもう絶対忘れないかな、って感じ。
(中身は残らなかったが、彼は残っていた^^何故かホッと一安心)
映画の最中に何を楽しみにしていたか?と言われたら、きっと彼だったんだと思います。
(あと、初めのほうにちょこっと出てきたジェームズ・フランコ^^*)

セス・ローゲンもあんまり良く知らないので(多分、「スモーキング・ハイ」しか観たことが無い筈)、こんな感じの芸風かな~、くらい。
キャメロン・ディアスは存在感が薄かった。「ナイト&デイ」ほどのキュートさは感じられず。
ギャングのボス役のクリストフ・ヴァルツは何かちょっと、キャラがアホ過ぎて気の毒でした^^;
比べるのもアレですが「イングロリアス・バスターズ」の時とは雲泥・・・。
あれれ、だんだん酷評めいて来てる!?
もう、この辺で止めとこうかな^^;
 
2Dしかやってなかったのですが、全然OKでした。
むしろ2Dで有り難かったかも^^
そろそろ何でもかんでも3Dにしちゃえ~、みたいなのは止めにして頂きたい。

THE GREEN HORNET  (2010)
 監督 ミシェル・ゴンドリー
 セス・ローゲン ジェイ・チョウ キャメロン・ディアス クリストフ・ヴァルツ
 エドワード・ジェームズ・オルモス デヴィッド・ハーバー トム・ウィルキンソン
 エドワード・ファーロング ジェイミー・ハリス ジェームズ・フランコ
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影なき男 [映画 *か]

「影なき男」、観ました。

国境の山深くに逃亡した凶悪犯を追うFBI捜査官と、彼と行動を共にする山岳ガイドの決死の追跡を描いたサスペンスアクション。
1987年のアメリカ映画。

サンフランシスコで宝石店への侵入事件が起こる。
犯人は何とこの店の店主。
妻を人質に取られた店主が、犯人の要求に従い店からダイヤを持ち出そうとした・・・と言うのが事の真相。
FBI捜査官のスタンティンらは店主宅に急行。
しかし姿を隠した犯人は人質を盾にしてダイヤを奪うことに成功、その後人質を射殺し逃亡を果たす。
必死で犯人を追うスタンティンの元に、カナダとの国境の町から連絡が入る。
犯人らしき男は釣り客のツアーに紛れ込み入山した模様。
山を越えカナダへの逃亡を企てる犯人を追って、スタンティンは山岳ガイドのノックスと共に出発するのだった。

冒頭のサンフランシスコで起きた事件、犯人の姿は少ししか見せません。
顔は全く映らないようにしてあるのです。
そしてそれが、後のシーンで生きてくる。
犯人が紛れ込んだ釣り目的の山岳ツアーは客である5人の男がいるのですが、その中の一体誰が犯人なのか?
それが分からないじゃありませんか、やきもきしますよね~。
見ているこちらには、どの男も怪しく映るし、またそのように作ってある。
ツアーには山岳ガイドが案内役として同行ているのですが、それがサラという女性なんです。
いつ犯人が持ち前の凶暴さを露にするのか、サラに危険が及ぶのでは、と心配でならない、これは上手いな~、と思いました。

そしてそのサラの恋人が、FBI捜査官・スタンティンの案内をする山岳ガイド・ノックスという訳。
とにかく何としてもノックスはサラ一行に追いつきたい、それには捜査官とは言え山にはド素人のスタンティンが足手まといで堪らない。
何とか彼を置いて一人で先を急ごうとするノックス。
しかしスタンティンの方も食い下がるはずもなく、慣れない山道をノックスの後に続く。
こうした状況で、高山を舞台にした追跡劇が幕を開けるのです。

山という大自然を相手にした追跡は困難を極めます。
次から次に危機が訪れ、流石のノックスも苦悶を浮かべる事態に襲われます。
固い岩肌に激突するシーンでは、思わず「痛っ!」と叫んでしまったほど。
アクションも実際の現場で挑んでいるようでしたし、なかなか硬派な作り。
ロック・クライミングや猛吹雪など、役者さんもスタントマンさんも良い仕事をしているな~、としみじみ感じ入りました。
追う方と追われる方を交互に挟みながら、話しは進んでいきます。

