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理想の彼氏 [映画 *ら]


理想の彼氏 特別版 [DVD]
「理想の彼氏」、観ました。

離婚を機にNYに越してきた40歳のシングルマザーと、24歳の青年との恋愛模様をコメディタッチで描いたラブストーリー。
キャサリン・ゼタ=ジョーンズ主演。
 
夫の浮気が原因で離婚をしたサンディは心機一転、NYに居を構え、娘と息子との新たな生活をスタートさせる。
アパートメントの1階にあるコーヒーショップの店員・アラムと知り合い、成り行きでベビーシッターを頼むことに。
気の良い青年アラムはすぐに子供達と打ち解け、いつしかサンディの心も彼の存在が占め始める。
自然に付き合い始めた2人だが、やがて年齢差という壁に突き当たり・・・。

40歳の女性が主人公、まさに自分とドンピシャ世代のお話ということで楽しみに観始めました。
最初のうちこそ“キャサリン・ゼタ=ジョーンズのコメディってちょっと浮いてない?”とか、“やけに下ネタ多くない?”とか気になっていたのですが、サンディとアラムが段々と良い感じになってくる辺りから、そういうのもあんまり気にならなくなってしまいました。

なんせアラムが自然体で、ナイーヴで、少年と大人が混在したような男の人なのです、サンディが彼に惹かれていく気持ちに共感できたのが良かったんでしょうね。
最初出てきたときは、なんだかパッとしない男だな~、なんて失敬な事を考えていたんですが、話しが進むにつれアラムの優しさが伝わってきて、ちょっとした擬似恋愛気分を味わうことが出来ました(笑)

キャサリン・ゼタ=ジョーンズが演じるとどうしてもゴージャスな女性になってしまいがちなのですが、今回のサンディは気の強い今までのイメージと、その外殻に覆われた内側にあるか弱さも表現されていて良かった。
夫の浮気が引き金となった離婚ですが、本当はそれが全ての原因ではなく、彼女が自身の結婚生活を見つめ直す切欠を与えられた・・・というのも良くある話なのかも、と思えました。

ちょっと露骨な表現やオイオイと思える台詞も登場しますが、それだけじゃなくてほんわかと暖っかい気持ちになれるのが良い所じゃないでしょうか。
「恋するベーカリー」がアラカンに向けたお話しだとすると、本作はアラフォー世代におくるラブストーリー。
下手なプリンセス物よりもお伽噺してるな~、と思えました^^
だってアラムは何気に王子様キャラそのものだったりするんですよね。
女の子が理想として掲げるあれやこれやを、結構クリアしてますから^^

忘れてならない存在がサンディの2人の子供達。
この子たちがまた、とってもドライでシニカル。
こんなお子ちゃま、いないでしょう~?っていう所が映画であって、またお伽噺でもありました。

THE REBOUND  (2009)
 監督 バート・フレインドリッチ
 キャサリン・ゼタ=ジョーンズ ジャスティン・バーサ リン・ウィットフィールド
 ケリー・グールド アンドリュー・チェリー ローブ・カーゴヴィッチ サム・ロバーズ
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ラスト・オブ・モヒカン [映画 *ら]


ラスト・オブ・モヒカン [DVD]
「ラスト・オブ・モヒカン」、観ました。

1757年、北米大陸の領土をめぐりイギリスとフランスが戦火を交えていた頃。
モヒカン族の若者とイギリス指揮官の娘が恋に落ち、激動の時代を生き抜く姿を描いた歴史ロマン。
マイケル・マン監督、ダニエル・デイ=ルイス主演、1992年の作品。

この映画は過去に何度か観たことがあって、個人的にはお気に入りの作品です。
それでも暫らく振りの鑑賞でした~。
確か今回の前に観たのって子供がまだ小さかった頃だと記憶してるので、10年くらいは経ってる筈。
先日、BSで放送されていたので、“これはこれは!観ないかんやろっ”とすかさず録画。
久しぶりだったけどやっぱり面白かった、好きなものってあんまり変わらないんだなぁ^^

イギリス指揮官の娘・コーラとアリス姉妹は父親が駐屯する前線の砦へと向かっていた。
道案内である先住民・マグアはフランス軍のスパイであり、山深くに差し掛かる頃を見計らって仲間と共に襲撃を開始、イギリス兵士は次々に命を落とす。
その場に偶然居合わせたモヒカン族のホークアイ、父親のチンガチェック、弟のウンカスは姉妹を救い出すことに成功。
彼女らを砦まで送り届けるため、共に旅を始めたホークアイたちだったが・・・。

