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理想の女(ひと) [映画 *ら]


理想の女(ひと) [DVD]
「理想の女(ひと)」、観ました。

1930年代、イタリアの高級リゾート地のアマルフィ。
アメリカからバカンスに訪れた若い夫婦・トムとメグは、地元の社交界にも顔を出していた。
そんなある日、アーリンというどこか悪女めいた魅惑の女性と夫の、只ならぬ関係に気付いたメグは・・・。

結婚1年の麗しの若妻・メグを、どこかあどけない少女のような顔と、肉感的なボディのアンバランスさが堪らない魅力のスカーレット・ヨハンソンが。
今回は夫を一途に愛する古風で貞淑な妻を演じています。
固い絆と永遠の愛で結ばれていると信じて疑わない夫が、実は自分に秘密を作っていた、他の女性と親密な関係を持っていたのでは、と心を痛めるのです。

夫との関係を疑われているのが、ヘレン・ハント演じるアーリン夫人。
彼女は男性と親しくする事で生きてきた女性で、その男性遍歴も数々。
社交界は彼女の噂で賑わい、彼女に貢いだ男たちの話で場がもちきりになる程。
女性からは天敵のように恨まれ、男性からは賛辞を受ける・・・。

そんな訳ありの女とメグの夫。
この2人がどういう経緯で一目を忍んで逢引(?)しているのか。
そこの所が実は・・・という秘密があるのです。
悲しいかな私は、そこの秘密の部分にやんわり触れてるあるあらすじを目にしてしまって^^;、うっすらと(確信はないけど)分かってしまった状態で観たのですが・・・それでもなかなか楽しめました。

スカーレット・ヨハンソンとヘレン・ハントは、年齢も見た目も全く違っていて、それぞれに魅力的な女優さんだと思います。
私的にちょっとビックリしたのが、2人が同じドレスを来て登場する場面。
背中が大胆に開いたデザインで、肌の露出も相当です。
フェロモンたっぷりのスカーレット・ヨハンソンと同じドレスを着るって、かなり勇気がいるよな~。
なかなか出来ない!ことだと思いますが、そこは流石ヘレン・ハント。
若さとは一味違った大人の魅力で着こなしていて、感心しました。
確かヘレン・ハントは「恋愛小説家」の時にも背中からのヌードを披露してた気がする。
(うろ覚えだけど、画のモデルになったシーンで・・・^^;)
その時の背中がすごく綺麗だった、と記憶にあるんです、彼女はきっと背中に自信があると見た^^

作品の印象としてはちょっと地味目な感じは否めない。93分と短めだし。
でも上品な雰囲気の漂う、良質の作品って感じがしました。
特にアーリン夫人とトム・ウィルキンソン演じるタピィのウイットに富んだ会話がイイ!
大人の男と女の粋な台詞の遣り取りには、思わずニンマリしっちゃったよ~^^

A GOOD WOMAN  (2004)
 監督 マイク・バーガー
 スカーレット・ヨハンソン ヘレン・ハント トム・ウィルキンソン
 スティーヴン・キャンベル・ムーア マーク・アンバース
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リリィ、はちみつ色の秘密 [映画 *ら]


リリィ、はちみつ色の秘密 (特別編) [DVD]
「リリィ、はちみつ色の秘密」、観ました。

14歳のリリィは幼い頃の偶発的な事故で母親を亡くしてしまう。
桃農園を営む父とは心が通わず、言いようの無い不安と虚無感を抱えて暮らすリリィ。
時は1960年代のアメリカ南部。
使用人の黒人女性・ロザリンが人種差別による暴力を受けた事をきっかけに、リリィとロザリンはこっそり家を出る。
町を後にした2人が行き付いたのは、黒人3姉妹が暮らす養蜂場だった・・・。

物心が付くか付かないかの頃、リリィの母親は死んでしまいます。
夫婦喧嘩の最中、取り出した拳銃はクローゼットに潜んでいたリリィの元に滑り込んでしまう。
それを母親に渡そうとした瞬間、銃は暴発。
自分のせいで母親を死なせてしまったという、取り返しのつかない出来事。
それは父親にも大きな翳を落し、父を冷たい人間にしてしまった。
父は言います、「母親はお前を捨てるつもりだった」と。
誰からも愛された記憶のないリリィは、母親への思慕を募らせ、抱えきれない思いに押しつぶされそうな毎日を過ごしているのです。

