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ターミネーター4 [映画 *た]


ターミネーター 4 (クリスチャン・ベイル 主演) [DVD]
「ターミネーター4」、観ました。

「審判の日」から10年後の2018年。
抵抗軍のリーダー、ジョン・コナーは、人類と機械との激しい戦いの先頭に立ち、日々死闘を繰り返していた。
ご存知、ターミネーター・シリーズの最新作。

最新作公開という事で、先日から旧3作もTV放送されていましたね。
“1”と“3”は見逃したのですが、“2”はTVを点けたら丁度やっていて(・・・と言っても1時間位は経過してましたが・・・^^;)、思わず見入ってしまいました。
確か“1”は子供の頃、こう言ったTVのロードショー番組で初めて目にしたのですが、その面白さに釘付けになった記憶があります。

そして“2”が公開された当時は、待ってました!とばかりに映画館に駆け込みました。
衝撃的でしたね~。
変幻自在に姿を変えるT-1000型ターミネーター、その特殊効果の技術にも目を奪われました。
そして追いつ追われつのシンプルなストーリーの中に、機械と人間の交流を通して、どんなに不可能に見えることでも信じれば変える事ができる、といった希望が込められていて、そこが感動する理由でもあるんですよね~^^
“2”はホントに何回観ても、楽しめます。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、この最新作。
シリーズ物の続編としては、まずまず面白かったと言っていいのかな?^^
今回はいよいよ「審判の日」を過ぎた未来を描いているのですが、荒廃した瓦礫と砂まじりの砂漠が広がったその世界観は、上手く出ていたと思います。
アクション部分はなかなか派手で、色んな種類の機械たちが大暴れするのですが、どの部分にも特別に“これはっ!”という目を奪われるシーンが無く、そこは少し残念でした。

ジョン・コナーが主役なんでしょうけれど、今回はマーカス・ライトという鍵になる男がいて、どちらかと言うとマーカス(サイバーダイン社の手術により、身体を機械に変えられた男)の方にスポットライトが当たっていた気がします。
そのマーカスとジョンの出会いですが、個人的にはジョンにもっとマーカスを信じてもらいたかった。
何故なら(ネタバレでも無いだろうけど一応・・・反転!、“2”でT-800型ターミネーターと接した少年時代のジョンは、たとえ機械であっても人の心の痛みや人間が涙を流す理由を理解することができる、と証明する瞬間を目撃した張本人だから。(自ら消滅しようとするT-800に“行かないで”とすがるジョンを思い浮かべてしまいました。)
マーカスの真っ直ぐな瞳をみたら、そんな昔を思い出すかと思いましたが、それでは甘すぎますかね^^;日夜、機械との死闘を余儀なくされ、しかもリーダーだし、ちょっとやそっとじゃ信じちゃダメな立場だしね・・・。
マーカスを信じて行動した女性兵士・ブレアをお咎めなしで開放した所に、彼の真意はあったという事で納得しました。

終始、マーカスに美味しい所を持っていかれているような感じがしなくも無かったですが、このシリーズはまだ続く・・・という事なのでしょうか?
なんだかそんな感じの終わり方だったし、帰ってきてネットを見てたら・・それっぽいですね^^
ってことは次はもっとジョンにスポットが当たるのかな?
未来の父であるカイル・リースとも、もっと絡むのかな?