価値観のまったく違った二人が出会い、はじめは反発するもやがてお互いに強く惹かれ運命の恋に落ちる・・・というメロドラマの王道。
イギリスから未開の地へと足を踏み込んだお嬢様、しかし芯は強く理想も高い女性と、神秘的でしなやかな精神の持ち主である先住民族の青年(ホークアイは幼い頃に両親を亡くし、チンガチェックの養子となったためモヒカンの血は引かないが、魂はモヒカン族である。)が、行動を共にするうちに真心に触れ、育った環境や価値観を越えて愛し合うように。
行く手を遮る戦火、また他部族の執拗な追跡から逃れるうちに、2人の絆はより強く、確かなものになって行きます。

砲弾が飛び交う緊迫した戦場、まだまだ手付かずの大自然が残る大地の中で繰り広げられる物語。
軽やかに山野を駆け抜けるモヒカン族の姿も臨場感あり。
激動の時代を背景に、運命に翻弄されながらも一途に愛を貫く恋人たちの姿を描いた一大アクション・メロドラマです~。
とは言っても、実はホークアイ&コーラよりもウンカス&アリスのカップルの方が印象深いかも。
こちらのカップルは真に精神で結ばれた仲、というか永遠に汚れ無き魂のまま結ばれた・・・と言う感じがして、いつ観ても泣いてしまうのです。

それにしても久し振りに鑑賞したら、ちょっと複雑な心境になってしてしまった!
その昔は敵役のマグアが、ものっすごいオッサンに見えていた訳です。
オッサンの割に俊敏やな~、とか。
でも今回はそれ程のオッサンにも見えなかったし、それどころか意外と逞しく若かった事に驚いた~。
マグアを演じたウェス・ステューディは当時45歳、つまり私がその歳に近づいてしまってオッサンだと思わなくなってしまった・・・って事実!!ひえぇ~、フクザツ~。
チンガチェックなんてお爺さんだと思ってたのに!(シツレイな奴ですね^^;お許しを)
こちらもそんな爺さんでもなかったし・・・。

まさかこんな所で自分の歳を実感する羽目になるとは、思ってもみんかったですよ~(笑)

THE LAST OF THE MOHICANS  (1992)
 監督 マイケル・マン
 ダニエル・デイ=ルイス マデリーン・ストウ ジョディ・メイ
 ラッセル・ミーンズ スティーヴン・ウォディントン エリック・シュウェイグ
 パトリス・シェロー ウェス・ステューディ コルム・ミーニイ
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レポゼッション・メン [映画 *ら]


レポゼッション・メン ブルーレイ&DVDセット [Blu-ray]
「レポゼッション・メン」、観ました。

人工臓器の普及により長寿を金で買える近未来。
高額ローン滞納者には臓器の回収が余儀なくされていた。
腕利きの臓器回収人(レポ・メン)であるレミーは、非情な任務をこなす毎日を送っていたが・・・。
ジュード・ロウ主演のSFサスペンス。

ユニオン社は人工臓器の製造・販売で急成長した大企業。
ありとあらゆる臓器を開発し、患者への移植の際にはローン払いで対応している。
売る時には甘い言葉で勧誘、しかし滞納がかさむとレポメンの登場、となる。
この回収方法が容赦ない・・・、いきなり現われたかと思うと、あっと言う間に身体を開かれて臓器は回収される。
その後、患者がどうなろうと彼らはお構いなし、ただ回収のノルマに従って業務を遂行するのみ・・・。

レポメンの稼ぎ頭であるのがジュード・ロウ演じるレミー。
彼はかつては軍隊でかなりの暴れ者だったようで、その流れで退役すると今度はレポメン。
幼馴染のジェイクとは軍隊でもレポメンでも、コンビを組んで周りからも一目置かれている。
お互いに“仕事だから”と自身のやっていることを正当化しているが、刺激を求めているようにも見える。
しかしレミーの妻はレポメンの仕事にうんざりしていて、レミーに転職を望み、そのせいでギクシャクとした空気が流れていた。
家族の為に本気で転職を考え始めた矢先、レミーは事故により自らの身体に人工心臓を入れる羽目に。
やがてローンの滞納が積み重なり、レポメンから追われる立場になってしまうレミー。
その時初めて、自分がやってきた仕事について深く考え始めるのだった。

かなりグロいシーンが登場します。
血みどろで痛々しい所は辛抱が要りますが、物語としては皮肉が効いているし、アクションとしても中々面白く作られているかな、と思いました。
主役のジュード・ロウ、その相棒のフォレスト・ウィッテカー、ユニオン社社長にリーヴ・シュレイバーと一癖ある登場人物を上手く演じられる、実力を備えた出演者も揃っているし。
レミーと共に逃避行を続けるべスを演じたアリシー・ブラガも、セクシーさと妙に舌足らずな可愛さを混在させたキャラクターが魅力的でしたし。
音楽の選曲もセンスが感じられ、ミュージックビデオのようにスタイリッシュな映像も目を引きました。