犯人が本性を現すのが思ったより早くて、もうちょっと引っ張っても良かったかな、とも思いましたが、その後は犯人に追いつこうと猛追を仕掛けるスタンティンとノックスの方にも力が入ってきたので、バランス的には良かったのかもしれません。
最初はしっくり来なかったスタンティンとノックスの間にも、困難を乗り越える内に信頼関係が芽生え、物語はクライマックスへ・・・。

BSで放送されていて、何気に録画していたのですが拾い物の山岳サスペンスアクションでした^^

SHOOT TO KILL  (1987)
 監督 ロジャー・スポティスウッド
 シドニー・ポワチエ トム・べレンジャー カーティス・アレイ クランシー・ブラウン
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ゲッタウェイ [映画 *か]

 
ゲッタウェイ [DVD]
「ゲッタウェイ」、観ました。

スティーヴ・マックィーン主演、1972年製作のクライムアクション。

刑務所に服役中のマッコイは獄中生活に耐えかね、裏取引によって出所する。
取引相手のベニヨンは、マッコイに自由の身と引き換えに銀行強盗を依頼。
ベニヨンが集めたメンバー、そして妻のキャロルも含めた実行犯チームは現金強奪に成功する。
しかし、メンバーの一人・ルディの裏切りに遭い、金を横取りされそうになる。
辛うじて逃げ切った2人だったが、その後も次々に問題が発生。
マッコイとキャロルはルディ、警察、そしてベニヨン一味から追われる身となってしまうのだった。

各方面からの追跡を逃れながらマッコイとキャロルが目指すのはメキシコ。
国境を越え、自由を手に入れようと逃避行を続けます。
彼らは初めに列車にのって南を目指そうとするのですが、列車を待つ間の駅でも突発的な災難に巻き込まれ、大金の入ったバッグを見失ってしまうのです。
発車間際の列車の中、静かに、しかし鋭い眼差しで獲物を捕らえ見事マッコイがバッグを取り返すまでは、ジリジリと焦らされるような気分になる時間でした。
どちらかと言うとあまり派手ではないシーンでしたが、見入ってしまいました~。

列車に乗るのを諦めて、車で移動を始めてからはやっぱり派手になってきますね。
追っ手を逃れてのカーチェイス、ホテルでの大立ち回り。
中でも驚いたのがゴミ収集車の中に閉じ込められてしまうシーン。
大量のゴミと共に振り落とされるマッコイとキャロルの画はちょっとした衝撃。
アクションの本気度の高さが窺い知れます^^;

スティーヴ・マックィーンが演じるマッコイは完全なアウトロー。
昔気質な所があって義理堅くも見えた。
しかし彼が長く刑務所にいる間に、時代は変わってしまったのか、それともマッコイが人を信じすぎたのか。
裏取引を相談するため、ベニヨンの元に妻をやったのがそもそもの失敗ではなかったか。
あんなに魅力的な女性を、頭の上がらない立場の上役の所へ遣ればどういう事が起き得るか・・・。
マッコイがそれを思いも寄らぬ事だと思っていた所が、ちょっと甘いような。
キャロルがしたことに腹を立て、彼女を殴り付けるシーンは見てられなかった。
それが愛するが故であることは、マッコイ自身誰よりも分かっている、というのも痛いですよね。

どんなシーンも手抜き無く、本気で演技しているマックィーンの男気が全編に溢れています。
キャロルを演じたアリ・マッグローという女優さんがまた美しいの~。
(この後、2人は実生活でも結婚したそうです^^)
ドンパチのシーンが有名な作品のようですが、わたし的にはマッコイとキャロル夫婦の姿を見ている方がハラハラさせられたし、面白かった。
それ程絵になる2人だった、って訳なんです~。