14歳のリリィを、これまた天才子役と言われたダコタ・ファニングが演じています。
(“これまた”ってのは前回も天才子役の記事を書いたから^^)
94年生まれのダコタちゃん、丁度役柄のリリィと実年齢は同じ位ってことかな?
小さい頃から女優然としていて、演技力も一流だった彼女。
子役からの脱却という微妙な年齢に差し掛かったのかな、と勝手にちょっと心配してましたが、何のことはない、相変わらずの演技派。
虚しさと後悔の念に苛まれ、小さな身体いっぱいに哀しみを抱えたリリィを見事に表現してました。

リリィが家を出たきっかけは、仲の良い使用人のロザリンが怪我をしてしまったことでした。
が、早かれ遅かれリリィは行動を起こしたはず。
彼女は母親を探す旅に出たのです。自分は母に愛されていた、と言う証を求めて。
旅の途中で立ち寄った食堂の店先で、偶然にも母の形見の中にあった、“黒い聖母像”のラベルの張られたはちみつを見つけたリリィは、それを作っている養蜂場へと向かいます。
そして、3姉妹の黒人が営む広大な農場に辿り着くのでした。
長女のオーガストは、訳有りな様子のリリィたちを養蜂場に雇い入れます。
どうしてここを訪ねて来たのかを隠したまま、リリィはここで暮らすことに。
蜜蜂の世話をしながら、新しい出会いと環境の中で、やがてリリィにも変化が訪れ・・・。

3姉妹の女性達はいずれも魅力的な人物なのですが、中でも特に、長女・オーガスト役のクィーン・ラティファが印象的。
蜜蜂の世話を通して、リリィにこの場所での暮らし方を教えて行きます。
何事もよく見極める目を持っていて、突然の訪問者のリリィたちを優しく見守ります。
オーガスト自身に起こった悲しい出来事をも、真っ直ぐ受け止め乗り越えようとする。
彼女はここで暮らす人たちにとって、まさに母のような存在なのです。

冒頭のワンシーンでリリィの前に、幻の蜜蜂たちが現れます。
その蜂に導かれたように、リリィが養蜂場を訪れたのは、彼女を見守る大きな力が働いたのかもしれません。前に進めずに立ち止まったままの少女が、一歩を踏み出せるように。
今まで自分の事には全く手を掛けず、過ごしてきたリリィ。
年頃の女の子なのに飾り気も無く、無造作に束ねた髪・・・自分のした事が許せなくて、そうする事でまるで自分に罰を与えてでもいるかのようであった彼女。
今は愛される事を知り、自分を許せるようになったリリィの変化がラストシーンで見られます。
哀しみを知っている分、きっと素敵な女性へと成長するのではないでしょうか。

THE SECRET LIFE OF BEES  (2008)
 監督 ジーナ・プリンス=バイスウッド
 ダコタ・ファニング クィーン・ラティファ ジェニファー・ハドソン 
 アリシア・キーズ ソフィー・オコオネドー ポール・ベタニー
 ヒラリー・バートン ネイト・パーカー トリスタン・ワイルズ
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レスラー [映画 *ら]


The Wrestler
「レスラー」、観ました。

かつて一世を風靡したプロレスラー“ザ・ラム”ことランディ。
それから20年が経ち、もはや中年となった今でもリングの上で戦うランディの姿があった。
一つの道を極めた男の生き様を、鮮明に焼き付けた本作。
ミッキー・ロークが主演を務め、2008年ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞したことでも注目を集めた。

久しぶりの劇場観賞に選んだのは、この作品でした~^^
ミッキー・ロークと言えば、この映画の主人公ランディと同じく一世を風靡したハリウッドスター。
日本でもCM(ウィスキーだっけ?)に出たりしていました。セクシーなイメージがありましたよね。
そうは言っても私自身は、あまり彼の出演作を観た事がなくて、当時も名前は知ってるけどそれ程詳しくはなかったです。

