シェルブールの雨傘 [映画 *さ]
「シェルブールの雨傘」、観ました。
若いカップルのジュヌヴィエーヴとギイ。
傘屋の娘のジュヌヴィエーヴは母親と2人暮らしで、店を手伝いながら暮らしている。一方のギイは叔母に育てられ、自動車整備工として働いている。
愛し合う2人だったが、ジュヌヴィエーヴの母親は交際に反対。
そんな折、ギイに徴集礼状が届き戦地に出兵することになってしまう・・・。
港町シェルブールを舞台に、恋人達の愛と別れを描いたミュージカル。
切なすぎる~~(;ヘ;)
胸を締め付けるような切ない旋律がドラマティックなストーリーに拍車をかけます!
全編、歌で綴られた若い恋人たちの悲しい恋の物語。
最近はミュージカル映画といっても台詞は普通に喋ってて、歌のパートと分かれているものが多っかたと思う。
こんな風にホントに全ての台詞が歌っていうのは、考えてみたら初めてかも?
離れ離れになる2人が、相手に対する熱い胸の内を歌った代表的な楽曲は、多分誰もが一度は耳にしたことがあるだろうと思う1曲なのであります。
今回は公開から45周年を記念し、今年1月に劇場公開されたデジタルリマスター版をDVDで観賞。
上のDVDのジャケットにもなっている写真を、前にネットで見た私はてっきりこの作品が“リメイク”されたのかと勘違いしてしまいました。
それ程、カトリーヌ・ドヌーヴのメイクやファッションが今時に見えたのです。
本編でも同じ事が言えて、パステルを基調としたジュヌヴィエーヴの衣装、鮮やかな色のコントラストがお洒落なセットの数々(花模様の柄の壁紙なんかも可愛い~^^)
飛び切りのセンスに彩られた本作を観て、この作品もまた時代を超えて通用する映画なんだと思ったのでした。
永遠の愛を誓った若い2人は、その後の試練を乗り越える事なく別れを迎えます。
“どうしてもう少し待てなかったのか?”と、ジュヌヴィエーヴに対して思わなくも無かったのですが、彼女を取り巻く様々な状況を思えば、しっかりと足元を固める前に離れ離れになった若いカップルの絆が、途切れていくのも致し方なかった、という事なのでしょうか。
そうして別れてしまった恋人達が、数年の時を経て再会するラストは切なさのボルテージもマックスに。
今は違う道を行く2人。
相手への消せぬ思慕を抱きながらも、ギイのジュヌヴィエーヴに対する接し方は潔いものでした。
それは、すでに手に入れた大切な物を守らねばならない、家庭人の姿。
彼の行動を尊重するかのように、ジュヌヴィエーヴもまたギイに倣った行動をとるのです。
おそらく2人の心の奥底に存在する、いつまでも忘れられない大切な人への愛。
その思いを仕舞い、それぞれの道を歩き出すラストでもあのメロディが流れ、より一層切なさに拍車がかかるのです。
LES PARAP LUIES DE CHERBOORG (1964)
監督 ジャッグ・ドゥミ
カトリーヌ・ドヌーヴ ニーノ・カステルヌオーヴォ マイク・ミシェル
エレン・ファルナー アンヌ・ヴェルノン
スモーク [映画 *さ]
「スモーク」、観ました。
ブルックリンの街角で煙草屋を営むオーギー。
彼は毎朝8時、店の前の風景写真を撮るのを14年間も日課にしてきた。
オーギーの店に訪れる作家のポールは、数年前に妻と子供を亡くしてからスランプに陥っている。
車に轢かれそうになったポールを助けた黒人少年ラシードは、お礼にとポールの部屋に泊めてもらう事に。
オーギーの煙草屋を中心に、そこに集う人々の人生が交錯する様を描いたヒューマンドラマ。
近頃では愛煙家の方たちにとって、外で煙草を吸える場所が減りましたね。
駅を始め様々の公共機関、企業やレストランも、禁煙(分煙?)の所が殆どに。
うちのダンナkunも煙草を吸うので、出掛けた時は喫煙コーナーを探すのに一苦労です^^;
この映画が作られたのは1995年、そして物語の本筋の舞台となるのが5年遡った1990年。
故にその頃はまだ、今ほど“禁煙”という流れが主流では無い時代だったのでしょうね。
登場人物たちは皆、美味しそうに煙をくゆらせ煙草を吸っています。
オーギーの煙草屋は、雑誌やなんかも置いてあるような街の雑貨屋さんって感じ。
だけど、裏では禁止されているキューバ産の煙草なんかもさばいちゃったりして、チョイ悪オヤジな雰囲気のオーギー^^
そんな彼の日課と言うか、人生を掛けていると言っても良いのが朝8時の写真撮影。