THE GETWEY  (1972)
 監督 サム・ペキンパー
 スティーヴ・マックィーン アリ・マッグロー ベン・ジョンソン
 サリー・ストルーザーズ アル・レッティエリ スリム・ピケンズ
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クレイジー・ハート [映画 *か]


クレイジー・ハート [DVD]
「クレイジー・ハート」、観ました。

人生の折り返しを過ぎたカントリーミュージシャンの挫折と再生を描いたヒューマンドラマ。

ミュージシャンとして成功を収め一世を風靡したバッド・ブレイク。
57歳を過ぎその栄光も過去のものとなってしまった今でも、現役の歌手である。
酒が手放せず腹の出っ張った中年男、新曲は浮かばず過去のヒット曲を歌い続ける。
舞台は片田舎のバーであったりボーリング場であったり。
それでも彼のステージを喜ぶ観客はかならずいてくれる。
そんなある日、興行で訪れたサンタフェの町で地元紙の記者・ジーンという女性と出会い・・・。

ジェフ・ブリッジスが演じるバッド・ブレイクというカントリー歌手。
落ちぶれて地方回りの日々、しかも興行に出掛ける時は年季物の愛車のハンドルを自ら握り、時には千キロを超える道のりを一人で旅するのです。
そんなバッドの道連れはギターと酒瓶。
車を運転している時、家でくつろいでいる時、絶えずベルトを外してウエスト回りを楽にしているバッドが何ともお茶目でした。
お腹が太って窮屈で、緩めたくなる気持ちは分からなくもない^^;
自然体で気負いが無い、落ちぶれた事実に対しても既に自分の中で壁を乗り越えていて、ある意味諦めの境地に達しつつある人のように見えました。

そうは言ってもバッドの人生がこのままで良いのかと言えばそうでもない。
一番の問題は彼のアルコールに依存した生活。
このままの状態を続けていれば歌手生活に支障を来たす事は目に見えているし、命にも関わることになりかねない。
荒む一方だったバッドの人生が、シングルマザーのジーン、その息子のバディと出会った事で転機を迎えることになっていくのです。

一人の男が歩いてきた人生、を感じさせる映画でした。
きっと良い夫でも、良い父親でもなかった、好きなことを追求するあまり自分勝手に生きてきた人生。
年老いた今のバッド・ブレイクは、男としては十分過ぎるほど家事も手馴れていて人間も丸い。
若かりし彼から現在の彼に至るまでの間には、数々の挫折を味わい砂を噛む思いもした筈。
そういうバッドの背景を感じさせるジェフ・ブリッジスの味わい深い演技が素晴しかった。
勿論、全編を通して聞くことが出来る彼のカントリーも聞き応え十分。
ウエスタンハットにブーツ、というスタイルも正にアメリカって感じで格好よすぎでした。

脇を固めた俳優陣も負けておらず、ジーン役のマギー・ギレンホール、バッドの弟子で売れっ子歌手役のコリン・ファレルも良かった。
コリンは前はホントに良さが分からなかったのですが、この前の「ウディ・アレンの夢と犯罪」に続いて今回も新しい面を見せてもらった気がします。私の中で株は上がる一方^^
そしてロバート・デュヴァル。
バッドの友人・ウェイン役でしたが、2人の友人関係を通して透けて見える人間性、というのがすごく良かった。
ウェインのバッドに対する愛情ある接し方を見るにつけ、それがバッドの人の良さをも表現していると思いました。
ウェインの優しさは合わせ鏡のようにバッドの優しさでもある、と言えるのでしょうから。
ロバート・デュヴァルとジェフ・ブリッジス、2人のシーンでは何度かじんわりと込み上げて来るものがありました、さすが燻し銀です。

アメリカ南西部の無限とも思える風景が広がり、ロードムービーとしても楽しめる。
もちろん音楽も・・・と言うことで一粒で2度も3度も美味しい映画。
味付けは大人向きではありますが^^

