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ウディ・アレンの夢と犯罪 [映画 *あ]


ウディ・アレンの夢と犯罪 [DVD]
「ウディ・アレンの夢と犯罪」、観ました。

金のために犯罪に手を染めたことで、破滅への道をたどる兄弟の姿を描いたサスペンス。
ウディ・アレン監督作品。

実家の稼業であるレストラン経営を手伝いながらも、ビジネスの世界での成功を夢に見る兄のイアン。
彼は理想の恋人・アンジェラと出会った事で、予てから計画していた投資事業を本格的に始めようとする。
一方、気が優しい弟のテリーは自動車修理工として働きながら恋人と家庭を築くことを考えていた。
テリーは酒とギャンブルが大好きで、ドッグレースで大勝した大金を注ぎ込み兄と共に中古のヨットを手に入れる。
“カサンドラズ・ドリーム号”と名付けられたヨットは兄弟の夢の実現への第一歩に思えたのだが・・・。

テリーがポーカーで大変な借金を抱えてしまったことから、兄弟に暗雲が立ち込め始めます。
この窮地を乗り切るために、2人はアメリカで成功を収めた伯父に助けを求める。
イアンは投資の元手となる資金の無心、テリーは借金返済のための無心。
2人の申し出を受ける代わりに、伯父からも交換条件を出される、それは伯父のビジネスの邪魔になる男を消して欲しい・・・というトンでもないものだった。

物語は始まった時から破滅への階段を一歩一歩下りて行くように、不安な気持ちを煽る。
伯父からの申し出に葛藤しながらも、どうしてもお金が必要な兄弟は犯罪の実行を決めるのです。
特に兄のイアンは成功への執着が強く、恋人に対する虚栄心もあってどうしてもお金が欲しい。
弟のテリーは気弱な面があって、兄よりもずっと振り幅の大きな葛藤に揺れるのですが、やはり借金からは逃れられないと腹を据えるのです。

ユアン・マクレガーとコリン・ファレルが兄弟を演じています。
兄を演じたユアンはちょっとええカッコしいの野心家を上手く表現していました。
弟のコリン・ファレルが今回はすごく良かった。
コリンってイケメンの役よりも、こういう少し三の線の入った方が似合うんだ。
あの下がりまゆ毛を一層下げて、ビクビクと怯える姿が今までのコリンと違っていて新鮮でした。
真面目で気の優しい市井の人もいけるんですね、意外な魅力の発見って感じ^^

「マッチポイント」、「タロットカード殺人事件」に続くウディ・アレンのロンドン3部作の最終章、という位置づけらしい。
とは言っても、それぞれに独立した物語です。
どの作品も歴史あるロンドンの街並みと、郊外ののどかな田園風景が楽しめる。
物語の醸し出すシリアスな雰囲気は「マッチポイント」に共通するのかも。
兄弟の行き着く先に希望は無い、とそれは予想が付くので、一体どんな悲劇的で皮肉なラストへと導かれるのか?が非常に気になった。
ヨットつながりでそれこそ「太陽がいっぱい」級の締めくくりを期待していたのですが、思ったよりかはあっさりとしていた。
それでも、皮肉なことに変わりは無いが・・・。

ウディ・アレン監督らしい小気味良い台詞の応酬、画的にもセンスが散りばめられていて、いつも楽しめます^^

CASSANDRA’S DREAM  (2007)
 監督 ウディ・アレン
 ユアン・マクレガー コリン・ファレル トム・ウィルキンソン
 ヘイリー・アトウェル サリー・ホーキンス フィル・デイヴィス
 ジョン・ベンフィールド クレア・ビギンズ
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