けれども、如何せん、血なまぐさ過ぎる。
終盤のユニオン社に侵入するシーン、あれの前まではまだ我慢できたけど、あの侵入からデータ削除までの一連がとにかく血のり、血しぶき。
どうにも悪趣味に思えて、う~~ん、ちょっとダメかも・・・となってしまいました^^;

そして最後の最後、常夏の楽園でくつろぐシーンではすぐにピン!と来ました~。
前フリもさり気なくしてあったし、絶対に「未来世紀ブラジル」的パターンに違いないと。
後味は悪いけど、これは締め括りとしては悪くなかった。
それだけに、過度な血みどろが残念でした。
そこさえもうちょっと違っていたら、評価ももっと上がった気もしなくないんですよね~。

REPO MEN  (2010)
 監督 ミゲル・サポチニク
 ジュード・ロウ フォレスト・ウィッテカー リーヴ・シュレイバー
 アリシー・ブラガ カリス・ファン・ハウテン チャンドラー・カンタベリー 
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ロビン・フッド [映画 *ら]


ロビン・フッド (リドリー・スコット 監督、ラッセル・クロウ 主演) [DVD]
「ロビン・フッド」、観ました。

12世紀のイギリスを舞台に、伝説上の義賊ロビン・フッドが活躍する歴史スペクタクル。
「グラディエーター」のリドリー・スコット監督とラッセル・クロウがタッグを組む。

弓の名手として名高いロビン・フッドですが、彼についての詳しいことは知らずに鑑賞。
でもそんな事、全然問題じゃない、知らないんだったらこの映画を観てちょうだい、って感じ^^
どうして彼が後世に語り継がれる伝説の男になったのか、がよ~く分かる。
ロビン・フッドの存在自体は、複数のモデルを複合したものでそれが伝承されたらしい・・・つまり実在の人物では無いということみたいです。
が、ロビンは確かに生きていた、分裂しかけたイングランドを一つにまとめた男として、スクリーン上で堂々とその存在感を漲らせていました。

歴史の中にロビンを融合させることを、見事なまでに成功させていた。
戦乱の世、裏切りや画策が張り巡らされ多くの民が犠牲となる中、運命に導かれるように頭角を現すロビン・フッド。
一民兵であったロビンが騎士となり、自身の出自の秘密、民のために叫びを上げ自由を勝ち取るために戦う・・・というストーリーもまるで立て板に水の如く淀みがない。
140分という長さを全く感じさせない面白さでした。

そして戦闘シーンの迫力といったら!
中世の時代の戦闘方法、武器、鎧兜に剣に盾に・・・ものすごく忠実に再現されているのではないか、一大スペクタクルが目の前で展開され迫ってくるようでした。
砦や村の様子など、細部に至るまで手抜きした所がなく完璧で、観ていてゾクゾクしました。
これだよ、これ!映画の醍醐味、ここにあり!って感じ^^
一体どれ位の制作費が掛かったのか知りませんが、ここまで使って、そしてその使い方がホントに上等で間違いが無い。
流石、リドリー・スコット監督。分かってらっしゃる!^^

歴史物だと不勉強から取っ付きにくさを感じたりすることがままあるのですが、本作にいたってはその心配は無し。
とても分かりやすい話になっているので観やすい。
ロビン役のラッセル・クロウは勿論、脇を固める役者さんもみんな上手くてその点でも安定してる。
個人的に「グラディエーター」がドツボで、今まで何回も観てその度に号泣するのですが、あそこまでの重量感は無いかもしれないですが、かなり面白いことに違いはないです。

クライマックスの浜辺での戦闘シーンは圧巻です。
ロケーションが物凄い。
あのロケーションあってこそ。
物語を盛り上げるには持って来いの場所でした。
いったいどうやって撮ったのか、CGも多用してるんでしょうけど、大スクリーンで観る価値ありです。

ROBIN HOOD  (2010)
 監督 リドリー・スコット
 ラッセル・クロウ ケイト・ブランシェット マーク・ストロング
 ウィリアム・ハート マーク・アディ オスカー・アイザック
 ダニー・ヒューストン アイリーン・アトキンス ケヴィン・デュラント
 スコット・グライムズ アラン・ドイル マックス・フォン・シドー
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レギオン [映画 *ら]


