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太陽がいっぱい [映画 *た]


太陽がいっぱい スペシャル・エディション (期間限定生産)
「太陽がいっぱい」、観ました。

貧しい育ちのトムは、御曹司であるフィリップと共にローマにいた。
アメリカにいるフィリップの父の元に息子を連れ帰れば、報酬をもらえる約束
しかしフィリップは帰国する気はサラサラなく、恋人マルジュと日々を送っている。
そんなある日、ヨットの旅に出た船上で、トムはある計画を実行する。
フィリップを殺害し、彼に成り済まし、彼の持つ全てを手に入れるのだ。

映画冒頭、トムとフィリップの悪ふざけに閉口気味^^;
フィリップはまさに放蕩息子といった感じで、親のお金で好き勝手に暮らしています。
そんなフィリップのおこぼれに与るトム。
どんなに一緒に悪ふざけをして遊んでも、フィリップにとってトムは都合の良い使いっ走りのよう。
トムもそれは重々、承知の上。
お互い反発する思いも持ちながら、それでも手元に置いておきたい相手、そう思っている気がしました。

ヨットで旅行に出掛けた時、初めはマルジュも一緒でした。
船上でトムの目も気にせず戯れる二人。
こんな所によく居られるな・・・と見ているこちらは思うのですが、トムはお構いなし。
フィリップの悪戯で、死にそうな目にあっても船を降りません。
それどころか策を巡らせ、マルジュを下船させる事に成功。
そしてついに、フィリップを死へと追いやるのです。

その日からトムはフィリップに成り済ます生活を始めます。
今のようにセキュリティや通信の技術が発達した社会なら、トムの犯罪はすぐに見破られそう。
でもこの映画が作られた時代は、そこまででは無かったのでしょう。
本人確認もサインの筆跡が同じなら簡単に騙せるし、タイプで打った手紙もサインがあれば疑われる事も無い。
トムはまんまとフィリップになる事に成功したのです。
監視カメラのついた銀行もないし、携帯もパソコンもない。
この時代だから生まれたストーリーと言えるのかもしれませんね^^

トムはお金を手にしても逃げる事はしませんでした。
あくまでもフィリップとして生活する。
彼の名を語り、彼の服を着て。
(靴まで履いてたように見えました。いくら何でも他人の靴は履くのって抵抗あるよねぇ^^;)
以前も鏡の前でフィリップの真似に酔いしれていたトム。
お金ももちろん欲しいけど、それだけじゃなかったのかな。

犯罪を成功させ、くつろぐトム。
このまま完全犯罪は成立するのか?
最後の最後で分かります。
それはなんとも簡潔で、分かりやすいシーンによって。
観客は冷や水を浴びせられたように驚き、全てを悟ります。
知らないのはトムだけ。
このラストは上手いっ。
音楽がいつまでも耳に残る。切なすぎる旋律です。

PLEIN SOLEIL  (1960)
 監督 ルネ・クレマン
 アラン・ドロン マリー・ラフォレ モーリス・ロネ エルヴィール・ポペスコ
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ken

今となっては「ありえねー」な展開が多過ぎて、ちょっと失笑気味なところも
ある映画ですが、今から60年近く前と思って観ると、いろんなことが許せて
面白味が滲み出てくる映画だと思います。
「ああ、太陽がいっぱいだ」
というラストのセリフも、ギリギリといえばギリギリでしたよね(笑)。
by ken (2009-04-27 02:39) 

てくてく

kenさん。
こんばんは^^
ははは、確かにそうかもしれませんね~。
そう言われて考えてみれば、
こういうジャンルって結構難しいのかも?
恋愛や人間ドラマみたいに普遍的なテーマの方が
多少時代を超えても無理なく見られるのかもしれないですね。
でもやっぱり滲み出るものは、ありますよね~^^
nice!&コメント、ありがとうございます。

takemoviesさん。
こんばんは^^
いつもnice!をありがとうございます。

shinさん。
こんばんは^^
いつもnice!をありがとうございます。

xml_xslさん。
こんばんは^^
いつもnice!をありがとうございます。

エイジさん。
こんばんは^^
いつもnice!をありがとうございます。

てぷこだんさん。
こんばんは^^
いつもnice!をありがとうございます。
by てくてく (2009-04-27 23:55) 