本作「レスラー」で久々に見た彼は、まさにレスラーそのものの風貌。
長い髪を振り乱し、ガッチリとした身体でリングに舞います。
中年になったとは言え、ランディがリングに上がると観客はこぞって彼を応援し、彼のパフォーマンスに熱狂。
ファンの間では、いつまでも愛され続ける“ザ・ラム”なのです。
そしてレスラー仲間の間でも、ランディは尊敬される先輩でありカリスマ。
誰もが彼との対戦を楽しみ、信頼を寄せているのが伝わってくる。
この試合という空間が、ランディの生きがいであり、輝ける場所。

しかし、リングから一歩外に出ると、今度は現実と戦うランディの姿が描かれます。
トレーラーハウスに1人で暮らし、スーパーでバイトしながら試合をこなす。
日焼けサロンで肌を焼き、美容院で白髪を染める。
黙々と筋トレを続け、迫る老いとも戦いながら現状を維持しなければならない彼の姿に切なくなります。
そんな日々の繰り返しに、やがて彼の身体は悲鳴を上げ始め・・・。

プロレスの世界を極め、この道一筋で生きてきた男の熱い生き様。
しかしそれに打ち込む事と引きかえに、彼が失った物は実はとんでもなく大きいのです。
たった一人の娘との関係がそれであり、また自分自身の命さえも縮めている。
愛する女性がすがったとしても、彼はそれを尻目にリングに上がることでしょう。
リングの上でランディが輝いて居られる限り、そして彼を呼ぶファン達がいる限り。

プロレスシーンも迫力。ミッキー・ローク、レスラーにしか見えませんでした。
それだけ役柄とダブっていた。
ラストシーンでの彼のファイトには、清々しささえ感じたよ~(^△^)/

THE WRESTLER  (2008)
 監督 ダーレン・アロノフスキー
 ミッキー・ローク マリサ・トメイ エヴァン・レイチェル・ウッド
 マーク・マーゴリス トッド・バリー クス・スティーヴンス ジュダ・フリードランダー
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ラヴェンダーの咲く庭で [映画 *ら]


ラヴェンダーの咲く庭で 特別版 (初回限定生産スペシャルアロマパッケージ) [DVD]
「ラヴェンダーの咲く庭で」、観ました。

アーシュラとジャネットの老姉妹は、海辺の家に2人で静かに暮らしている。
ある嵐の明けた朝、波打ち際に打ち上げられた1人の青年を助ける。
彼は足を骨折し衰弱していたが、姉妹の介抱により快復へと向かう。
彼の名はアンドレア。
やがて天才的なヴァイオリンの腕前を持つことが判明するのだった。

妹のアーシュラは意識を失った青年を一目見ると、彼のことが気になり始めます。
昏睡状態の彼を見守り、目覚めた彼が英語を理解出来ないと分かると丁寧に教えてあげる。
お茶をする時も食事をとる時も、アンドレアを気に掛けるようになる。
父親を亡くしてからは男手のなかったこの家に、男性が存在するのは勿論大変な変化であり、姉のジャネットも怪我をしたアンドレアに手厚く接している。
でも、ジャネットは妹の様子を見るにつれ、心配になって来ます。
妹・アーシュラがアンドレアに惹かれているのが、彼女には分かっていたから。

孫ほども歳の違う青年に恋するおばあさん。
下手したら思いっきり引いてしまいそうなストーリーですが(正直、若干始めは引きかけた^^;)アーシュラのひたむきな恋心に、次第に切なくなってしまいました。

姉・ジャネットのベッドの枕元には、戦死してしまった恋人の写真が飾られています。
今も姉妹で暮らしていることから想像するに、ジャネットはその後、誰とも結婚しなかったのではないかと思われます。一途ですよね。
誰かを心から愛し、その人からも愛された記憶。
そんな記憶を持っていられる姉を、きっとアーシュラは羨ましく思っていたんじゃないかな。
戦争という時代のためなのか、それともアーシュラ自身がそんな気になる相手に出会えなかったのかは分かりませんが、本当に愛する人に出会う機会がアーシュラには無かったのかもしれません。
そんな彼女に、遅れてやってきた初恋。
それなのに、その恋が不釣合いだと痛感しているのは、他ならないアーシュラ。
“不公平”だと呟く彼女の気持ちに、こちらも胸が切なく締め付けられたのです。