14年間、一度も欠かさずに、しかも撮るのは1日にたったの1枚だけ。
彼のアルバムに張られた4000枚もの写真は、彼の人生の集大成でもあります。
オーギーの親友であり作家のポールは、数年前に起った悲しい事件で、妻を失った。
それは彼から未来を奪ったも同然で、気力をなくした彼はスランプの真っ只中。
煙草屋を訪れたポールは、オーギーからアルバムを見せてもらいます。
無数の写真はどれも店の前から見たアングルで、ポールには違いが分からない。
しかし、オーギーはポールに“ゆっくり見ろ”と語りかけるのです。
このオーギーの店を軸に、登場する人物達を交差させながら、彼らの身に起る日常を描きます。
どんな人生にもドラマが存在し、それを生きている主役がいる、同じ物は二つとない。
オーギーが撮った無数の写真。そこに写り込んだ、街を行く名もなき人たち、そして彼らの人生。
それを思えば、同じような写真でも同じ物は二つとないのでしょうね。
タッチとしては淡々としていて、映画自体も落ち着いた大人な印象。
“スモーク”ってタイトルがピッタリの作品でした。
最後のクリスマスのエピソードも、煙草のようにほろ苦くもあり、至福の一本のような暖かさもあり・・・。
日常を生きる人達の姿を切り取ったヒューマンドラマ、こういうの好みなんですよね~^^
SMOKE (1995)
監督 ウェイン・ワン
ハーヴェイ・カイテル ウィリアム・ハート ハロルド・ぺリノー・JR
フォレスト・ウィッテカー スットカード・チャニング アシュレイ・ジャッド
シャッフル [映画 *さ]
「シャッフル」、観ました。
夫と2人の娘と暮らすリンダはある日、出張中の夫が事故死したと知らせを受け、呆然とする。
駆け付けてくれた母と、娘たちと共に悲しみに暮れる1日が過ぎた。
目覚めると死んだはずの夫・ジムが、いつも通りに身支度を整えて出勤準備をしていた。
驚くリンダを不可解な出来事が次々に襲う・・・。
目覚めるたびに辻褄の合わない一日が始まる。
最愛の夫を亡くしたショックも癒えないまま、リンダの身に起こる不思議な出来事。
まるでパズルのピースのように、バラバラで脈絡のない1日、また1日。
やがて過ぎ行く毎日が、どんな意味を持っているのかに気付き驚くリンダ。
はっきり言って激しくネタバレしている日本版タイトル・・・^^;
劇場で流れていた予告も、記憶している限りでは(ネタバレ、反転 事故の前後1週間の1日1日が“シャッフル”している)事を堂々と流していたような。
前に予告編を観ていたのもあって、私もリンダに起った不思議な現象が何なのかはすぐ分かりました。
でも、(シャッフル)してると分かっても、それがどういう経緯を経てどの結果に繋がっているのか・・・と言うのは直ぐには分からない作りには、なってましたね~。
あの激しいネタバレも、ストーリーを楽しむ上では許容範囲内ってことでしょうか??^^;
作品から感じ取るイメージは、ホラーチックなサスペンス・・・だけど、最後まで観たら意外と夫婦愛の切ない愛のお話でもありました。
ぶっちゃけもっと“ツマらないんじゃないか”っていう、変な先入観があったんですが、そこまででも無かったです。
昨日の夜、遅くに観始めて結局最後まで一気に観てしまいました。1時45分、終了・・・。
おかげで今日は居眠りしちゃった^^;オイッ!。
でも、でも、「プリズンブレイク」のアブルッチや、「24」のマイク大統領補佐官が出演してて、何となく“ちょっと豪華なTVドラマ”って感じがしなくもなかったかも~(笑)
PREMONITION (2007)
監督 メナン・ヤポ
サンドラ・ブロック ジュリアン・マクマホン ニア・ロング
アンバー・ヴァレッタ ピーター・ストーメア ジュード・チコレッラ
その土曜日、7時58分 [映画 *さ]
「その土曜日、7時58分」、観ました。
一流企業のエリートとして優雅な暮らしをしているかに見えるアンディだが、その実、彼は人知れず金に困窮する立場に陥っていた。
一方、弟のハンクは離婚した元妻から娘の養育費を請求されているが、何ヶ月も払えずにいる。
そんな状況の中、兄は弟にある話を持ち掛ける。
“両親が経営する宝石店を襲い、金品を強奪する。”
店の内情を知り尽くした2人が失敗するはずはなく、例え被害にあったとしても保険を掛けているのだから、とアンディはハンクに囁く。
そして決行の日、事態は兄弟が思うものとは違った方向へと転がり始める。