続きも気になるけど、やっぱり“2”が一番だな~^^

TERMNATOR SALVATION  (2009)
 監督 マックG
 クリスチャン・ベイル サム・ワーシントン アントン・ウェルチン
 ムーン・ブラッドグット ブライス・ダラス・ハワード
 ヘレナ・ボナム=カーター
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チェイサー [映画 *た]

「チェイサー」、観ました。

韓国で実際に起こった連続殺人事件をベースに、長編は初監督のナ・ホンジンが描くサスペンス。
デリヘルを経営する元刑事のジュンホ。
最近、立て続けに店の女達が姿を消すのに頭を抱えていた。
そんな時、店にかかってきた客からの電話。
体調が悪いというミジンを急き立て、客のもとへと向かわせる。
しかしその電話番号が、出掛けたまま戻ってこない女達に最後に掛かって来たものと同じだと気付き、慌ててミジンに連絡を取るジュンホだったが・・・。

本来なら大の苦手のジャンルなのですが、評判がとても良いので気になっていた作品です。
とにかく痛そうで堪らないものは、見ていられないのです。
この前の水曜日のレディスデイに、“行こうかな?”と思っていたのですが、結構雨足が強かったので、何となく行きそびれてしまいました。
来週になったら上映時間も変わるかもしれないし、行くならもう今日しかない。
“映画が見たい”という気持ちの方が、怖さに勝ったみたい。行ってきました。

心拍数が上がる映画でした~。
そして地団太を踏みたくなる位、歯がゆさを感じました。

それにしてもこの映画のロケーションに、韓国の街並みが本当に似合う。
古くて小さな家が密集した路地、少し道が広ければそこを陣取る路上駐車の車たち。
暗がりとそれを照らす街灯、きちんと舗装されていない様な道。
陰鬱な事件が起こる舞台としても、そこを追撃者となって走るジュンホも、この街並みが何とも言えない雰囲気を醸し出して見事にマッチし、そして不安を高めます。

・・・と言っても、韓国ドラマをよく見る私にとっては、こういう路地は特別目新しい物ではありません。
ラブ・ストーリーの主人公が、よくこういった路地に家族と住んでいたりします。
ああいう門構えの例のお屋敷だって、御曹司が住んでてインターホン鳴らしたりするもん。
そんないつもの路地が、この映画の中ではまるで別人のような顔をして映っている、そこにまず恐れ入ったという気がしました。

そして驚いたのが、意外にも犯人が早くに捕まってしまうところ。
でも決してそこから上手く解決へと導けないのが、先ほどもいった歯がゆい所です。
物語を俯瞰的に見ている観客は、“どうしてそんな事も分かんないの?”とか“早く何とかしろ!”と画面をギリギリしながら見つめるのですが、登場人物たちはそうそうこちらの思うようには動きません。
ジュンホにしても当初は、犯人が“女達をどこかに売ったのではないか”と疑っているのですから。
元刑事だけあって、腕にも自信があるだろうし知識もあるだろう、彼は独自で動くのです。

一方の警察は、容疑者・ヨンミンを逮捕したにも関わらず、なかなか核心へと迫れない。
今の段階では何の物的証拠もなく、目の前にいる若者はヘラヘラとしてつかみ所が無い。
確かに事件は起こっているのだろうけれど、それが何処でなのかもハッキリしない。
そうこうする内にどんでもない所から横槍が入ってくる。
ここら辺も歯がゆい~。
警察の捜査に対する腰の重さというか、縦割りな考え方とか、そんな所に対する批判を皮肉を込めて描いていたと思います。

とにかく辛口で苦い。
なんて言うか、こうなるだろうっていう予想と違う展開で、こっちの思う通りに行かなくて疲労困憊^^;
そしてグイグイと画面に引き付けるパワーを持った作品でもありました。
居ても立っても居られないような心境のまま、画面を食い入るように見つめた2時間あまり。

外に出て眩しい太陽に照らされた現実に戻ったら、ホッとした。

THE CHASER/추격자  (2008)
 監督 ナ・ホンジン
 キム・ユンソク ハ・ジョンウ ソ・ヨンヒ
 チョン・インギ パク・ヒョンジュ キム・ユジョン
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団塊ボーイズ [映画 *た]