アンドレアの素性はハッキリしませんが、誰もが認めるのはヴァイオリンの才能。
彼の類稀なる才能は隠すのが無理なほど、世に出て行く運命をたどります。
どんなにアーシュラが側に置いておきたくても。
最後にアンドレアの演奏シーンがあるのですが、その哀愁を帯びた音色は感動モノ。
演奏を聴き終えたアーシュラは、自分の想いに区切りをつけるのです。
きっと彼女なりの、“アンドレアを心から愛したのだ”という大切な記憶を胸に、残りの人生を生きて行けるのではないかな、と思いました。

LADIES IN LAVENDER  (2004)
 監督 チャールズ・ダンス
 ジュディ・デンチ マギー・スミス ダニエル・ブリュール
 ナターシャ・マケルホーン ミリアム・マーゴリーズ
 デヴィッド・ワーナー
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レッドクリフ PartⅡ-未来への最終決戦- [映画 *ら]


レッドクリフ Part1 オリジナル・サウンドトラック
「レッドクリフ PartⅡ-未来への最終決戦-」、観ました。

昨年公開されたPartⅠの続編。
ジョン・ウー監督が三国志を映画化。

PartⅠは息もつかせぬアクションに次ぐアクションの連続で、ジョン・ウー節を堪能しました。
人物紹介も兼ねてか、武将1人1人の見せ場シーンが多く、非常に盛り上がりました^^
それに比べると、PartⅡの幕開けは幾分落ち着いた感が。

赤壁を前に大艦隊を配置し、袋のネズミの如く敵を取り囲んだ格好の曹操軍と、それを迎え撃つ孫権たち連合軍。
決戦を前に、ジワリジワリと敵陣を内部から崩していくという、密かな下準備も刻々と進んでいきます
お互いに心理戦を仕掛け、相手を揺さぶるのを見ていて、疑心暗鬼というのはホントに恐ろしい武器になるのだな、と感じました。

PartⅠのような個人プレーは控えめ。
正直、初めのうちは少し単調に感じなくもなかったです。
それが、孫権軍の戦力不足、それも戦で使う矢が不足すると言う致命的なピンチを、孔明の機転で10万本もの矢を調達する辺りから、面白くなってきました。
この一件でも言えるのですが、戦ってやっぱり優れた頭脳の存在が鍵となるのですね。

それにしても最後の赤壁の戦いは凄まじかった。
勝つためには、敵を徹底的に痛めつけるという様子は目を覆いたくなる。
今回、孫権の妹・尚香が友情を育んだ青年が登場します。
国のために命を懸ける武将もいるけど、軍の多くは彼のような名もなき兵士。
彼らは家族のため、生活のために戦場に立つ。
生きていくために戦っている、無数の人たちの命がはかなく散る場面では、戦いの虚しさを感じずにはいられない。

欧米では1本の映画として公開されたと聞きました。
日本では前・後編に分かれ、いずれも2時間を越える長尺。
そのせいか、PartⅡでは少したるみを感じたのも事実。
1本でまとめた欧米版がどのようなものか、観てみたい気がしました。

RED CLIFF:PARTⅡ/赤壁  (2009)
 監督 ジョン・ウー
 トニー・レオン 金城武 チャン・フォンイー チャン・チェン
 ビッキー・チャオ フー・ジュン 中村獅童 リン・チーリン
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レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで [映画 *ら]


Revolutionary Road [Motion Picture Soundtrack]
「レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで」、観ました。

1950年代半ばのアメリカ。
郊外にある高級住宅地“レボリューショナリー・ロード”に暮らす1組のカップル、フランクとエイプリル。
2人の子供にも恵まれ、名のある会社に勤める夫、かつては女優を目指した美人の妻。
周りから理想的なカップルと思われ、本人達も自らを“特別”だと思っていた1組の夫婦が、理想と現実の狭間でもがく姿を描く。