あらすじだけ読むと、犯罪サスペンス&アクション物かな?と言う感じですが・・・。
ズバリ、これは究極の「“家族崩壊”(←ネタバレか?反転しときます^^)を描いた心理ドラマ・クライム仕立て」と言ったところ。
まずは事件が起こるまでを、一通り見せておきます。
それから時間経過を遡り、それぞれの登場人物の角度から、違った視点で事件を振り返る、と言った構成の物語。
始めは何気に見ていたシーンが、後になってこういう風に繋がっていたのか、またその時の登場人物たちの心情はこうだったのか・・・と気付き、やがてこの事件を多面的に捉える事が出来る仕組み。
そして、事件の奥にあった家族間の歪みを浮き彫りにしていきます。
フィリップ・シーモア・ホフマンは上手いな~。
彼のこれまでの父親との関係とか、弟に対する思いとか、劇中で具体的に描かれる訳ではないのです。何となく匂わせてますよ~っていうのを、こっちが想像するんだけど。
それでも彼が見せた“車中での泣きの場面”が、今まで抱えてきたモノの深さみたいなのを表現していたのでは。
弟のハンクのイーサン・ホークも、ホントに良い塩梅の不甲斐なさと、次男坊らしい可愛さというか、憎めなさみたいな雰囲気がピッタリだと思いました。
基本的に“楽しい~”っていう作品じゃないです。
コーヒーで言うならブラック、チョコレートならビター、みたいな。
結構、苦い作品だな~と思いました。
BEFORE THE DEVIL KNOWS YOU’RE DEAD (2007)
監督 シドニー・ルメット
フィリップ・シーモア・ホフマン イーサン・ホーク マリサ・トメイ
アルバート・フィニー ブライアン・F・オバーン ローズマリー・ハリス
最強☆彼女 [映画 *さ]
「最強☆彼女」、観ました。
女子大生ソフィは、伝統ある武術“武林”の跡継ぎで幼い頃から天才と言われていた。
大学では“怪力部”に入り、無敵とも言える強靭な身体に、周りの学生からは引かれ気味・・・。
そんな彼女が、バイクに跨って颯爽と現れた先輩・ジュンモに一目ぼれ。
強い女はモテナイからと武術を封印し、普通の女子大生になろうと決心、彼へのアタックを開始。そんな折、幼馴染みで同じく武術家のイリョンがソフィを訪ねてやってくる。
「猟奇的な彼女」、「僕の彼女はサイボーグ」のクァク・ジェヨン監督作。
いつものラブコメ路線に、武術アクションをミックスさせた本作。
結論から言うと、微妙な作品・・・でした^^;
物語の前半、気は優しくて力持ちのソフィがイケメンの先輩に恋をして、彼に近づこうとする姿をコメディ・タッチで描きます。
そこに幼馴染みのイリョンが現れ、イリョン→ソフィ→ジュンモという三角関係の図式が生まれます。
おまけにジュンモは母親ほど歳の離れた婦警に恋をしていて、ソフィを相手にしてくれない。
この辺りのゆる~い笑いを含んだ展開は、まずまず面白かったと思うのです。
ソフィを演じたシン・ミナがキュート。
顔だけを観ていると童顔で可愛い印象ですが、手足が長くスタイルがすごく良いのです。
今回はワイヤーや剣を使ってのアクションなど、なかなか頑張っていたと思う。
ソフィの母親役も彼女が二役で演じていたのですが、雰囲気を変え、見事な剣さばきをみせていた、映えるな、という感じ。
後半になると“武林”伝統の剣“清明剣”を盗み出し、反逆を起こした最強の敵・フッポンと、それに唯一立ち向かえる“芙蓉美剣”の技を習得したソフィとの対決がメインになります。
その宿敵フッポンが実は・・・というサプライズもあるのですが、なんだかこの対決のシーンがまったくはまれませんでした。
ワイヤーを多用して、幻想的なイメージにこだわって作っているのは分かるのですが、なんだかそこだけ取ってつけたような印象。
画面の中では必死で戦ってるんだけど、こちらには伝わってこず熱くなれなかった。
前半あれだけ描いていたソフィの恋も、尻切れトンボ状態。
ジュンモのキャラが中途半端で、生かしきれてないような気がしました。
ジュンモと婦警とのエピソードも、考えて見れば蛇足が多い。
(回想シーンのように、事故現場から婦警がジュンモを助け出すシーンが挟まれたりしたのですが、アレって必要?2人の馴れ初めを示すシーンなの?別に後に本編に絡むエピソードでもないし、要らないと思います)
あと、チャ・テヒョンを登場させるのも“?”。
「僕の彼女を紹介します」にも彼を登場させていましたが、何かのげん担ぎ?