CRAZY HEART  (2009)
 監督 スコット・クーパー
 ジェフ・ブリッジス マギー・ギレンホール ロバート・デュヴァル
 ライアン・ビンガム コリン・ファレル ポール・ハーマン
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疑惑の影 [映画 *か]


疑惑の影 [DVD]
「疑惑の影」、観ました。

カリフォルニア・サンタローザに暮らすチャーリーは、平凡な日々に小さな不満を抱きながらも、家族に囲まれ平和に過ごしていた。
ある日、彼女と同じ名前を持つ叔父・チャーリーが訪ねてくることになる。
同じ名前ということもあって、チャーリーは叔父人一倍、親愛の情を抱いているのだ。
ところが叔父にはある疑惑が持たれていて、チャーリーの周りに不穏な空気が漂い始めるのだった・・・。
アルフレッド・ヒッチコック監督の1942年の作品。

チャーリーにとって、洗練された紳士で優しい叔父は自慢の存在。
叔父と連れ立って街を歩くと、女友達が羨ましそうな目線を送ってくる。
平凡な毎日が叔父の出現によってきらめいて見える。
叔父の姉であるチャーリーの母も、同じような気持ちを抱いているらしく、子供の頃の面影を思い出しては愛しさが増し、実業家となった弟が誇らしくもある。
一気に華やぎだした家の中だったが、突然とも思える2人組の男たちの訪問が風向きを変え始める。

チャーリーは叔父に恐ろしい嫌疑が掛けられている事を知ります。
それと並行するように、優しかった叔父の別の一面に気付き始めるのです。
一度、湧いた疑惑はチャーリーの心に影を落とし、チャーリーの異変を察知した叔父も影の面を濃くしていきます。
叔父に対する疑惑が徐々に確固たる物へと変化していく様子や、それを知ったチャーリーが母を思うあまり表に出せないジレンマなど、ジリジリさせながら観客を引きつけるところは流石の上手さ。

叔父の魅力にまいっているのは女性ばかりで、チャーリーの父親はじめ男性からの評価は意外に厳しく、子供からもあまり好かれてない、というのがミソでした。
叔父自身、ターゲットとして見なした相手には良い所を見せて油断させ、そうでも無い相手に対した時とは態度が違ってたりするんでしょうね、意識してない所でも。
そしてそれを感じ取るっている側も、無意識的だったりするんでしょうね。
この辺の描き方も面白いのかもしれません^^

古い映画なのでモノクロですが、そこが良い雰囲気を醸し出していました。

SHADOW OF A DOUBT  (1942)
 監督 アルフレッド・ヒッチコック
 テレサ・ライト ジョセフ・コットン マクドナルド・ケリー
 パトリシア・コリンジ ヘンリー・トラヴァース ウォーレス・フォード
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キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン [映画 *か]


キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン [DVD]
「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」、観ました。

パイロット、医師、弁護士になりすまして小切手詐欺を繰り返した少年。
60年代のアメリカで実際に起こった事件が元ネタ。
スティーヴン・スピルバーグ監督作品。

高校生のフランクは両親の離婚という現実を目の当たりにして、それに耐え切れずに家を飛び出す。
所持金もそう持っていないであろう高校生は、すぐに金策に頭を痛めることに。
見るからに子供のフランクを相手にしてくれる大人がいるはずもなく、銀行、ホテルのフロントとことごとくにべもない扱いを受ける。
そんな時、フランクの眼前に颯爽と現われたパイロット。
パイロットを見つめる人々の羨望の眼差し、またパイロットが持つ絶大なる信頼に気付いたフランクは、その力にあやかり自らの窮地を脱する方法を見出すのだった。

16歳で小切手詐欺に手を染め、その後の5年間に渡り身分を偽りながら不渡り小切手を発行し、現金を騙しとった実在の詐欺師を元にした作品。
スピルバーグがメガホンを執り、主人公の天才詐欺師をレオナルド・ディカプリオが、彼を追うFBI捜査官・ハンラティをトム・ハンクスが演じています。
2002年の作品で、ディカプリオは当時で28歳くらいだった訳ですが、16歳の高校生をまったくの違和感もなく演じていて(童顔であるにしても)感心しました。
実は前にも観たことがあって、その時はまぁ普通の映画かな、くらいの感想しか持たなかったと思うのですが、今回はなかなか楽しめて、あれ、この映画好きかも^^と作品の印象がちょっと変わったという所が自分でも面白かったです^^