理想と現実のギャップ・・・。
結婚前にはあんなに夢と希望に輝き、楽しく笑わせてくれた、たった一人の大切な存在。
結婚生活が始まりそれが日常となるごとに、きらめいていたものの輝きは衰えるのかもしれません。
既婚者の方ならおそらく、大なり小なりそんな思いを秘めていて、この映画の主人公の2人の気持ちを察するのは難しくないと思います。
それでも、何かしらの不満があろうと時には目を瞑って見ない振りをしたり、今目の前にある幸せをあり難く感じて、日々を過していると思います。そうやって自分の人生に折り合いをつけて生きていく。

フランクとエイプリルもそうして暮らしてきた。
でも、自分達が“特別”だというプライドを捨てきれないエイプリルは、フランクにある提案をします。
それは今の暮らしを捨て、若い頃に2人が憧れたパリの地で新生活を送ること。
仕事に特別未練もなかったフランクも、その提案を受け入れる。
一家の未来は、再び輝くような夢に包まれ始めるが・・・。

映画の大半を夫婦喧嘩が占めています。
よその夫婦喧嘩を見て何が面白いかと思いそうですが、なんとぐいぐい画面に引き付けられてしまいました。
あまりに正直過ぎて、言ってはいけない所まで口に出してしまう2人が痛々しいったらない。
どうすればあのラストにならなくて済んだのか、ちょっと考え込んでしまった鑑賞後でした。

聞きたくない事はシャットアウトする老紳士。
薄々感づいていても触らぬ神にたたりなしの女友達(←と私は思ったんですけど、違うかな?)
みんな、結構そんな風にして暮らしているのかもしれないですね。

[映画館で鑑賞]

REVOLUTIONARY ROAD  (2008)
 監督 サム・メンデス
 レオナルド・ディカプリオ ケイト・ウィンスレット シャシー・ベイツ
 マイケル・シャノン キャスリン・ハーン デヴィッド・ハーパー
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ラスベガスをぶっつぶせ [映画 *ら]


ラスベガスをぶっつぶせ [DVD]
「ラスベガスをぶっつぶせ」、観ました。

MITに通うベンはある日、教授のミッキーに天才的な数学の素質を見抜かれる。
そして誘われたのが、カード・カウンティングというブラックジャックの必勝法を使い大儲けを狙う、ミッキー率いる天才学生達のグループだった。
最初は断ったベンだが、どうしても必要な学費を工面するためグループ入りを決意。
日々、特訓を重ねカウンティングをものにした彼らは、ラスベガスのカジノに乗り込むのだった。

カード・カウンティングの仕組みとブラックジャックのルールが分からないので、ゲームのハラハラ感がイマイチ伝わらない所はありました。
そこは残念だけど、登場人物の表情などからゲームの状況は読み取れるので、ストーリーに追いつけないって事はありません。
ゲーム中にカードやチップをアップで見せる映像など、オシャレでした。
何といっても華やかでゴージャスなネオンきらめくラスベガスがすごかったです。
全く縁のない別世界、ここで日夜大金が行ったり来たりしているのかと思うと、興味津々^^

最初は真面目で勤勉な学生だったベンが、大金を手にした事で変化していきます。
成功に酔いしれ、次第に大胆になっていくベン。
有頂天になった所で思いっきり足を掬われどん底に・・・。
その頃カジノの裏方で目を光らす警備員コールはベンに目をつけ・・・。

コールを演じるのは「マトリックス」シリーズのモーフィアスでお馴染み、ローレンス・フィッシュバーン。
最近ではデジタル化されたセキュリティシステムに置いてけぼりにされているが、自分の勘を頼りにカジノを監視する強面の男を演じています。
MITの教授ミッキーはケヴィン・スペイシーが、金に執着する自己チューの嫌な男を。
上手い、ピッタリです。
この2人が、どうにもこうにも食えない奴らをにくったらしく演じていて、学生役の若手とのバランスを取っていたと思います。

個人的にラストは痛快とか爽快とか思わなかったです。
将来、ベンも食えない面々の仲間入りしそうで、ちょい苦々しい思いもチラリとよぎったり(面接のとことか・・・^^;)
でも一風変わった青春モノで、観ている間はテンポもよく飽きずに観る事が出来ました。