虹子

中学生ぐらいの時にTVで観たきりです。
細かいところは忘れていました。
最後がやっぱり印象的。
「この人、これからどうなるんだろう・・」と思った記憶があります^^;
それにしても毎日にの更新!
ネット通じてなくても、書きためていた感じですね^^v
そうだ!今日やっと「レッドクリフ」に行きます!
見たらまた遊びにきますね♪
by 虹子 (2009-04-28 08:07) 

てくてく

虹子さん。
こんにちは^^
私も1度、大昔にテレビで観たことがあったけど、
ほとんど憶えてなかったですね^^;
最後の最後に、“あぁ、そう言えば!”って。

ンフフ、バレちゃいましたか~?
お察しの通り、休んでいた間の記事です^^
私にしては怒涛のような連続更新、自分でもビックリ!?
「レッドクリフ」、行ってらっしゃい♪
また、遊びに来てやって下され~(^^)/
nice!&コメント、ありがとうございます。
by てくてく (2009-04-28 08:52) 

おぉ!次郎

 何度か観賞しています。完全犯罪へのステップが台詞少ないシーンで演出されていた覚えがあります。(違ったかな?)
 主人公が完全犯罪に向かって日々を過ごしていく内容だったような?そんな主人公のシーンをテーマソングが悲しそうに演出していた印象がありました。

by おぉ!次郎 (2009-04-29 20:32) 

てくてく

おぉ!次郎さん。
こんにちは^^
そうですね、中盤からは
自信家で自意識の高い主人公が
着々と犯罪を進めていく様が描かれていました。
音楽はとても哀しそうで、耳に残る名曲ですね^^
nice!&コメント、ありがとうございます。
by てくてく (2009-04-30 09:52) 

Betty

デーモン版を観たのですがアラン・ドロン版も気になっていました!
殺されるフィリップが、本当に嫌な奴なんですよね><;
リメイク版ではジュード・ロウが好演していたのを思い出します。
音楽が耳に残るのですか!わたしも観たいと思います(^▽^)v
by Betty (2009-05-01 22:10) 

てくてく

Bettyさん。
こんばんは^^
私も「リプリー」、前に観ました。
はっきりとは覚えてないけど、
マット・デイモンの役柄にイライラした記憶が・・・^^;
何でだったんだろう??
もう一回、見直してみようかな?「リプリー」。
nice!&コメント、ありがとうございます。

by てくてく (2009-05-03 01:03) 

きさ

「リプリー」はリメイクというよりは原作に忠実な再映画化です。
マット・デイモンの役は厭な役なのでイライラして当然かと。
映画としては「太陽がいっぱい」の方が良くできているかな。
by きさ (2009-05-04 09:45) 

てくてく

きささん。
こんにちは^^
こちらにもコメント、ありがとうございます。
マット・デイモン、原作ではイヤな役だったのですね。
だからイライラしたのか^^なるほど。
nice!&コメント、ありがとうございます。


by てくてく (2009-05-08 12:45) 

きさ

まあ厭な役っていうか異常なヒトっていうか。
ちょっとネタバレですが、原作は続きがあり、あの主人公はその後の作品にも登場します。
映画化もされていて「アメリカの友人」ではリプリー役はデニス・ホッパーが演じています。

by きさ (2009-05-09 07:44) 

てくてく

きささん。
こんにちは^^
あの後の続きですか?
「太陽がいっぱい」とはやはり別物と言う感じですね^^
「太陽がいっぱい」はあのラストで終わるから、
上手いと思えますもんね。
再びのコメント、ありがとうございます。

Morimoさん。
こんにちは^^
いつもnice!をありがとうございます。
by てくてく (2009-05-11 12:50) 

ハーポ

 懐かしい映画でしたのでコメントさせていただきますです。
リプリーを主人公とした物語は何作かあると読みました。
また本作太陽~は、製作時の倫理観(悪いことをした者はムクイを受ける)
であのようなラストになったと読みました。
by ハーポ (2009-12-19 23:19) 

てくてく

ハーポさん。
こんばんは^^
コメントを頂いた中にも、
リメイクであったり、違う話であったりと
リプリーが主人公の話は、他にもあるみたいですね^^

それにしても、ラストの見せ方は衝撃的でした~。
コメント、ありがとうございます。
by てくてく (2009-12-20 02:17) 

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