WILD HOGS/団塊ボーイズ [DVD]
「団塊ボーイズ」、観ました。

中年4人組“WILD HOGS”は、たまに集まってバイクを走らせている腐れ縁の男達。
実業家のウディ(ジョン・トラヴォルタ)、歯科医のダグ(ティム・アレン)、仕事を辞めて小説を執筆中のボビー(マーティン・ローレンス)、パソコンのエンジニアのダドリー(ウィリアム・H・メイシー)だ。
日常に埋もれ、若い頃のやんちゃ振りも影をひそめてしまった中年の自分達。
昔を思い出し、心の赴くまま、バイクに跨りアメリカ横断の旅に出るのだが・・・。

先日は幾つになっても頑張るおばあちゃんの映画をみましたが、今回はオジサンたちの奮闘記。
ちょっとドジで冴えないオジサン達が、旅の先々で事件を起こしてしまいます。
誰のせいって訳でもなく、4人が4人とも何かをやらかしてしまう。
“いい歳して何やってんだかっ”って思いながらも、おとぼけなオジサン達の憎めなさに微笑んでしまいました。
そうは言ってもバイクを駆り、アメリカの大地を走りぬける様は、とても素敵なんですけどね^^

それぞれに個性的な面々が揃った“WILD HOGS”のメンバーですが、中でも私はダドリーがお気に入りでした。
女性にはモテないし、運動神経も鈍くてしょっちゅうバイクから落ちてしまう彼。
空気が読めない所もあって、他の3人から呆れられてしまう事もしばしばですが、そこがグループのマスコット的な存在でもあります。
“マスコット的なオジサンってどうよ?”って思いそうですが、ウィリアム・H・メイシーのキャラと上手くマッチして、憎めない可愛いオジサンを演じてました。
そんな彼になんと!ロマンスが用意されていて、なかなかに素敵なラブシーンでした^^

くたびれていた男達が旅を通して自信を取り戻し、友情の素晴しさを再確認します。
観る前はヒューマンっぽいのが2割位配合されたコメディかな?と思ってましたが、ほぼ全開でコメディって感じ。
ビールでも飲みながら、肩の力を抜いて気軽に楽しめる1本!でしたb(^ー^)

WILD HOGS  (2007)
 監督 ウォルト・ベッカー
 ジョン・トラヴォルタ ティム・アレン マーティン・ローレンス
 ウィリアム・H・メイシー マリサ・トメイ レイ・リオッタ
 ピーター・フォンダ ジョン・C・マッギンレー
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たみおのしあわせ [映画 *た]


たみおのしあわせ [DVD]
「たみおのしあわせ」、観ました。

父と二人暮しの民男は、父親の勤める会社の社長から1人の女性を紹介され、付き合いはじめた。
今まで何度となく見合いを繰り返しては、交際を断ってきた息子を心配する父・伸男は、今度こそ上手くいってほしいと思っていた。
民男と見合い相手の瞳は交際を続け、ついに結婚が決まる。
式に向けて、一日また一日と過ぎていくが・・・。

妻を亡くしてからは二人暮しの民男の家は、男所帯なのに整頓され、古いながらもこざっぱりとしています。
ぶっきら棒に口げんかもしますが、民男の入れた日本茶でゆっくりくつろいだり、朝には伸男が素朴な和食のご飯を用意していたりと、二人の生活はこれで均衡の取れた日常のよう。
普通の日常に民男の結婚という変化が起こり・・・。

字幕に慣れ切っているせいか、邦画を観る時いつも思うのですが、台詞が聞き取りにくい。
ドラマに比べて映画って台詞が短かったり、ボソボソ喋ったりするんで特に。
今回もそんな状態に陥ってしまいました。
ボリュームを上げたり、巻き戻したり、最後には“日本語字幕出ないかな?”なんて探しちゃったりしました^^;

民男の結婚式に向けての日常を、割と淡々と、ゆるい笑いを織り交ぜながら描いていきます。
民男と伸男と、そしてその周りの人々の間に起こる出来事。
それらが静かに重り合って、いよいよ式当日。
もし私がこの結婚式の招待客だったら、一体何が起こったのか訳も分からず、驚きで目は白黒、そして“めったにない式に出席できたな~”、なんて思うかもしれません。
それくらいズッこける展開が待ってます。