[DVDで鑑賞]

21  (2008)
 監督 ロバート・ルケティック
 ジム・スタージェス ケイト・ボスワース ケヴィン・スペイシー
 ローレンス・フィッシュバーン アーロン・ヨー
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レッドクリフ PartⅠ [映画 *ら]


レッドクリフ Part1 オリジナル・サウンドトラック
「レッドクリフ PartⅠ」、観ました。

中国の英雄伝「三国志」を、「M:I-2」や「フェイス・オフ」のジョン・ウー監督が描くアクション大作。
「三国志」は読んだ事がありません。
そんな方でも分かりやすいように、映画の冒頭に人物紹介と関係性などが軽く入ります、しかも日本語で!
何故か私は、その部分をボーッと観ていたので^^;、“はっ”と気付けば本編に入ってました。
でも安心、人物が登場するたびに名前が字幕で入るので、乗り遅れることはありませんでした、ホッ。(この名前字幕、初登場場面だけでなくけっこう常に現れるので、似ている人でも区別がつかなくなることが無かったです。すごい親切(過ぎ?)ですね~)

本は読んだ事がないので、映画自体の感想になりますが、アクションに次ぐアクションで戦闘シーンは息つく暇も無いほどでした。
監督お得意のスローモーションを多用し、大げさにも思えるような派手な立ち回りですが、それがググッと感情を刺激もし、手に汗握る一大歴史絵巻となっていたように思います。

そして面白いと思ったのは、やはり戦においてはどれだけ頭を使って計算し、準備を整え臨むかが大事だということが描かれていた所です。
映画後半の頭脳戦ですね。
様々な隊形を駆使し、兵士が動く様には“ほほぅ~”と感心しました。
またこの頃になると各武将にも愛着のような感情も生まれて来ていて、それぞれが見せ場となるシーンもあり痛快でありました。
その反面、とにかく痛そうだし、槍怖いし、少し長く感じたのも事実です(汗)

孔明を演じた金城武が、すごく素敵に見えました。
考えてみたら中国の映画って、あんまり観た事が無かった事に気付きました。
中国語も結構、新鮮に感じたし。
そしていいところで“後半に続く・・・”って、そういえば最近こういうパターン多いですよね。
「PartⅡ」は、来年4月公開だそうです。こうなったら観に行くしかない感じで^^

[映画館で鑑賞]

RED CLIFF/赤壁  (2008)
 監督 ジョン・ウー
 トニー・レオン 金城武 チャン・フォンイー チャン・チェン
 ヴィッキー・チャオ フー・ジュン 中村獅童 リン・チーリン
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落下の王国 [映画 *ら]

「落下の王国」、観ました。

左腕を骨折して入院中の5歳の少女・アレクサンドリア。
同じく足を骨折してベッドの上の青年・ロイ。
偶然出あった二人だが、ロイが聞かせてくれる物語に興味引かれ、続きが聞きたくて毎日訪れるアレクサンドリア。
物語の内容は、過去の出来事からスペイン総督に復讐心を燃やす黒山賊と、5人の仲間の冒険譚。
ロイが紡ぎ始めた物語はやがて、アレクサンドリアと2人で作り上げた壮大な世界へと広がっていく。

撮影期間4年をかけ、世界遺産を含む各国でロケしたという映像は、息を呑む美しさです。
とにかく舞台となる景色が、まるで夢の世界のよう。
こんな場所がこの地球のどこかにあるのかと思うと、観ているこちらも想像力を膨らませてしまいます。
映像美という言葉に相応しい世界が、そこに広がっていました。
コスチュームも雰囲気にマッチした幻想的なデザインで、映画なんだけど舞台を観ているような気分にもさせられました。

アレクサンドリアを演じた少女は、これが映画初出演だということですが、何ともいえない“素”の演技?で、時々彼女の笑いにつられて、こっちもクスリとしてしまうほど微笑ましかった。
5歳にしてはしっかりしてるんだけど、難しい言葉はやっぱりまだ理解できない、赤ちゃんのような可愛さが作品の魅力をアップさせてました。

