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それでも恋するバルセロナ [映画 *さ]


それでも恋するバルセロナ [DVD]
「それでも恋するバルセロナ」、観ました。

スペイン・バルセロナを舞台に、絡まる男女の恋模様をコメディタッチで描く。
ウディ・アレン監督作。

ひと夏のバカンスを過ごすためバルセロナを訪れた2人のアメリカ娘。
1人はヴィッキー、結婚を控えた彼女は何事にも慎重に対処する堅実派。
もう一方のクリスティーナは自由奔放だが自分が何をすべきか漠然とした悩みを抱えている。
画家のアントニオとの偶然の出会いが、彼女達のバルセロナの夏を艶やかに彩っていく・・・・。

旅行者でありながらひと夏という一定の期間、腰を据えて旅先で過ごすという所が羨ましい。
数日間の慌しい観光旅行と違い、きちんと生活しているという感じでした。
異国の地の文化に触れながら、いい刺激を受けて過ごす毎日に憧れの眼差しを送ってしまいました。
また、バルセロナの街並みが芸術と歴史がぎっしりと詰まっていて、素敵~。
ここで芸術家のアントニオと知り合ったことで、更に2人の日々は濃いものになっていくんです。

アントニオは「ノーカントリー」の不気味な殺し屋役が印象的だったハビエル・バルデム。
彼は出会って直ぐに、ぶしつけな提案を申し出て2人を驚かせますが、やがて情熱的な魅力を振りまき彼女達を夢中にさせてしまうのです。

そして、そこにもう1人、曲者が登場して恋愛絵巻を盛り上げます。
アントニオの元妻・マリアその人で、彼女はアントニオの上を行く芸術家肌の美女であり、感情の起伏が激しいエキセントリックな面も持っています。
この4人を主軸に、ひと夏をバルセロナで過ごしたヴィッキーとクリスティーナがやがてアメリカに帰国するまでを描いた物語です。

今回も、ウディ・アレン監督が得意とする絶妙な会話劇が流れるように展開されていました。
バカンスが終わって帰国する二人の姿に、結局この話って何が言いたかったんだ?と思わなくも無いけど^^;、会話の妙を楽しみながら、全く飽きさせずに観せるところが凄い。
彼の描く映画には、洗練という言葉がピッタリ。
それとやっぱり、監督自身は画面に出ない作品の方がより好みだと確信しました。

それにしても元妻役のペネロペ・クルスの存在感は天晴れでしたね。
母国語であるスペイン語を捲くし立てる姿は水を得た魚のよう。
コロコロと転がるようなスペイン語のリズムがコミカルさも感じさせて、それがマリアの魅力の一つになっていました。
綱渡りのように危うげで脆い精神状態だけど、逞しくて美しい魅力も持った女。
ペネロペが見事に体現していました。
クリスティーナ役のスカちゃんも大好きだし、ヴィッキー役の女優さんも全然悪くなかったんですが、ペネロペが画面に出た途端、かすんでしまった感は否めない。
女優として格が上、すっかり貫禄が備わりましたね。

VICKY CRISTINA BARCELONA  (2008)
 監督 ウディ・アレン
 スカーレット・ヨハンソン レベッカ・ホール ハビエル・バルデム
 パトリシア・クラークソン クリス・メッシーナ ペネロペ・クルス
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