何故、民男と伸男があの行動に出たのか?
実は意外と、納得できる行動であったりします。
ネタバレ(民男は父親の恋人・宮地が伯父の透と密かに男女関係になっている事、今は二人で住んでいるが実は透名義の家を宮地と透が狙っている事、自分が結婚して父一人になると、きっと父親は恋人の裏切りを知らされ家を追い出されるだろうという事を予想します。一方伸男は、良い娘さんだと思っていた息子の婚約者が自分を誘惑している事、そして自分もその誘惑に勝つ自身がない事、そうなれば民男の幸せは・・・と予想するのです。
誓いの言葉を前に、大粒の汗を額に光らせ苦悶する親子の姿は、実はお互いに相手を思いあう親子愛を表現ってことかな^^
でもビックリな場面には変わりないですが・・・。

ラストシーンも少し突飛な気がして、流石に一体何が言いたかったのか“???”でしたけど^^;
全体的にみても、台詞の聞き取り辛さもあってもうひとつ入り込めない感がありました。
思ってたのとちょっと違う、一風変わった作品ですね~。

あ、麻生久美子、すごい。瞳は(魔性の女)ですよ!!そのギャップが上手い。
それと大竹しのぶ。
色恋に貪欲で、計算高くて、意地悪で、でも本人至って悪気なし…みたいな女を完璧に演じてました。こういう人物を演じさせたら右に出るものナシッ、流石!!

たみおのしあわせ  (2007)
 監督 岩松了
 オダギリジョー 原田芳雄 麻生久美子 大竹しのぶ
 小林薫 光石研 冨士眞奈美 
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地上5センチの恋心 [映画 *た]


地上5センチの恋心 [DVD]
「地上5センチの恋心」、観ました。

若くして夫を亡くしたオデットは、女手1つで2人の子供を育て上げた。
百貨店の店員に内職と忙しく過ごす彼女の楽しみは、一日の終わりにベッドの中で読む小説。
それは作家バルタザール・バルザンの小説で、彼女は彼の熱狂的なファン。
ある日、オデットはバルタザールに宛てたファンレターを書く決心をする・・・。
平凡な主婦に訪れた、夢のような出来事を描くロマンチック・コメディ。

オデットの心が浮き立つごとに、彼女の身体がフワフワと浮き上がり、まさに地に足がつかない状態になる映像がとても可愛かった。
バルタザールの恋愛小説に心酔しきっていて、小説を読んではウットリし、彼のサイン会に出掛ける日なんて落ち着くことが出来ないくらい。
そんな可愛い一面を持ちながら、もう一方では実にしっかり者で世話好き。
息子と娘はもちろん、アパートの住人からも頼られる存在だったりします。

そんなオデットがバルタザールに送った手紙には、夫を亡くしてから途方に暮れた彼女を元気付けたのが彼の小説であり、どれ程有難かったか、また彼に対する思いが素直に綴られていました。
その時、人間関係や仕事に対して行き詰まりを感じていたバルタザールは、手紙を読んでオデットを訪ねてしまう。
彼女と接するうちに、本当の幸せについてバルタザールは考え始めるのです。

時折、オデットが歌い始めミュージカルの様相も見せる本作。
ダンスも上手いんだか下手なんだか、ちょっと微妙ですが・・・^^;
でも、とても可愛い演出が所々にみられます。
大人のためのロマンティックなラブコメって感じ。
オデットと2人の子供の関係とか、子供達の恋人に対する接し方とか、いかにもフランスっぽいな~。
と思ってた・・・ら途中で気付いたんだけど、オデットはベルギー住まいだった。
で、バルタザールはパリに住んでる(お隣の国まで訪ねて行っちゃったんだね!)
製作はフランス/ベルギーになってました。