いつも思うのですが、色んなエピソードを詰め込みすぎる傾向があるかも。
監督のサービス精神は分かるのですが、それがプラスにはならない場合も。
ひとつ目を見張ったシーンがあって、それは“武林”の師匠が住む地区が再開発され立ち退きを迫られる場面。
実際に再開発中の地区で撮影したのでしょうか?
古い町並みが半分は瓦礫になっていて、それが丘の上に存在するのですが、そのシーンのロケーションは何ともいえない臨場感がありました。
そこで戦っている武術は、ゆる~いギャグみたいでギャップがあるんすけどね^^;
全体的にバランスの悪さを感じる、そんな気がしました。
MY MIGHTY PRINSESS/무림여대생 (2008)
監督 クァク・ジェヨン
シン・ミナ オン・ジュワン ユゴン イム・イェジン チェ・ジェソン
スルース [映画 *さ]
「スルース」、観ました。
推理小説家・ワイク(マイケル・ケイン)の屋敷に1人の男が訪ねてくる。
彼はティンドル(ジュード・ロウ)、ワイクの妻の浮気相手である。
ティンドルは悪びれずに「奥さんと離婚して欲しい」と切り出す。
そんな彼にワイクはある提案をする。
“屋敷の金庫に保管してあるネックレスを盗み出して欲しい”
提案を呑んでくれたらネックレスはティンドルの物に、その上離婚にも応じると言うのだ。
マイケル・ケインとジュード・ロウの2人芝居。
初老の小説家ワイクの豪邸がまるで舞台と化し、そこで妻を寝取られた夫と浮気相手が、不思議なお芝居を上演しているような雰囲気が漂います。
古めかしい外観とはうって変わって、モダンな内装のワイクの屋敷も、舞台装置さながらに色んな仕掛けが飛び出す。
映画でありながら舞台劇を観ている様な、一風変わった作品であります。
ベストセラー作家で裕福なワイク。
妻には欲しがる物は何でも与えられると豪語します。
一方、浮気相手のティンドルは、自分達には愛が存在すると語る。
ワイクの目から見ても、確かに魅力的な男・・・。
2人の話し合いは、ワイクが思いがけない提案を出した事から、おかしな方向へと動いていきます。
ストーリーも意表を突くもので、一言で言えば“キツネとタヌキの化かし合い”!?
(この場合、ジュードがキツネでケインがタヌキ?・・・あくまで個人的印象です~^▽^お許しをっ)
ある意味この2人、奇妙な連帯感で繋がった運命の人って感じ??
2人の演技力で、あやしい世界に浸ることが出来ました。
なんとこの作品、72年の「探偵スルース」という作品のリメイクで、そこではマイケル・ケインの方が浮気相手を演じていたそうです!!
そちらも観てみたいですね~。
SLEUTH (2007)
監督 ケネス・ブラナー
マイケル・ケイン ジュード・ロウ
スラムドッグ$ミリオネア [映画 *さ]
「スラムドッグ$ミリオネア」、観ました。
本年度アカデミー作品賞、監督賞をはじめ各賞を受賞した本作。
待ちに待ったという感じで、こちらではやっと土曜から公開。
本日、映画の日ですね、さっそく行って来ました^^
クイズ番組“ミリオネア”に出演したジャマールは、次々と正解し見事に勝ち進んでいく。インドのスラムで育った無学の青年が、何故ここまで正解できるのか?