フランクは元々は裕福な家庭の1人息子で、会社経営者である勇ましい父親と、父親が戦時中に駐屯したフランスの田舎町で射止めた美しい娘だった母親との不自由のない暮らしを送っていました。
それが躓き出したのは父親の脱税容疑、そして経営難・・・夫婦の間にも亀裂が生じ、フランクの大好きだった家族がバラバラになろうとしている・・・耐え切れなくなった彼は家を飛び出してしまう。
それからの彼は身分を偽り生きていくのですが、実はその下地とも言える考え方は父親から得た教訓なのかな、と思いました。
パイロットの制服から得られるステイタス、つまり一目置かれる人間になるコツをかつて父親もフランクの目の前で実践した経験があるのです。
初めはお金を得るために始めた詐欺行為ですが、フランクには父親に褒めて貰いたい、という思いも抱いていたのでしょう。
尊敬し崇拝する父親に自分の手で掴んだ地位を認めて欲しい。
そして父親の方も悪いことと知りながらも、息子の才能に顔を綻ばす。
この奇妙な親子関係が効いていました、父親役のクリストファー・ウォーケンがまたイイ!

そして忘れてならないのが、フランクを追うFBIのハンラティ。
偽造小切手専門の捜査官なのですが、なんせフランクにはてこずりっ放し。
とにかく頭の回転の速いフランクに、追いついては取り逃がし、追いついてはかわされる。
この辺の捕り物のテンポも良くて、窮地のフランクがどうやってピンチを凌ぐのか、その点でも楽しめました。
そうやって何年も追いつ追われつしているうちに、この2人にも絆が生まれてくるんです。
クリスマスのエピソードも良いんです~。
ただの捕り物で終わらずに、その先の2人の関係もジンと来ました~。
ハンラティは実在の人物ではなくて創作の登場人物ということですが、モデルになった数人の方達がいるそうです。

映画のラストで、フランクのその後が紹介されますが、納得というか妙に感心させられました^^
まさに事実は小説より奇なり。
映画向きの題材を、スピルバーグが粋に料理してました。
忠実に再現された60年代の空気も見どころ。

CATCH ME IF YOU CAN  (2002)
 監督 スティーヴン・スピルバーグ
 レオナルド・ディカプリオ トム・ハンクス クリストファー・ウォーケン
 マーティン・シーン ナタリー・バイ ジェニファー・ガーナー
 エイミー・アダムス フランク・ジョン・ヒューズ ブライアン・ホウ
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きな子~見習い警察犬の物語~ [映画 *か]


きな子 ~見習い警察犬の物語~ [DVD]
「きな子~見習い警察犬の物語~」、観ました。

警察犬訓練士を目指す杏子と、ラブラドール・レトリバーのきな子の奮闘を描いた感動作。

夏帆ちゃん演じる杏子(通称あんこ)は父親が訓練士だったことから影響を受け、自分も小さい頃から父親と同じ道を歩くことを心に決めていた18歳の女の子。
念願の訓練所に住み込みで入所したあんこは、そこで病弱なラブラドールの赤ちゃんに出会う。
毛並みが黄な粉色だからきな子と名づけ、きな子を警察犬にすると宣言する。
厳しい訓練所長・番場のしごきに耐えながら、あんこときな子のペアの毎日が過ぎていくのだった・・・。

挫折を乗り越えて、夢に向かって進んでいくあんこの成長物語でした。
彼女のパートナーのきな子も、決して優等生ではありません。
警察犬試験で大失敗を披露したきな子は“ズッコケ見習い警察犬”として注目されたくらいなのですから。
それでも懸命に努力する姿と、このペアの間に生まれた絆に、観ているこちらも癒されました。