レギオン コレクターズ・エディション [DVD]
「レギオン」、観ました。

神から見放された人類を襲うのは天使。
砂漠のど真ん中のダイナーを舞台にしたサスペンスアクション。


見渡す限り同じ景色が続く砂漠にポツンと存在するダイナー。
店主のボブは偏屈者で不機嫌、息子のジープはダイナーの隣にあるガレージで故障した客の車を修理していた。
コックのパーシーはフライパンを振り、ウエイトレスのチャーリーは身重の身体で煙草をふかす。
店内には数人の客、いつもと変わらない日常は一人の老婆の出現によって暗転する。
可愛いおばあちゃんに見えた老婆が、突如豹変しダイナーはパニック状態に陥る・・・。

神様がいよいよ人間を見放す時が来てしまったようです。
神から遣わされた天使達にとり憑かれた人間は凶暴化、そしてダイナーを襲い始めます。
そんな中、1人の男が救世主の如く現われる。
彼こそ大天使・ミカエル、神に背き人間側に立って戦うことを決意したその人だった。

こうやって書いているととっても壮大な世界観に思えますが、スケール的にはそれ程の物を感じないかもしれません。
なんせ舞台となるのはこじんまりとしたダイナーと、その前の駐車スペースが殆ど。
全世界を襲った未曾有の出来事であるはずなのですが、この場所以外は描かれていないのでその実感は湧きません。
登場人物であるダイナーの面々が事態が飲み込めずにいるのは、勿論言うまでもありません。
通常から陸の孤島状態のこのダイナーが外界との繋がりを感じることができるのは、テレビやラジオの放送だったり、電話だったり。
時々訪れるお客さんとの世間話も入りますよね。
それらの通信が途絶え、電気の供給が絶たれ、おかしな老婆が現われても、彼らには何が起こっているのか理解できない。
挙句、天使だという男が現われ、世界の終わりを告げられる・・・。

こういう世間と隔絶されたシチュエーション、というのは私の好みであります。
ダイナーの人たちが知り得ない他の地域のパニック描写は一切省き、彼らの周りのミニマムな世界のみを見せていく・・・っていうのは個人的には面白かったです~。
「ミスト」なんかもそうだったと思うし。)

でもまあ、この世の終焉って言う危機感はあんまり感じられなかったのは事実かな。
それもこれも、とり憑かれてしまった人たちが怖いんは怖いんだけど、若干違うテイストが混じってたせいではなかろか?
だって、7:3くらいの割合で“笑い”が混入してましたよね、絶対!
アイスクリームメンなんて、こっちが“ガックーン”となってしまいそうでしたもん^^;
役者さんたちは皆、結構シリアスな演技をしていたので、このギャップが堪りませんでした。
この作品がB級だと云われる所以も、この辺にあるんでしょうな~、おそらく。
(最後は思いっきり駆け足だったし・・・だって100分しかないから>▽<)

・・・でも、私、嫌いじゃなかったですけどねっb(^^

LEGION  (2010)
 監督 スコット・スチュワート
 ポール・ベタニー ルーカス・ブラック タイリース・ギブソン
 エイドリアンヌ・パリッキ チャールズ・S・ダットン ジョン・テニー
 ケヴィン・デュラント ウィラ・ホランド ケイト・ウォルシュ デニス・クエイド
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ルックアウト/見張り [映画 *ら]


ルックアウト/見張り [DVD]
「ルックアウト/見張り」、観ました。

交通事故が原因で記憶障害を負った青年の日常と、彼を巻き込んで銀行強盗を企てようとする犯人グループのたくらみを描いたサスペンス。

主人公のクリスを演じるのはジョセフ・ゴードン=レヴィット。
はい、彼目当ての鑑賞ですっ(^^*
映画冒頭、彼女と友人カップルをオープンカーに乗せハンドルを握るクリス。
周りは何も無い片田舎の1本道、クリスの無謀な運転のせいであっと言う間もなく大事故が起こる。

それから4年後。
恋人も友人も失い、クリス自身も脳に損傷を受け記憶障害という後遺症が残った。
朝起きてすることは、自分の行動をメモすること。
記憶を上手く留めて置く事が出来なくなったクリスにとって、一日の行動を順序立てて考えることは容易ではない。
物忘れもひどく、すぐに眠くなる・・・大事なことは必ずメモをとる習慣を守っている。
昼は支援センターで授業を受け、夜は銀行の掃除係をしながら、1日また1日が過ぎていく。
そんな時、バーで知り合ったゲイリーという男にパーティに誘われるのだが・・・。