疑いの目を向けられるジャマール。
彼は一体どうして答えを知っているのか、また、どうしてこの席に座っているのか、それは・・・。
うぅぅーーーわぁ!!
生命力と躍動感がスクリーンにほとばしります。
久々に自分の中で鼓動が響くと言うか、テンションが上がりました!
日本でもお馴染みのクイズ番組、ミリオネア。
以前にも「ぼくの大切なともだち」という映画で、劇中にミリオネアが出てきて驚きましたが(それはフランス版でした)、世界各国でTV放送されている、超有名なクイズなのですね。
今回はインドですがルール等はお馴染みなので、クイズの場面は何の問題もなく映画の中に入り込めると思います。
そして物語がジャマールの幼少時代へと移ると、言いようのないパワーに震えます。
スラム街で逞しく生きる子供達の中に、ジャマールの姿も。
この街はありとあらゆるものを、轟々と音を立てて呑み込んでしまう様な、そんな力を持っているみたいな気がしました。
群がる人々と、雑踏と、土埃と、汗と脂と・・・生活の臭いがむせ返るよう。
そんなリアルさが、画面を通して迫って来ます。
物語が進むにつれ、ジャマールに対する疑惑も全て解き明かされていきます。
とても解り易く・・・その見事な構成に拍手を送りたい!
(あんまり言っちゃって面白さ半減するといけないので、この位で・・・)
作品自体になんかこう、力が漲っているように感じました。
圧倒されたぞ~。
音楽もイイ!!
SLUMDOG MILLIONAIRE (2008)
監督 ダニー・ボイル
デヴ・パテル マドゥル・ミックル フリーダ・ピント
アニル・カプール イルファン・カーン
アーユッシュ・マヘーシュ・ケーデカール
アズルディン・モハメド・イスマイル ルビーナ・アリ
シューテム・アップ [映画 *さ]
「シューテム・アップ」、観ました。
偶然、怪しげな男達に追われる妊婦を見かけて助けに入るスミス。
激しい銃撃戦の中、妊婦は赤ん坊を残し死んでしまう。
謎の一味に命を狙われる事になってしまったスミスは赤ん坊を連れ、彼ら相手に壮絶なバトルを繰り広げる。
謎の一味に追わている、スミスの方がさらに謎の男です。
なんたってこの男、拳銃を撃たせたら右に出るものがいないほどの凄腕。
多勢に無勢も何のその、バッタバッタと敵を仕留めていっちゃいます。
さらに、ものっ凄い観察眼の持ち主で、その場の状況を瞬時に見極めあらゆる物を使って戦います。
撃って撃って撃ちまくる。
いや~、もう、まるで漫画^^
ありえなーいっ、ていう状況も、ありえなーいアクションで切り抜けます。
スタイリッシな映像。
・・・なんだけど、演じている役者さん達がいわゆる“二枚目”って感じじゃないのが面白かった。
主人公スミスは強面のクライヴ・オーウェン。
一見、怖そうだけど公共マナーを重んじる所があったり、情があったり。
対する謎の一味のリーダーはポール・ジアマッティ。
この人は気の弱いお人よし・・・ってイメージだけど、今回はかなりヤバイ感じの男。
それにモニカ・ベルッチが加わって、結構、濃いですよね^^
とにかく銃撃戦が凄い。
観てる間中、なんかどっかが痛かった。
しかも夜中だったので、TVの音量に妙に気を遣ってしまいました(笑)
“まるで漫画”と書きましたが、思いっきり大人向けです、念のため^^
SHOOT’EM UP (2007)
監督 マイケル・デイヴィス
クライヴ・オーウェン ポール・ジアマッティ モニカ・ベルッチ
スティーヴン・マクハティ グレッグ・ブリック
さよなら。いつかわかること [映画 *さ]
「さよなら。いつかわかること」、観ました。
スタンレーは12歳半と8歳の2人の娘と暮らす父親。
母親・グレイスは兵士としてイラクに派遣されている。
ある日、妻が任務中に死亡したとの知らせが届く。
動揺するスタンレーは、その事実を娘達に告げることが出来ない。
そして彼が起こした行動は、娘と共に車に乗り、旅に出ること。
仕事も学校も休んで、目指す場所は次女の行きたがっていた遊園地だった。
スタンレーと妻は軍隊で出会い、結婚。二人の娘をもうけます。
ある理由があってスタンレーは除隊。
妻は戦地、スタンレーが娘と共に暮らしています。
少し気難しい中年男。上の娘は大人びつつあり、接し方もぎこちない感じです。
突然起こった哀しい出来事に、茫然自失。
彼自身、妻の死を受け入れることなど出来るはずもなく、ふいに旅に出ます。
いつもと違う父を訝りながらも、はしゃぐ妹。
姉は時に冷静な目で、父親を見つめます。
先日「1408号室」での一人芝居があっぱれだったジョン・キューザック。
役作りのため、少し体重を増やしているのでしょうか?