ストーリーははっきり言って王道です。
次はこうなるだろうというお約束をキッチリ踏まえて進んでいきます。
普段なら“ベタやな~“と少々悪口も出て来そうな展開ですが、この映画に限ってはとても素直な気持ちで向き合うことが出来ました。
何でなんだろうな~、やっぱり真面目さが伝わってくるし、嫌味の無さが良かったのかな^^

夢にひたむきに取り組むあんこの真っ直ぐさと演じた夏帆ちゃんが融合。
きな子の愛くるしい姿、飼い主に似るが如くだんだん夏帆ちゃんと似ているように思えて来たし^^
それからちょっと熱過ぎるくらいの演技でしたが、それも良いスパイスだった寺脇さん演じる番場所長。
あんこを厳しく見守る番場ファミリーの子供達も良かった。
特に番場の娘・ニイナの存在感は抜群、この子には笑わされました。

あんこときな子の奮闘に笑って泣いて、劇場出たら化粧が落ちまくり^^;

きな子~見習い警察犬の物語~  (2010)
 監督 小林義則
 夏帆 寺脇康文 戸田菜穂 山本裕典 広田亮平 大野百花
 遠藤憲一 浅田美代子 平田満 原史奈 宮武祭
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借りぐらしのアリエッティ [映画 *か]


借りぐらしのアリエッティ サウンドトラック
「借りぐらしのアリエッティ」、観ました。

床下にひっそりと暮らす小人たち。
彼らは人間から借りてきた道具で“借りぐらし”をしながら、ずっと昔から存在してきた。
14歳のアリエッティもそんな小人のひとり。
ある夏、アリエッティの住む家に、翔という病気の少年が療養に訪れる。

もう夏休みも終わりますね。
お盆明けから先週ぐらいまで、ほとんど手をつけてないと言っても言い過ぎでないような状態の子供の宿題に、追われに追われていました。
中学生になると、本当に量が増えるのですね。
おまけに部活もあるし。
手伝ってやらなければ終わりのメドも立たないくらい。
今年の苦労を教訓にして、来年は計画的に自主的に進めていってもらいたい^^;
とにかく、おつかれ~。

ってことで、やっと映画に行こうか?という気分が盛り返してきました。
8月中旬からは、気分的にも追われている感じがするし、肉体的にも暑さと眠さでクタクタ。
DVDを観てても途中で寝ちゃってて、何が何だか分からないことも多かったです。
(ほとんど「サロゲート」状態^^;)
更新のほうも途切れ途切れで、コメントのお返事も遅れがちな事が多く、スミマセンでした。
今年は猛暑がまだ続いているけれど、ここらで気合を入れ直して頑張りたいです^^

さて、映画。
緑に覆われた庭園を持つ一軒家が、アリエッティが借りぐらしをしているお宅。
そこで両親と共に暮らすアリエッティが、14歳になったことで初めての“借り”に出ます。
人間の暮らすエリアから自分たちの生活に必要な物を必要な分だけを借りてきて、床下での暮らしに役立てるのですが、この“借り”に行く事ってほぼ冒険ですね。
アリエッティはこの借りを心待ちに楽しみにしていて、お父さんと共に手際よく進んでいきます。
ところが、肝心のところで自分の姿を人間に見られてしまいます。
アリエッティに気付いたのは、翔という病気の男の子。
人間に見られたら、住む所を離れなければならない。
それが自分たちの身を守るための決め事なのですが、翔は優しくアリエッティに語り掛けてくるのでした・・・。