早い話、このゲイリーが銀行強盗グループのリーダー。
クリスを仲間に引き入れて、夜は彼がたった一人で番をしている銀行で手引きをさせて大金を頂いちゃおうって魂胆。
クリスに女の子を差し向けたり、酒を酌み交わして油断させ、いざ強盗の計画を打ち明けた時にはクリスの自尊心を傷付けることで彼を縛ります。
クリス自身は覚えていないのですが、ゲイリーはハイスクールの先輩だった。
事故を起こす前のクリスはスポーツ万能、ホッケーの花形選手でお金持ちのボンボン、誰からも憧れられる目立つ存在。
昔と今を比べそれらの全てを失ったしまった今のクリスをあざ笑い、焚き付けてグループに引き込むゲイリー。
見張り役を命じられいざ実行の時、ことは計画通り運ぶかに見えたのですが・・・。

これではいけないと必死でクリスが反旗を翻します。
ゲイリーに対抗する手立てを、頭の中で組み立ててメモに書きとめる。
そんなクリスの計画が効を奏するか、ハラハラさせられました。
でもクライムサスペンスの割には、全体的なトーンは静かな印象を受けます。
クリスの内面で起こっている葛藤に重点を置いて描いていたから、そう感じたのかな。
何をやっても上手くいかないもどかしさや焦燥感。
自分を赦せないし周りも自分を赦さないだろうという絶望感。
そういったクリスの内側を、ジョセフ君が繊細に演じていました、やっぱ彼は上手い。

クリスと同居しているルイスをはじめ、彼の周りには優しく見守る人たちが沢山いたんです。
事件を起こす前に気付いて欲しかった。
だって・・・ドーナツ警官が可哀想過ぎるんだもん・・・。
静かに、でも確実に新しい1歩を踏み出したクリスを応援しながら映画は終了しました。

THE LOOKOUT  (2007)
 監督 スコット・フランク
 ジョセフ・ゴードン=レヴィット ジェフ・ダニエルズ マシュー・グート
 ブルース・マッギル アイラ・フィッシャー カーラ・グキーノ
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レザボアドッグス [映画 *ら]


レザボア・ドッグス [DVD]
「レザボアドッグス」、観ました。

クエンティン・タランティーノが監督・脚本・出演を務めたバイオレンス・アクション。
1991年製作、タランティーノにとって監督デビュー作でもある。

宝石店襲撃のために集められた6人の強盗たち。
彼らは互いに本名も素性も明かさないというルールのもと、計画通りに宝石店に押し入る。
しかし、何故かこの計画は警察に筒抜けになっており、張り込んでいた警官たちと銃撃戦になってしまう。
散り散りになったメンバーは、犯行後に落ち合う手はずになっていたアジトに集まってくる。
そこで、“6人の中の誰かが警察の内通者ではないのか?”という疑問が湧き起こり・・・。

映画の冒頭は、宝石店襲撃の実行犯である6人に加え、彼らの雇い主であるボスとその息子などがテーブルを囲み、とりとめのない無駄話に花を咲かせているシーンから幕を開けます。
この延々と続く無駄話を登場人物に喋らせるのって、タランティーノ監督、好きなんですね。
誰かがこんな風に喋り続けるシーンは、いつもはさまれている感じ。
今回はレストランでランチしながら、マドンナの「ライク・ア・ヴァージン」の歌詞についての解釈を、思うままにぶちまけています。
オブラートに包む、なんて無縁な彼らの露骨な会話、もしも近くのテーブルに座っていたなら即座に子供の耳をふさぐか、若しくはテーブル移動だな~^^;、なんて思ったり(笑)

それから彼らは外に出ていずこへと消えていくのですが、その時流れる音楽が耳馴染みの良い「リトル・グリーン・バッグ」(レッドシアターのオープニングで使われてる曲)。
あぁ、やっぱりタランティーノはセンスがあるなぁ。
音楽の使い方とか、ほんとに格好いいのです。
映画の中の的確な場所に、バッチリしっくり来る音楽を配する才能は誰より秀でている気がする。
そして、残酷な描写も抜かりがない・・・そこはやっぱり私、苦手でした^^;ブルブルッ。

レストランから宝石店へと向かったメンバーが、警察の包囲をくぐってアジトである倉庫に逃げてくる。
即席で集まったメンバーの中に、警察のイヌが入り込んでいることは間違いない。
果たして誰が内通者なのか?
上手に時間軸を入れ替えながら、メンバーの素性やこうして集うことになったいきさつなどを見せていきます。
それと同時に、疑心暗鬼の裏切り者探しのアジト内部のあれこれも、合間あいまに差し込まれます。
にわかメンバーだから、みんな自分のことしか考えないかと思ったら意外にそうなない人もいたり、やっぱりなサイコ男もいたり、倉庫にたどり着いた男たちの人物像はしっかりと描かれていて面白かった。

