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リリィ、はちみつ色の秘密 [映画 *ら]


リリィ、はちみつ色の秘密 (特別編) [DVD]
「リリィ、はちみつ色の秘密」、観ました。

14歳のリリィは幼い頃の偶発的な事故で母親を亡くしてしまう。
桃農園を営む父とは心が通わず、言いようの無い不安と虚無感を抱えて暮らすリリィ。
時は1960年代のアメリカ南部。
使用人の黒人女性・ロザリンが人種差別による暴力を受けた事をきっかけに、リリィとロザリンはこっそり家を出る。
町を後にした2人が行き付いたのは、黒人3姉妹が暮らす養蜂場だった・・・。

物心が付くか付かないかの頃、リリィの母親は死んでしまいます。
夫婦喧嘩の最中、取り出した拳銃はクローゼットに潜んでいたリリィの元に滑り込んでしまう。
それを母親に渡そうとした瞬間、銃は暴発。
自分のせいで母親を死なせてしまったという、取り返しのつかない出来事。
それは父親にも大きな翳を落し、父を冷たい人間にしてしまった。
父は言います、「母親はお前を捨てるつもりだった」と。
誰からも愛された記憶のないリリィは、母親への思慕を募らせ、抱えきれない思いに押しつぶされそうな毎日を過ごしているのです。

14歳のリリィを、これまた天才子役と言われたダコタ・ファニングが演じています。
(“これまた”ってのは前回も天才子役の記事を書いたから^^)
94年生まれのダコタちゃん、丁度役柄のリリィと実年齢は同じ位ってことかな?
小さい頃から女優然としていて、演技力も一流だった彼女。
子役からの脱却という微妙な年齢に差し掛かったのかな、と勝手にちょっと心配してましたが、何のことはない、相変わらずの演技派。
虚しさと後悔の念に苛まれ、小さな身体いっぱいに哀しみを抱えたリリィを見事に表現してました。

リリィが家を出たきっかけは、仲の良い使用人のロザリンが怪我をしてしまったことでした。
が、早かれ遅かれリリィは行動を起こしたはず。
彼女は母親を探す旅に出たのです。自分は母に愛されていた、と言う証を求めて。
旅の途中で立ち寄った食堂の店先で、偶然にも母の形見の中にあった、“黒い聖母像”のラベルの張られたはちみつを見つけたリリィは、それを作っている養蜂場へと向かいます。
そして、3姉妹の黒人が営む広大な農場に辿り着くのでした。
長女のオーガストは、訳有りな様子のリリィたちを養蜂場に雇い入れます。
どうしてここを訪ねて来たのかを隠したまま、リリィはここで暮らすことに。
蜜蜂の世話をしながら、新しい出会いと環境の中で、やがてリリィにも変化が訪れ・・・。

3姉妹の女性達はいずれも魅力的な人物なのですが、中でも特に、長女・オーガスト役のクィーン・ラティファが印象的。
蜜蜂の世話を通して、リリィにこの場所での暮らし方を教えて行きます。
何事もよく見極める目を持っていて、突然の訪問者のリリィたちを優しく見守ります。
オーガスト自身に起こった悲しい出来事をも、真っ直ぐ受け止め乗り越えようとする。
彼女はここで暮らす人たちにとって、まさに母のような存在なのです。

冒頭のワンシーンでリリィの前に、幻の蜜蜂たちが現れます。
その蜂に導かれたように、リリィが養蜂場を訪れたのは、彼女を見守る大きな力が働いたのかもしれません。前に進めずに立ち止まったままの少女が、一歩を踏み出せるように。
今まで自分の事には全く手を掛けず、過ごしてきたリリィ。
年頃の女の子なのに飾り気も無く、無造作に束ねた髪・・・自分のした事が許せなくて、そうする事でまるで自分に罰を与えてでもいるかのようであった彼女。
今は愛される事を知り、自分を許せるようになったリリィの変化がラストシーンで見られます。
哀しみを知っている分、きっと素敵な女性へと成長するのではないでしょうか。

THE SECRET LIFE OF BEES  (2008)
 監督 ジーナ・プリンス=バイスウッド
 ダコタ・ファニング クィーン・ラティファ ジェニファー・ハドソン 
 アリシア・キーズ ソフィー・オコオネドー ポール・ベタニー
 ヒラリー・バートン ネイト・パーカー トリスタン・ワイルズ
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虹子

お久しぶりです。
良い映画をたくさん観ておられますね~。
ヒッチコックも、「12人・・」のリメイクも「あなたの中の・・・」も
全部観たい!(笑)
けどこの作品、なにか惹かれました。
最近「善徳女王」みたいなわかりやすいのを見てるので
久しぶりにこんな映画でしみじみしたいな。
秋だしね・・・^^
by 虹子 (2009-10-14 15:54) 

よーじっく

こんばんはぁ、(^^)/

観たかった作品です。

ビデオが出てるんですね。
今度探して見ます。
コメント、ありがとうございました。
by よーじっく (2009-10-14 20:47) 

てくてく

くらいふさん。
こんばんは^^
いつもnice!をありがとうございます。

shinさん。
こんばんは^^
いつもnice!をありがとうございます。

トメサンさん。
こんばんは^^
いつもnice!をありがとうございます。

てぷこだんさん。
こんばんは^^
いつもnice!をありがとうございます。

xml_xslさん。
こんばんは^^
いつもnice!をありがとうございます。

虹子さん。
こんばんは^^
こちらこそ、お久しぶりです~。
すっかり秋になってしまいましたね。
秋の夜長にゆっくり観賞するのに
向いている映画かもしれないです。
よかったら是非、是非^^
nice!&コメント、ありがとうございます。

よーじっくさん。
こんばんは^^
ダコタちゃんの成長が感じられる1本です。
彼女もいい女優さんになりそうですね。
是非、ご覧になってみて下さい^^
nice!&コメント、ありがとうございます。

るるさん。
こんばんは^^
いつもnice!をありがとうございます。

ムネタロウさん。
こんばんは^^
いつもnice!をありがとうございます。

ますさん。
こんばんは^^
いつもnice!をありがとうございます。

わかって建築家さん。
こんばんは^^
いつもnice!をありがとうございます。
by てくてく (2009-10-17 00:03) 

non_0101

こんにちは。
少し大人になったダコタちゃん良かったですね~
哀しみをたたえながらじっと見つめる瞳が切なかったです。
抱擁力のあるクィーン・ラティファの存在感も印象的でしたね。
観終わった時、リリィの幸せを願わずに入られなかったです☆
by non_0101 (2009-10-18 10:44) 

てくてく

nonさん。
こんにちは^^
ダコタちゃんってちょっと雰囲気が
ジョディ・フォスターに似てるのかな、なんて思いました。
彼女のようにダコタちゃんもずっと女優として活躍していくだろうな、
そう思わせる演技力でした^^
クィーン・ラティファはじめ養蜂場の皆には
1曲バッチリと歌ってほしかった位です。
それやっちゃうとストーリーから浮いちゃいますが・・・^^;
nice!&コメント、ありがごうございます。
by てくてく (2009-10-18 17:35) 

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