「床下の小人たち」というファンタジー小説が原作となっているそうです。
小学生の頃、図書館で借りた本のページを、ワクワクしながらめくっていた感覚を思い起こさせるような映画でした。
自分の住む家の床下に、もしかしたら小人がいるかもしれない・・・、そんな楽しい空想がそのまま物語になっていました。
こじんまりとした小さな世界で描かれる物語、それだけに身近に感じることも出来ると思う。
そしてたった1軒の家の中の出来事でも、共存することの難しさ、困難を越えて生き抜く力強さが描かれていました。
下手に壮大すぎて訳が分からなくなってしまうファンタジーより、このシンプルさがよっぽど良かった。
作品的にも、他のジブリ作品よりこじんまりとした印象でしたが、真面目に丁寧に作られているのが良く伝わって来ました。

借りぐらしの小人たちが知恵とアイディアを絞った冒険グッズ、小さなお家のささやかな暮らし、夏の青葉が眩しく輝く庭園など、見どころもありました^^
全体を包むフォークロアな雰囲気も心地よし。

借りぐらしのアリエッティ  (2010)
 監督 米林 宏昌
 志田未来 神木隆之介 大竹しのぶ 三浦友和 
 竹下景子 樹木希林 藤原達也   
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恋するベーカリー [映画 *か]


恋するベーカリー ~別れた夫と恋愛する場合~ [DVD]
「恋するベーカリー」、観ました。

人気ベーカリーの女主人・ジェーンは10年前に離婚してから、3人の子供を女で一つで育て上げた。
元夫のジェイクは若妻と再婚、それぞれの道を歩いていたジェーンとジェイクだが、息子の大学卒業式に出席するため訪れたNYで再び良いムードになってしまい・・・。

レンタルしたDVDには「恋するベーカリー」の後に「別れた夫と恋愛する場合」というサブタイトルが付いていました。
確か公開時にはこんなサブタイトル、無かったと記憶しているのですが、映画の内容を上手く表しているのはサブタイトルの方かもしれないですね。

離婚して10年経って、ひょんなことから食事をすることになった元夫婦が、お酒も入りついつい昔を思い出して良いムードになってしまい、そのまま一夜を共にしてしまう。
つまり、焼けぼっくいに火が付いてしまったと言う訳ですね。
今更ながらに元妻の魅力に参ってしまった男と、いくら元夫とは言え今は他人の夫である男との逢瀬に罪悪感を感じる女。
メリル・ストリープとアレック・ボールドウィンが、再び訪れた目くるめく恋の喜びにときめく熟年カップルを魅力的に演じていました。

男女の仲というのは、中々に摩訶不思議なものですよね。
ジェーンとジェイクの時間を経て、再び燃え上がった関係もそう言えるのかもしれない。
でも、こればっかりは当事者にしか分からない諸々がある訳で。
そんなジェーンとジェイクの諸々の部分を、ちょっぴり盗み見しているような、そんな気持ちになる映画鑑賞でした^^

ジェーンを演じたメリル・ストリープは、やっぱり素敵な女性だな~。
恋愛について女友達と明け透けな会話で盛り上がる所は「マンマ・ミーア!」と共通なんだけど、若い娘のようにはしゃいでいるようにしか見えなかった「マンマ・ミーア!」とは違い、今回はお茶目な面を持つ落ち着いた大人の女性を魅力的に演じていました。

それからアレック・ボールドウィン! 
元妻にのぼせ上がった中年男をコミカルに演じていて笑った~^^
普通だったら絶対に隠したい筈の弛んだ身体を、万人の前に晒さなければならないなんて、役者さんって何て因果な商売。
だけど、メタボな太鼓腹をポンっと叩きながら笑顔を浮かべる姿の、なんと堂々として優しさに満ち溢れている事か!
思わず、こう言うのも素敵だよな~^^、と微笑んでしまいました。

そんな彼の恋敵となるのが、スティーヴ・マーティン演じる建築家。
アレック・ボールドウィンのコミカル演技の前では普通に映ってしまいましたが、こちらも素敵なオジサンには違いない。
そう言えばこの二人のコンビは今年のアカデミー賞、司会したんでしたよね。
すごく息が合っていて、何度も笑わされたんだったっけ^^