どう考えても低予算で作られた風にしか見えないのですが、良い脚本と味のある役者さんが揃っていれば、お金なんかかけなくても面白い映画が作れるんだ!という見本みたいな映画でした。
もちろん、采配を振る監督の器があってこそ、なのは言うまでもありませんが^^

「レザボアドッグス」とは「掃き溜めの犬たち」っていう意味らしい。
その掃き溜めの犬たちは便宜上、色でお互いを呼び合ってます。
 ミスター・ホワイト・・・ハーヴェイ・カイテル
 ミスター・オレンジ・・・ティム・ロス
 ミスター・ブロンド・・・マイケル・マドセン
 ミスター・ピンク・・・スティーヴ・ブシェミ
 ミスター・ブルー・・・エディ・バンカー
 ミスター・ブラウン・・・クエンティン・タランティーノ   って面々^^
ホワイトが渋かったね~、昔かたぎで。
あと、ピンクはどうなっちゃったんだろう、気になるわ~。

RESERVOIR DOGS  (1991)
 監督 クエンティン・タランティーノ
 ハーヴェイ・カイテル ティム・ロス マイケル・マドセン
 スティーヴ・ブシェミ クリストファー・ベン ローレンス・ティアニー
 エディ・バンカー カーク・バルツ スティーヴン・ライト クエンティン・タランティーノ
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リクルート [映画 *ら]


リクルート [DVD]
「リクルート」、観ました。

MITのエリート学生・ジェイムズの前に現れた一人の男。
彼はウォルター・バーグと名乗り、ジェイムズをスカウトするためにやって来たと告げる。
CIAのリクルート担当にしてベテラン教官のバーグに誘われたジェイムズは、悩みながらもCIA入りを決意するのだった。

優秀な頭脳の持ち主のジェイムズは、すでに大手PCメーカーなどからも注目される逸材。
本人も将来はその道に進むだろうと考えていた矢先、バーグという男が現れます。
彼はジェイムズについてのあれこれを把握し、全てを見抜いたような口ぶりで接近。
ジェイムズの力が発揮できるのはCIAであるとして、採用試験を受けるように誘います。
初めは胡散臭げに感じたジェイムズですが、バーグの話すある一節に心を奪われます。
それは行方不明となっているジェイムズの父親がかつてCIA局員であった・・・というもの。
父親を探し続けていたジェイムズは、父の消息を知るためにもCIAに入ることを決意するのでした。

CIAの試験をパスしたジェイムズら訓練生は、今度は“ファーム”と呼ばれる極秘機関で研修を受ける事になります。
そこで鬼教官として指導に当たるのが、またしてもウォルター・バーグ。
ここで学ぶのは現場を想定した実戦さながらの訓練、徹底的に人を欺き、監視し、盗聴すること、などなど。
訓練生たちはファームでCIA魂を嫌というほど叩き込まれるのです。
ジェイムズはバーグのしごきにも耐え、頭角を現し始めるのですが、“出る杭は打たれる”の言葉通り更なる地獄が待ち構えているのです。

凄かったですね~、CIAの騙しあいに次ぐ騙しあい。
簡単に人を信じるな、と言わんばかりに訓練生たちを陥れる罠が張り巡らされています。
はっきり言ってこれでは人間不信を招き、挙句の果ては対人恐怖症におちいるのは必至って感じの訓練です^^;
スパイ活動中に自分の身を守る術を持つための訓練とは言え、これは耐えられそうにありません。
でも、そこはCIAを目指す訓練生たち、この尋常でない訓練にもついていくんですね~。
自分は人とは違う才能を持っているんだ!というプライドでしょうか。
教官も彼らの自尊心を刺激しながら、上手く動かしてるって感じです。
特にジェイムズは“CIAで活動していた父親ゆずり”、という意識が原動力となってるのは確実。

こんな“ファーム”での訓練の後、配属された部署でも仲間どおしの騙しあいは続くのですが、それが実は・・・なんていう風なストーリーです。
普通に面白かったですけど、ずば抜けて面白いというところまでではありませんでした。
だからと言って、決してつまらない訳でもないのです。(どっちや!^^)
ホントに、普通に見終わって、普通に面白かったね~、と言う感じでした。

ジェイムズはコリン・ファレルが、バーグはアル・パチーノが演じています。
今までコリン・ファレルを観てもこれと言った感想が浮かばなかったのですが(スミマセン、決して悪気はないです^^;)、本作では初めて格好良いかな、と思いました(^ー^

