SSブログ

情婦 [映画 *さ]


情婦 [DVD]
「情婦」、観ました。

アガサ・クリスティ原作「検察側の証人」の映画化。
監督は「麗しのサブリナ」、「アパートの鍵貸します」のビリー・ワイルダー。

ロンドンきっての腕利き弁護士・ウィルフリッド卿のもとに依頼人が訪れる。
ヴォールと名乗る男は、自分に資産家の未亡人殺しの容疑が掛けられているが無実である、とウィルフリッドに助けを求める。
ヴォールのアリバイを証明できるのは妻のクリスティーネただ1人。
ヴォールの無実を信じたウィルフリッドは弁護を引き受ける。
ところがいざ、法廷が開廷されるや、検察側の証人として現われたのは他でもないクリスティーネ。
彼女は思いもよらない証言を語り始め・・・。

記事を書こうとしてDVDを検索してみたら、ジャケットの写真がお色気ありますね~^^
断っておきますがこの映画、“法廷ドラマ”です。
はて、こんなシーンあったかしら?・・・としばし考えてしまいましたが、あった、あった、ありました。
殺人容疑をかけられたヴォールと、彼の妻であるクリスティーネの出会いの場面の回想です。
大戦中、ドイツに駐留していたヴォールが偶然入った酒場のステージで歌っていたのがクリスティーネ。
その時のシーンでした、食べるのにも困っているクリスティーネに“コーヒーはどうだい?”、“砂糖は?”なんて言いながら意気投合(?)してしまう。
彼女の魅力に参ってしまったヴォールは、クリスティーネと共にロンドンに帰国、そして結婚となった訳なんですが、思い当たるお色気シーンらしきものはここのみ。
あとは恰幅のいいウィルフリッド弁護士が活躍する法廷劇です。

ウィルフリッド卿は重病からの病み上がりの身体で、この弁護を引き受けます。
それもこれも、ヴォールの人柄がウィルフリッドの眼鏡にかなったから(←文字通り、観たらお分かりかと^^)。
体調を気遣ってまくし立てる付き添い看護師の注意も聞かず、徐々に弁護にのめり込んでしまう弁護士。
どうやらヴォールはひょんなことから知り合った未亡人と親しくするうちに、殺人事件に巻き込まれてしまったらしい。
状況証拠はヴォールに不利。
そんな彼のアリバイを証明してくれるのはクリスティーネだけなのだが、家族の証言と言うこともあってウィルフリッドは彼女の出廷を見合わせる。
ところが、愛妻は検察側の証人として出廷し、あろうことか夫に不利な証言を始めてしまうのです。
これは一体どういうことか、事件の真相はどこにあるのか?

惹き込まれた!
法廷ドラマってやっぱり面白い。
百戦錬磨の敏腕弁護士・ウィルフリッドの采配も見事。
心理的に揺さぶりをかけるのが上手い。
裁判を通して明らかになるヴォールとクリスティーネ夫婦の知られざる一面。
分かりそうで分からないモヤモヤの向こうにある真実に振り回されました~。
最後の最後まで、気を抜けなかったです。

マレーネ・デートリッヒって名前だけは知っていたけど、映画を観るのは初めて。
個性的な魅力がある人ですね。
一見、冷めているけど内にものすごい情熱を秘めた女性を熱演でした、脚線美もお見事^^

ウィルフリッド卿と付き添い看護師のやり取りが、この作品にコミカルなエッセンスを加えていました。
・・・と言ってもずっと、うるさいオバサンだな~、なんて思ってたんですが(スミマセン^^;)
ラストでは、ウィルフリッドの一番の右腕なのはこの看護師だったんだ!と気付かされて妙に微笑ましかったし、ちょっと救われた気分になったかも。

エンドロールが流れる中、“この映画をまだご覧になってない方のために、ラストは話さないで下さい。”というお願いが流れてビックリ!
そんな「シックスセンス」みたいな事、1957年からやってたんですね~!

WITNESS FOR THE PROSECUTION  (1957)
 監督 ビリー・ワイルダー
 タイロン・パワー マレーネ・デートリッヒ チャールズ・ロートン
 エルザ・ランチェスター ジョン・ウィリアムス ヘンリー・ダニエル
 イアン・ウォルフ ユーナ・オコナー トリン・サッチャー
nice!(12)  コメント(7)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。