贅肉の付いて来た中年男を、黙々と演じています。
そもそも自分が除隊という事にならなければ、母親は家にいたであろうし、子供が母親を奪われてしまう事もなかっただろう。
自身に不甲斐なさのようなものを感じていて、苛立ちを持ちながら、でもそれを隠して暮らしていた彼。
世界を守る事が自分達のやるべき事だという信念を持っていた彼ですが、近頃のTVは“この戦争は正しかったのか”と報道する。
それでも踏ん張っていた彼の信念と自信は、ぐら付く。
妻を失った事実を告げられないまま続けるドライブ旅行の中で、娘達との距離を少しずつ埋めていく様子が描かれます。
思い悩む彼が妻に当てたメッセージは、不器用な男の素直な気持ちが伝わり、胸を打ちます。
旅を通して深まった家族の絆で、この悲しみを乗り越えて欲しい。
無邪気な妹も、大人びた姉も、父の姿を見て共に支え合って欲しい。
暖かくて優しい気持ちになれる作品。
静かで染み入るような音楽は、クリント・イーストウッドによるものだそうです。
[DVDで鑑賞]
GRACE IS GONE (2007)
監督 ジェームズ・C・ストラウス
ジョン・キューザック シェラン・ホキーフ グレイシー・ベドナルジク
アレクサンドロ・ニヴォラ マリサ・トメイ メアリー・ケイ・プレイス
Sweet Rain 死神の精度 [映画 *さ]
「Sweet Rain 死神の精度」、観ました。
死神の千葉は不慮の事故で死を迎える人のもとに1週間前に現れる。
そして相手を観察し、1週間後に生死の判定を下すのが役割だ。
彼が現れる時はいつも雨降り。
今回は27歳のOL、藤木一恵がその相手。
彼女は苦情係という仕事にも、生活にも疲れ果てていた・・・。
「レッドクリフ」の孔明役がとても素敵だったので、是非とも他の金城作品を観たい、と思いレンタルしました。
今回の金城武の役柄は、死神・千葉。
何というか、飄々として浮世離れした雰囲気が死神という役と嵌っていました。
時々人間界の言葉を理解できず、ダジャレのような受け答えをしてしまう困った所もあり。
最初はそのオヤジギャグが、どうにも上滑りしているように感じて、観ているこっちがこっ恥ずかしかったりしたのですが・・・。
それがいつしか気にならなくなり、途中からはそんな千葉が可愛く見えてしょうがなかった^^
物語は3部形式に分かれていて、時代もそれぞれ違うものになっています。
何気なく選ばれているように見える人選ですが、実は・・・というお話。
わざとなのでしょうか、先の展開はある程度読めるように作られていたと思います。
演出にもあまり目新しさは感じませんでした。
でも、私はこのちょっとゆっくりとした雰囲気とか結構好きでした。
最後も何となく優しい気持ちで終われるというか^^
そう思える一番の理由は、やっぱり金城武の魅力にやられた、というのが大きいと思うのですが。
最後にちょっと、(ネタバレかも、反転します。)
千葉と一恵の間には何か特別な縁があったのでしょうか?一恵の周りの人はいつも不幸な事故にあってしまう・・・という所で過去に千葉との関わりが何かあったのかな?と思ったのですが、特にそんな風でもなかったし。もしや原作ではその辺ふくらませたエピソードとかあるのかな?なんて考えちゃいました。ラスト、雨が上がり二人で青空を見上げる、という所も二人に特別な縁を感じずにいられなかったので。
あと一言、金城武は長髪よりも、短いさっぱりした髪の方が若々しくて素敵。
ある意味、彼の七変化も楽しめます(*^ー^*)
[DVDで鑑賞]
Sweet Rain 死神の精度 (2007)
監督 筧昌也
金城武 小西真奈美 冨士純子 光石研 石田卓也 村上淳
奥田恵梨華 吹越満