THE RECRUIT  (2003)
 監督 ロジャー・ドナルドソン
 アル・パチーノ コリン・ファレル ブリジット・モイナハン
 ガブリエル・マクト ユージン・リピンスキ ケン・ミッチェル
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レイクビュー・テラス 危険な隣人 [映画 *ら]


レイクビュー・テラス 危険な隣人 [DVD]
「レイクビュー・テラス 危険な隣人」、観ました。

ロサンゼルスにある閑静な住宅街に越してきた若い夫婦が、隣人である警官の男から次々に嫌がらせを受ける。
男の行動は徐々に過激さを増して行き・・・。
サミュエル・L・ジャクソン主演のサスペンス。

お隣の豪邸に越してきた若夫婦の引越しを、隣の自宅から見つめるエイブル。
彼は夫婦が白人男性と黒人女性のカップルだと知ると、この夫婦に対して嫌がらせを始めます。
最初は人種差別を匂わせるような嫌味からはじまり、夜中でも部屋を煌々と照らす庭のライトをつけっ放しにしたり・・・。
エイブルみたいな人と接したら多分、“ん~?ちょっと変かも?”と思うんだけど、かと言ってそれをどうすることも出来なくて、とりあえず様子を見るしかないかな~、と最初はなりますよね。
この夫婦も初めのうちは我慢したり、やんわり意見を言ってみたりしてエイブルの動向を窺っていたのです。
出来たらお隣さんとは何事も問題を起こさずに、上手く付き合って行きたいものですからね~。

エイブルはロス市警の警官で、数年前に妻を亡くしてからは2人の子供と暮らしているのですが、日ごろから子供の躾にも厳しいようで、思春期の娘からは疎ましがられているみたい。
職業柄、ご近所の様子には目を光らせてもいるみたいだし、ちょっとご機嫌を損ねたらめんどクサイ相手かな~、ってのは感じますね^^;
引越し当日も挨拶に来るのを待ってたみたいだけど、結局隣の夫婦はそれをしなかったようだし^^;
“おいおい、向こう三軒両隣への挨拶は忘れちゃいかんだろ~”と私もツッコミを入れてました(笑)
エイブルさんは待ちきれなかったようで(苦笑)、夜に帰宅する隣の旦那を待ち伏せして嫌味を言う作戦に出ました(汗)
この旦那さんも相手がちょっと難しい人かな~と思ったら、少し気をつければ良いのに、タバコをポイ捨てしたり、プールでイチャついているところをエイブル一家に目撃されたり、エイブルの逆鱗に触れることを立て続けにやってしまうのです^^;あちゃ~。

加速度的にエスカレートするエイブルの嫌がらせに、我慢の限界を超えた若夫婦(特に旦那)が応戦する形となり、終いには壮絶なお隣り闘争へと発展していくお話です。
しかしまぁ、エイブルに覗かれないように庭の境界に植えた木を見て、“葉っぱがうちの敷地に入ってるぞ~!”と言いながらチェーンソーを振り回すエイブルさんにはドン引きでした(苦笑)
ラストに近づくにつれて強引な展開も目に付いてきてしまったかな~。
それにしてもエイブルが、他の誰よりもこの夫婦に固執したのは、(ネタバレ、反転します。 自分の妻(黒人女性)とその浮気相手(白人男性)の姿と、隣の若夫婦の姿を重ねてしまっていた。)
・・・って事も要因していたんですね。
それでもやっぱり強引なラストだったかな、日本では劇場未公開だったのもちょっぴり納得、って気もしました。(>▽<;)

LAKEVIEW TERRACE  (2008)
 監督 二ール・ラビュート
 サミュエル・L・ジャクソン パトリック・ウィルソン ケリー・ワシントン
 ロン・グラス ジャスティン・チェンバース
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ラブリーボーン [映画 *ら]


The Lovely Bones
「ラブリーボーン」、観ました。

14歳の若さで命を奪われてしまった少女が、この世とあの世のはざ間で彷徨いながら、地上で起こる出来事を見守る姿を描いたドラマ。
「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのピーター・ジャクソン監督作品。

スージー・サーモンは将来の自分の姿を思い描いては、夢を膨らませる14歳の少女。
彼女の夢はカメラマン、誕生日にもらったカメラで心の赴くままにシャッターを切ることに嵌っている。
両親と妹、弟とともに何気ない毎日を、ごく普通に過ごしていました。
もちろん、夢中になっている先輩もいて、彼への淡い恋ごころも彼女の毎日に張り合いを与えていて・・・。
映画は主人公であるスージー・サーモンによって語られていきます。
冒頭では彼女が、希望に満ちた前途を思い描きながら暮らしていた日々が映し出されてていく。
そのスージーの人生が、断ち切られてしまうことが分かっているだけに、幸せそうな彼女を見るのがどうしても胸が痛くてたまりませんでした。
そしてスージーに忍び寄る魔手。