ODETTE TOULEMONDE  (2006)
 監督 エリック・エマニュエル・シュミット
 カトリーヌ・フロ アルベール・デュポンテル ジャック・ウェベール
 ファブリス・ミュルジア アラン・トゥテー カミーユ・ジャピ
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ダウト~あるカトリック学校で~ [映画 *た]


ダウト ~あるカトリック学校で~ [DVD]
「ダウト~あるカトリック学校で~」、観ました。

1960年代のあるカトリック系の学校。
校長であるシスター・アロイシアス(メリル・ストリープ)は、シスター・ジェイムズ(エイミー・アダムス)から1人の生徒の事について相談を受ける。
その内容とは、神父フリン(フィリップ・シーモア・ホフマン)に呼び出された男子生徒の様子が、何だかおかしくて心配だというものだった。
それを聞きつけた校長は、神父と男子生徒の“不適切な関係”を示唆する。
疑念はシスター・ジェイムズの心にも芽吹き始め・・・。

この映画、3月から公開していたのですが、その時住んでいた所ではやってなかったのです。
すごく観たかったんですよね。
なんせ本年度アカデミー賞で、主演女優賞と助演男優&女優賞になんと4人もノミネートされていた作品なんです。
引越し先では都市に遅れること2ヶ月余り・・・この土曜日から公開されたので、さっそく行ってきました^^

いや~~、期待通り見ごたえのある心理劇!
メリル・ストリープとフィリップ・シーモア・ホフマンの火花散る演技合戦!
校長室というあまり動きのない、言わば密室で交わされる台詞のやりとりは、時には相手を諭すように、またある時はまるで恫喝するかのように激しく、手に汗握るとはこの事ですね。

メリル・ストリープ演じるシスター・アロイシアスは厳格で生徒への指導も半端ないので、相当恐れられている存在。
こうと決めたら梃子でも動かない、頭の固い人物。
そして何故か、シスター・ジェイムズから話を聞くや否や、“不適切な関係”を疑います。
いや、元々彼女の中には疑いがあって、それが確信に変わった瞬間だったのかも。
彼女にとっては神父フリンという人が気に食わなくて、それを排除するチャンスを逃してなる物か、という風にも見えました。

一方の神父・フリンはフィリップ・シーモア・ホフマンが。
彼は生徒や保護者たちから信頼を受けているように見えました。
ジョークも通じる心安さもあるって感じ。
古いものに拘るのではなく、新しいものを学校にも取り入れようと考えていた。
何よりそれが、校長の気に障る原因であっただろうし、なんとしても排除したいと思わせるに至ったのかも。
潔白のようにも見えて、それでももしや、何かあるのでは?と思わせる、何とも絶妙な雰囲気を醸し出していました。

この物語で取沙汰される“不適切な関係”は、実のところ最後まで確たる答えは明かされません。
観ている観客は、映画の中での激しい議論や、または登場人物の表情や心情を読み取り、推測するまでです。
その目線は、劇中のシスター・ジェイムズに近いものがあって、彼女も真実を見極めようとしますが、やはり心は揺れます。

疑念と言うのは誰の心にも芽生える感情だと思います。
それが膨らむのも、止められないことなのかもしれません。
人を信じるというのはとても素晴しいことで、出来たらいつもそういう心持ちでいられたら平穏でいられますよね。
でも、疑心暗鬼に陥る日もある。
そんな心もあるんだと認めて、上手くバランスを取らないといけないですね。
疑う方ばっかりに傾くと、やがて自分の中の鬼に出会っちゃって恐れおののく事になるのかも。
ネタバレ(最後の校長は、自己嫌悪というか、自身の行動に恐れおののいているように見えました。

それにしてもフィリップ・シーモア・ホフマンの説教は上手かった。
“枕の羽”の話なんて、成るほどな~、と唸りました。

DOUBT  (2008)
 監督 ジョン・パトリック・シャリー
 メリル・ストリープ フィリップ・シーモア・ホフマン
 エイミー・アダムス ヴィオラ・デイヴィス
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太陽がいっぱい [映画 *た]