原題は“THE FALL”、映画の中でも色んなものが落下している場面が映し出されます。
アレクサンドリアとロイも高い所から落下して、骨折してしまっているのです。
人はもちろん空を飛べるはずもなく、物だって空中に留まることなく落ちてしまいます。
そしてこの落下という事柄がロイ自身にも深く関わっていて、映画の最後に彼のエピソードが出てきます。(そこの所がなんかすごく、上手いな~、と私は感心してしまいました^^)
ロイのエピソードである終盤のモノクロームの映像を観ていて、映画に対する愛情、みたいなものもヒシヒシと感じてしまいました。

とにかく圧倒的な美の世界に酔いしれる事ができた2時間。
何とか劇場鑑賞できて良かったです。
普段映画のパンフレットまでは買わないのですが、どうしてもロケ地とか興味があったので思わず買ってしまいました。

12.jpg

オフィシャルHPでも、キレイなフォトがみられます^^
「落下の王国 オフィシャルHP」

[映画館で鑑賞]

THE FALL  (2006)
 監督 ターセム
 リー・ペイス カティンカ・ウンタルー ジャスティン・ワデル
 ダニエル・カルタジローン
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ROCK YOU![ロック・ユー!] [映画 *ら]


ロック・ユー! コレクターズ・エディション
先日、ギフトカードで購入した中の1本。
今年1月、28歳の若さで急逝したヒース・レジャー主演作。
「ロック・ユー!」、観ました。

14世紀。貴族だけが参加を許された馬上槍試合。
主人の死をきっかけに、従者ウィリアムの身分を偽っての試合出場が始まる。持ち前の素質から、試合毎に力を付けていく彼は、次々と勝利をモノにしていくが・・・。

中世を舞台にしていながら、ここぞ!という場面でロックのBGMが流れます。
その演出が浮いている印象は全くありません。
ヒース・レジャー演じるウィリアムの真っ直ぐな若さの勢いと、ロックのリズムがマッチし、心躍るスピード感を生み出しているからだと思います。

馬上槍試合とは、自分の背丈よりも長い槍を脇に抱え、馬に乗った2人が向かい合わせで激走し、すれ違いざまに槍の一突きを与え、そのダメージで勝敗を決める、実に豪快で男気溢れる競技です。
貴族はもちろん、庶民もこの真っ向勝負を観るのが娯楽。
ウィリアムは幼少の頃から槍試合に憧れ、騎士エクスター卿の元に奉公に出ます。
貴族しか出場が許されない決まりも、父親の「運命は変えられる」という言葉を胸に刻み、10数年従者として主人に仕えてきたのでした。

若さ故の恐れを知らぬ自信、思った通りに突き進むウィリアムのキャラクターと、当時20歳そこそこのヒース・レジャーがピタリとはまり、時に“青いなー”と感じさせるこの男を応援せずにはいられない気持ちにさせます。
長年苦楽を共にしてきた先輩従者の2人に加え、試合前に絶妙な口上でウィリアムを紹介する作家チョーサー、はたまた女鍛冶師など、彼の力を信じ、勝利を支えていく仲間との友情も心地よく描かれます。

その上、試合会場で出会った身分違いの女性ジョスリンとの恋の行方あり。
槍試合最大のライバルである男の登場あり。
様々なエピソードと迫力の試合シーンを盛り込みながら、物語は進んでいきます。

言ってしまえば予定調和なストーリーですが、それを良しと思える清々しさがこの作品にはあります。
それもひとえにヒース演じるウィリアムのひたむきさに打たれるからであり、努力で運命は変えられるという事を信じたいからかもしれません。
時にはこんな風に分かりやすくて、一直線に響いてくる映画もいいものだと思います。
・・・そしてヒースは素敵でした。
来月にはジョーカー役で出演したバットマンの続編、「ダークナイト」が公開されます。

[DVDで鑑賞]

A KNIGHT’S TALE  (2001)
 監督 ブライアン・ヘルゲランド
 ヒース・レジャー ルーファス・シーウェル ポール・ベタニー
 マーク・アディ アラン・テュディック シャニン・ソサモン
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