インビクタス／負けざる者たち

「インビクタス／負けざる者たち」、観ました。

南アフリカ共和国で黒人初の大統領となったネルソン・マンデラが、同国で開催されたラグビー・ワールドカップを通して、それまで差別により分かれていた国民の意識をまとめようと尽力する姿を描く。
クリント・イーストウッド監督、モーガン・フリーマン主演。

まず、最初に一言。
感動しました！
去年も「チェンジリング」、「グラン・トリノ」と素晴しい作品を発表した監督ですが、また一つ新たな感動を生み出してくれました。
意欲的に映画を製作し、その作品のどれも、水準の高さに驚かされっぱなし。
映画ファンとしてとても満足の行くものばかり、監督、尊敬します＾＾

1994年、南アフリカ共和国。
反アパルトヘイト運動で逮捕され、長きに渡り刑務所に収容されていたネルソン・マンデラが解放される。
彼は大統領選で勝利し、黒人初の大統領として国政に携わるようになります。
人種隔離政策によって白人と黒人との間には、根深く残る差別という壁。
この差別意識を取り除くために、マンデラ大統領が説いたのが赦し。
迫害された過去を赦し、新しい未来を見つめるべきだと。
自分の周りの人事にも、あえて黒人と白人を配置し、互いに理解しあうことを望みます。

そんな時、マンデラの目に留まったのがラグビー代表チームのスプリングボクス。
主にヨーロッパ系の選手で構成され、アパルトヘイトの象徴的存在であったチームを応援するのは白人だけで、黒人たちは相手チームの応援にまわると言う。
マンデラは95年に自国で開催されるワールドカップで、二つに分かれた国民の意識を一つにすることを目指します。
当時、負けが込み、不調真っ只中だったボクスのキャプテン・ピナールを官邸に招き、自分の理想を語るマンデラ。
そんなマンデラに触れたピナールは、やがて彼の生き方に感銘し、チームを引っ張る原動力となっていくのです。　

お恥ずかしいけれど正直に言うと、ネルソン・マンデラ大統領について、それほど詳しい知識があった訳ではありません。
おまけにラグビーについては、ルールなど一切分かりません。
この映画のすごい所は、例えそうであったとしても、十分に物語を理解し、そして感動できるところだと思うのです。
そういう意味では、すごく間口の広い映画ではないのかな～、と思いました＾＾
映画を通してですが、マンデラという人物の人となりが、伝わるようになっているのです。
特にマット・デイモン演じるピナールが、マンデラが27年間投獄されていた独房に立つシーンでは、胸に迫るものがありました。
観客はきっとピナールと同じ疑問を浮かべるでしょう。
“何故、赦せるのか？”と。
しかしそれが、ネルソン・マンデラと言う人なのです。私はここで感極まってしまいました。

映画終盤のラグビーシーンも、ルールなど分からなくても感動を共有できるようになっています。
怒涛のうねりと共に、大観衆が一つになっていく様は圧巻です。
（スタジアム外のエピソードも効いてます＾＾）
スポーツはただでさえ大きな感動を与えてくれますが、そこに国家の未来を描くマンデラの理想が重なり、感動もひとしおでした。

普段、映画を観てもあんまりしないのですが、
こればっかりは「すごく良かったから、観に行ってきたら？」と、夫に勧めてしまいました＾＾
（ダンナkunはあまり映画を観ないほうなので・・・）

ＩＮＶＩＣＴＵＳ　　（2009）
　監督　クリント・イーストウッド
　モーガン・フリーマン　マット・デイモン　トニー・ギゴロギ
　パトリック・モフォケン　マット・スターン　ジュリアン・ルイス・ジョーンズ
　アッジョア・アンドー　マルグリット・ウィートリー　レレティ・マクロ

コメント 15

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こんにちは☆
＞すごく間口の広い映画ではないのかな～
ほんと、そうですね！
どんな人でも楽しめるし、考えさせられる感じがします。
コレからの個人の生き方や、世界のあり方も示してる感じがして
と〜っても奥の深い作品でした☆
イーストウッド。ほんとすごい人ですね〜。
by ジジョ (2010-02-23 03:47) 

こんにちは。
さすがはイーストウッド監督でしたね～
モーガン・フリーマンが熱望しただけはあります。
彼やマット・デイモンの演技も良かったです。
> 怒涛のうねりと共に、大観衆が一つになっていく様は圧巻です
圧巻でしたね～！
このシーンも好きでした☆
by non_0101 (2010-02-23 09:41) 