太陽がいっぱい スペシャル・エディション (期間限定生産)
「太陽がいっぱい」、観ました。

貧しい育ちのトムは、御曹司であるフィリップと共にローマにいた。
アメリカにいるフィリップの父の元に息子を連れ帰れば、報酬をもらえる約束
しかしフィリップは帰国する気はサラサラなく、恋人マルジュと日々を送っている。
そんなある日、ヨットの旅に出た船上で、トムはある計画を実行する。
フィリップを殺害し、彼に成り済まし、彼の持つ全てを手に入れるのだ。

映画冒頭、トムとフィリップの悪ふざけに閉口気味^^;
フィリップはまさに放蕩息子といった感じで、親のお金で好き勝手に暮らしています。
そんなフィリップのおこぼれに与るトム。
どんなに一緒に悪ふざけをして遊んでも、フィリップにとってトムは都合の良い使いっ走りのよう。
トムもそれは重々、承知の上。
お互い反発する思いも持ちながら、それでも手元に置いておきたい相手、そう思っている気がしました。

ヨットで旅行に出掛けた時、初めはマルジュも一緒でした。
船上でトムの目も気にせず戯れる二人。
こんな所によく居られるな・・・と見ているこちらは思うのですが、トムはお構いなし。
フィリップの悪戯で、死にそうな目にあっても船を降りません。
それどころか策を巡らせ、マルジュを下船させる事に成功。
そしてついに、フィリップを死へと追いやるのです。

その日からトムはフィリップに成り済ます生活を始めます。
今のようにセキュリティや通信の技術が発達した社会なら、トムの犯罪はすぐに見破られそう。
でもこの映画が作られた時代は、そこまででは無かったのでしょう。
本人確認もサインの筆跡が同じなら簡単に騙せるし、タイプで打った手紙もサインがあれば疑われる事も無い。
トムはまんまとフィリップになる事に成功したのです。
監視カメラのついた銀行もないし、携帯もパソコンもない。
この時代だから生まれたストーリーと言えるのかもしれませんね^^

トムはお金を手にしても逃げる事はしませんでした。
あくまでもフィリップとして生活する。
彼の名を語り、彼の服を着て。
(靴まで履いてたように見えました。いくら何でも他人の靴は履くのって抵抗あるよねぇ^^;)
以前も鏡の前でフィリップの真似に酔いしれていたトム。
お金ももちろん欲しいけど、それだけじゃなかったのかな。

犯罪を成功させ、くつろぐトム。
このまま完全犯罪は成立するのか?
最後の最後で分かります。
それはなんとも簡潔で、分かりやすいシーンによって。
観客は冷や水を浴びせられたように驚き、全てを悟ります。
知らないのはトムだけ。
このラストは上手いっ。
音楽がいつまでも耳に残る。切なすぎる旋律です。

PLEIN SOLEIL  (1960)
 監督 ルネ・クレマン
 アラン・ドロン マリー・ラフォレ モーリス・ロネ エルヴィール・ポペスコ
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チェンジリング [映画 *た]


チェンジリング (アンジェリーナ・ジョリー、ジョン・マルコヴィッチ 出演) [DVD]
「チェンジリング」、観ました。

1928年、ロサンゼルス。
シングルマザーのクリスティンが仕事を終え帰宅すると、留守番をしているはずの息子・ウォルターの姿が見えない。
辺りを探しても見つからず、暗くなっても帰らない息子を心配し、警察に電話するがすぐには動いてくれない。
それから5ヶ月が経ち、息子の身を案じるクリステリンの元に、ウォルター発見の知らせが届く。
安心する彼女の前に現れたのは、見知らぬ少年だった・・・。