IT’S COMPLICATED
 監督 ナンシー・マイヤーズ
 メリル・ストリープ アレック・ボールドウィン スティーヴ・マーティン
 ジョン・クラシンスキー ケイトリン・フィッツジェラルド ゾーイ・カザン
 ハンター・パリッシュ レイク・ベル メアリー・ケイ・ブレイス
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スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃 [映画 *か]


スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃 [DVD]
「スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃」、観ました。

アナキン・スカイウォーカーの青年時代を描いた「エピソード2」。

「エピソード1」から10年後。
数千もの惑星が共和国からの脱退を表明し、銀河系は情勢不安定な状況に突入していた。
元老院議員のパドメ・アミダラは惑星コルサントに到着するや否や、暗殺未遂事件に巻き込まれるが難を逃れる。
パドメの身を案じた元老院最高議長・パルパティーンは、彼女の護衛として2人のジェダイを任命する。
それがジェダイマスターのオビ=ワン・ケノービと、彼の元で修行を積んだアナキン・スカイウォーカーだった。

長い時間を掛けて秘かに増殖していた悪が、ゆっくりと、しかし確実に共和国に影を落としつつあります。
惑星の脱退もそれを裏で操る人物がいる訳で、全ての黒幕はフォースの暗黒面(ダークサイド)の強靭な力を身に着けたシス卿ダーク・シディアス。
そしてシス卿は、強いフォースを持つ若きジェダイ・アナキンをも取り込もうと目論んでいるのです。

アナキンはオビ=ワンの元で修行をし、技術の面では師匠に負けずとも劣らぬ腕前に成長。
でも一方で精神面ではまだまだ修練を積まねばならない感じ、自己を抑えるという部分が弱く未熟さを感じます。
プライドと負けん気は誰よりも強く、度胸もあり勝負強い。
その反面、劣等感に苛まれいつも何かに不安を感じずにはいられない。
自分に対する自信は誰にも負けない程持っているけれど、それと同じくらい自分と言う存在の脆さを感じている・・・そんなふり幅の大きい2つの面を持っているように見えました。
だからこそ、その不安定さが暗黒面に付け入る隙を与えることになっていくのかな~。

そんなアナキンに、今回2つの大きな出来事が起こります。
1つは故郷タトゥイーンに残してきた母との再会ですが、この再会は彼にとって悲しみと苦痛を生み出すものでした。
もう1つは再会したパドメとの間に生まれた愛。
こちらはアナキンにとって至上最大ともいえる喜びと幸せを与えるのですが、ジェダイにとって嫉妬と執着という感情を抱きかねない男女の愛はご法度。
2人は秘密裏に互いの愛を確認し合うのです。
この悲喜こもごもの出来事と、それに伴ってアナキンの心に刻み込まれた感情は、後々の彼の行く末へと連鎖していく・・・。

アナキンを演じたヘイデン・クリステンセンがよろしい~。
時々見せる不敵な表情とか、苦悩に満ちた目とか、どんだけこの役柄にピッタリなんだろうとゾクゾクしました^^
打って変わってパドメとのシーンでは、もう本当に美しいのさ~。
ナタリー・ポートマンとの2ショットは美形過ぎてため息・・・どこか人工的な美しさがこの世界観にピッタシ。
2人のシーンは音楽も相まって、とっても切なかったです。

あと、ユアン・マクレガー演じるオビ=ワン・ケノービが好き^^
前作では“若い!”なんて思ったけど、今回は髭を蓄えてちょっと貫禄が出てましたね。
アナキンはオビ=ワンに反発心もあるみたいだけど・・・。
人が良さそうなマスターって感じがするよね^^

STAR WARS:EPISODE Ⅱ-ATTACK OF CLONE  (2002)
 監督 ジョージ・ルーカス
 ユアン・マクレガー ヘイデン・クリステンセン ナタリー・ポートマン
 イアン・マクディアミッド ペルニラ・アウスグスト アーメッド・ベスト
 アンソニー・ダニエルズ ケニー・ベイカー サミュエル・L・ジャクソン
 フランク・オズ クリストファー・リー ジミー・スミッツ ローズ・バーン
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