あまりにも突然に絶たれた命に、現実を受け止める事が出来ない彼女は、天国と地上との間に留まってしまう。
それはそうだと思う、あんまり過ぎる。納得できるはずが無い。
“死は誰にでも訪れる。”そうは言っても、スージーにはまだ、やり残した事が山ほどあるのに。
残された家族もまた、スージーを失った現実を受け入れられずに苦悩している。
そして、自分を手にかけ、のうのうと暮らすあの男!
全てを見渡せる目を持ったスージーは、地上での出来事を見つめ続けるのでした。

スージーの魂が留まる天国のような場所の、ビジュアルは綺麗でした。
流石はピーター・ジャクソン監督。
彼女の記憶の中に残っているもの、また深層心理を表した世界で構築されているような、不思議で美しい風景でした。
その上とても色鮮やかで、どこか作り物っぽい雰囲気もあって、この場所はスージーによって作り上げられた世界なのでしょうね。
また、この場所の一部になっているものの中で、のちに驚くような真実へと繋がるものもあったりする事から、やはり神秘の力が働いている世界とも言えそうです。

ファンタジーだけでなく、サスペンスの部分でもかなりハラハラとさせられました。
スージーの身に起こった事件は、その核心の部分(殺害現場)を描くことなく語られます。
あっと思ったら、もう何かが起こった後が描かれるのです。
一体何が起こったのかを、実際に見せることがなくとも、その残忍で容赦のない犯人の犯行を想像させる所は息を呑みました。この想像の空恐ろしいこと。
そしてもう一つが、映画終盤の犯人宅への侵入シーンです。
スージーの妹が予てから怪しんでいた男(これがまさに犯人です)の留守宅に忍び込み、証拠を探す場面。
私はここで緊張しまくって、生唾がこみ上げてきました^^;
サスペンスの演出も、やっぱり流石でしたね~。

悲しかったのが残された家族で、中でもマーク・ウォールバーグ演じるパパの憔悴ぶりは居た堪れなかった。
全てを見渡せる目をもっていても、スージーが基本的に何も出来ないのも辛いところ。
悲しみのどん底の家族にも、またのうのうと暮らしている犯人にも、どうすることも出来ない。
それでも、パパと弟だけはスージーの気配みたいなものを感じとっていたけれど。
確信は無いけれど、そこはかとなく居る気がする、それを感じ取れるだけでもすごいことだと思う。
中でもパパが椿(かな?)を手に持って詰め寄るシーンは、心が揺れました。

やがて天国へと旅立つことを決心したスージー、彼女の魂が安らぎ、そして家族も少しずつ悲しみを乗り越えていく気配を漂わせつつ、物語は結末を迎えます。
やり残したことを成し遂げ、(ネタバレ、反転します ・これは犯人逮捕じゃなかったのね~。きっとあの霊感の強い友達の身体を借りて、「ちょっと待って、その金庫の中には死体が!その男が犯人よ!」とか言わすのかと思いましたよ~。え~、キスなの~、って。でも考えてみたら、スージーの気持ちも分かるかも。憧れの彼と両思い、キスの手前で先生に止められちゃったし、妹には先を越されちゃったし。グランマからも“初めてのキスは特別”とか何とか言われていたし、きっと経験したかったはずだよね~。観てる時は“オイオイ”って気もしたけど、後から考えると、これってやっぱり切ないよね・・・なんて思いました。それにしても、あの金庫はもうちょっと、何とかして欲しかったかも。沈んでいく金庫に、心底ゾッとした。
 
スージーを演じたのは、「つぐない」でアカデミー賞ノミネートの記憶も新しいシアーシャ・ローナン。
大分、大人っぽくなりましたね~。あの青い瞳に吸い込まれそうだった~。
相変わらずの芸達者ぶりで、彼女の演技力が物語を引っ張って行ってました。
それと、犯人役のスタンリー・トゥッチ。怖すぎ。
どこかで見た事あると思ったけど、「プラダを着た悪魔」とか「ターミナル」の!そうか、すっきりした。

THE LOVELY BONES  (2009)
 監督 ピーター・ジャクソン
 シアーシャ・ローナン マーク・ウォールバーグ スタンリー・トゥッチ
 スーザン・サランドン レイチェル・ワイズ マイケル・インペリオリ   
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