アメリカで実際に起きた事件を、クリント・イーストウッド監督が映画化。
とにかくこれが実話ということに、心底驚きました。
行方不明の息子と、全く見も知らぬ少年が入れ替わる。
クリスティンがいくら違うと言っても、警察は聞いてもくれない。
おまけにその少年までもが「ママ」と呼ぶ始末。

この不可思議な出来事の根底には、汚職や犯罪にまみれ警察として機能していなかった、当時のロス市警の信じがたいやり方が存在します。
そして、クリスティンは権力という大きな力に、これでもかと叩きのめされる。
ただ、ただ、息子を探して欲しい。無事な息子を自分の胸に抱きしめたい。
そう切望する母親の願いは、声を大に叫べば叫ぶほど、無残な仕打ちを受ける。
子供がいなくなる・・・普通では居られないほどの精神状態だと思うのに、それに追い討ちをかけるような酷い状況が、クリスティンの身に降りかかります。

権力という巨大な力。それに逆らえず、“長いものには巻かれろ”でいる人たち。
弱い立場の者が踏みつけにされている現実。
本当にそれでいいのか、真実を自分の目で見ているのか、そして行動しているのか。
イーストウッド監督の衰えぬ反骨精神が、メッセージを送っているように感じました。

そして物語は中盤から大きくうねるように、さらに信じがたい方向へと進んでいきます。
“ほんとにほんとに・・・実話なの?”
身体を強張らせながら、画面を見つめていました。
クリスティン・コリンズ。強い女性です。
そう、諦めるなんて出来る筈がない。
最悪の状況の中からも、一筋の拠り所を見つけそれに懸ける彼女。
クリスティンが言ったラストの一言で、どっと涙が溢れました。
(その後に出たテロップからクリスティンの生涯を想像して、切なくてまた泣けた。)

何とも辛く衝撃的な内容でしたが、時に静かに、時に力強く、胸に響く作品でした。

-映画館で観賞-

CHANGELING  (2008)
 監督 クリント・イーストウッド
 アンジェリーナ・ジョリー ジョン・マルコビッチ ジェフリー・ドノヴァン
 コルム・フィオール ジェイソン・バトラー エイミー・ライアン マイケル・ケリー
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トレーニング デイ [映画 *た]


トレーニング デイ 特別版 [DVD]
「トレーニング デイ」、観ました。

ロス市警、麻薬取締課に配属された新人刑事ジェイク。
交通整理課を経て憧れの課への転属、希望を抱き初出勤の日を迎える。
コンビを組むのはアロンゾ、この道のプロで数々の功績を残すベテラン刑事だ。
ところがジェイクが見たのは、警官の立場を利用し法に触れるような行為を平気でやってのけるアロンゾの姿だった。

持ち前の持論を展開し、自らの力を自負するアロンゾ。
事件に大小の格付けをし、自分が動くのは大物逮捕の時と話し、パトロール中に出くわす事件の容疑者は逮捕もせずに逃がします。
正義感に溢れるジェイクは納得がいくはずもないのですが、アロンゾは鼻にもかけない。
悪に向かうには自らも悪にならねば、捜査など出来るはずもない、と。
その巧みな話術にはジェイクも納得せざるを得ない、有無を言わさぬ力があります。
おまけに嫌なら交通整理でもしとけ、と半ば脅し文句です。
ジェイクにしてみればやっと掴んだチャンスを手放せずに、アロンゾの言うままに行動を共にする他ない。

こうしてロスの街のあちこちを巡るうちに、アロンゾの信じがたい行動はエスカレートしていく。
権力を持つ人間は、一歩間違えるととてつもなく悪い方向へと流されてしまうのですね。
アロンゾの周りには同じ穴のムジナたちが集まり、事を上手く運ぶシステムもしっかり作り上げられている。そしてジェイクの鼻先に上手い話をちらつかせ、そのレールに乗せようとします。
理想を持ち警官になったジェイクは、目の前の光景に愕然とするが・・・。

ピンと張り詰めた緊張感が常に漂う、男臭い作品。
あまりの辛口テイストと、デンゼル・ワシントン演じるアロンゾの俺様ぶりに、始めのうちこそ“最後まで観られるかしらん?”と不安でした。
ところが、ジェイク初任の1日に起きた出来事が、積み重さなって層となり物語を面白くさせていて、徐々に引き込まれていました。
ネタバレかも、反転します(実はアロンゾにとっても、この一日は生死を賭けた大変な1日だった訳なんです。必死なはずです。
しかし、こんな災難続きの“トレーニングデイ”になるとは、朝家を出る時のジェイクは予想もしてなかっただろう・・・^^;

ジェイク役・イーサン・ホークって若く見えますよね。
新米って言われたらそう見えちゃう感じ、当時で30歳ちょいの筈なんだけど・・・。
全然関係ないけど、フレディ・ハイモア君と似てないですか?
ハイモア君が年取ったらイーサン・ホークっぽくなりそうって、「奇跡のシンフォニー」の時、密かに思ったんです。
今回もやっぱり思っちゃいました~^^

[DVDで鑑賞]

TRAINING DAY  (2001)
 監督 アントワーン・フークワ
 デンゼル・ワシントン イーサン・ホーク スコット・グレン
 エヴァ・メンデス クリス・カーティス
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大脱走 [映画 *た]


大脱走 (アルティメット・エディション) [DVD]
「大脱走」、観ました。

映画が好きとずっと言ってますが、自分の選ぶ映画って偏った所があると思ったりしてます。
特に昔の映画は、“名前だけ聞いた事がある”けど未見のものは星の数。
有名どころの映画すら、観た事がないものが多いのです。
“これではいけない!”
そこで今年は、「名作を観よう」という目標を立てました。
月1回くらいの割合で、昔の映画を観ていこうと思います。
超有名作、これも観てないのかっ!と呆れられてしまいそうな作品が登場しても、どうかお許しを^^;

・・・てことで、1本目は「大脱走」を選びました。
第二次世界大戦中、ドイツの捕虜収容所。
ここは他の収容所で脱走を企てたことで“要注意”とされる捕虜を集め、厳重な監視のもと警備されているのだ。
脱出不可能と言われるこの収容所から、前代未聞の大脱走を試みた男達を描く。

冒頭に説明されるのですが、実話を元に作られた映画だそうです。
特に脱走の方法は細部にわたり、忠実に再現されているとの事。
登場人物たちはそれぞれに、得意分野があり、与えられた役割をキッチリこなす事で、到底実現できそうにない計画を進めていきます。
一人の力に限界はあっても、それが集まれば大きな力になる、そんな感じ^^

得意分野が各自違うように、集まった個性も様々。
最初は登場人物の多さに誰が誰だが混乱しそうになりましたが、観進めるうちに解消されてました^^
スティーヴ・マックイーンだけは、「タワーリング・インフェルノ」「荒野の7人」で観ていたので直ぐ分かりました。
クローブ片手にボールをキャッチ、いかにもアメリカンって感じのやんちゃ坊主。
(終盤のバイクもカッコよかったです^^*)

機転とチームワークでピンチを乗り越え、脱出計画は進められる。
息が詰まりそうな地道な作業も、使命感と友情を糧に励む男達。
今の映画のように忙しくカット割りされるでもなく、台詞も多いわけでなく、一つ一つのシーンをじっくりと観る事が出来ます。
そして3時間近くあるのに、飽きずに観る事が出来ました。

さて、次は何を観ましょうか?
オススメがありましたら、是非教えてください^^

[DVDで鑑賞]

THE GREAT ESCAPE  (1963)
 監督 ジョン・スタージェス
 ステーヴ・マックイーン ジェームズ・ガーナー リチャード・アッテンボロー
 ジェームズ・コバーン チャールズ・ブロンソン
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