クリント・イーストウッド監督、モーガン・フリーマン主演。
これだけで感動出来そうですｗ
てくてくさんの記事を読んだだけでウルウルしてしまいますもの(´∩｀。)
by Betty (2010-02-23 15:13) 

イーストウッド監督の演出はいつもながらケレンというものがなく、正攻法ですね。
個人的にはもうちょっとひねりがあった方が好きかな。

あと、マンデラ大統領は凄い人ですが、なかなか食えない人でもあると思いました。
ある意味でラグビーを最高に政治に利用する訳ですから。
とはいえ映画としてはまずは文句の付け所がないです。
脱帽。
今の所、今年の洋画ベストワンです。

by きさ (2010-02-23 22:16) 

近年の実話であり、どちらかと言えばM・フリーマン主導の作品ということもあり、正直なところ、そんなに期待はしていなかったのですが、浅はかでした。＾＾
改めて、C・イーストウッド監督の凄さを知らされ、参りました。
by hash (2010-02-24 01:06) 

(^_^)ノこんにちは。
てくてくさんの熱い記事を拝読して、また甦ってきましたよ～
有名な俳優さんはホンの少ししか出ていないのに、出演者全員に親近感を抱きたくなるような？f^_^;
心憎い演出に “参りました”
大統領はむろんですが、マット・デイモンの演技も好印象でしたね。

by Labyrinth (2010-02-24 12:25) 

xml_xslさん。
こんにちは＾＾
いつもnice！をありがとうございます。

ritton2さん。
こんにちは＾＾
いつもnice！をありがとうございます。

ジジョさん。
こんにちは＾＾
本当にいろいろと考えさせられるし、
台詞にも感銘を受けました。
そしてそれが説教くさくなく、
素直に感動できる作りは流石。
イーストウッド監督、すごい人ですね＾＾
nice！＆コメント、ありがとうございます。

マロンさん。
こんにちは＾＾
いつもnice！をありがとうございます。

nonさん。
こんばんは＾＾
モーガン・フリーマンの熱望に
見事に応えていましたね＾＾
あの大観衆のシーンはかなり凄いですよね。
ラグビーシーンも本気度が高く、
マット・デイモンもちゃんと身体を作ってましたね、プロだ。
nice！＆コメント、ありがとうございます。

ほりけんさん。
こんにちは＾＾
いつもnice！をありがとうございます。

トメサンさん。
こんにちは＾＾
いつもnice！をありがとうございます。

Bettyさん。
こんにちは＾＾
すごくキチンとした映画でした。
作り手の良心が表れているような。
Bettyさんもお時間があれば、
是非ごらんになってみて下さい＾＾
nice！＆コメント、ありがとうございます。

きささん。
こんにちは＾＾
正攻法、そうですね＾＾
特に本作は真面目な作りで、
間口が広いな～、と思いました。
私も今年になって、まだそんなに観てないのですが、
やっぱり１番ですね～。
nice！＆コメント、ありがとうございます。

hashさん。
こんにちは＾＾
近年ですよね～。
1994年、なんて字幕をみて、
“ついこの前じゃん！”と思いましたもん。
（それなのに、世界情勢に対して無知すぎる自分を反省。）
そんな私にも解りやすく作られていて、気遅れなく観られました。
さすがイーストウッド監督ですね＾＾
nice！＆コメント、ありがとうございます。

shinさん。
こんにちは＾＾
いつもnice！をありがとうございます。

Labyrinthさん。
こんにちは＾＾
そういえば親近感、抱くかも。
私は黒人護衛官のリーダーの人、あの人好きだな～＾＾
マット・デイモンも出過ぎることなく、
丁度いい塩梅の好演技でした！
モーガン・フリーマンは言うことなしｂ（＾▽＾です。
nice！＆コメント、ありがとうございます。
by てくてく (2010-02-24 18:17) 

この映画は、俳優も良かったけど
監督の撮り方がうまいなーと思えた作品ですね。
>27年間投獄されていた独房に立つシーン
この演出は、素晴らしいと思いました。
セリフもなく
見せて、語ってるみたいな。
すごいですね。


by コッスン (2010-02-24 23:48) 

コッスンさん。
こんばんは＾＾
独房のシーンね、ジ～ンとこみ上げるものがありました。
コッスンさんの仰るように
台詞はなくとも伝わるものがありました。
見事な演出でした、感動です＾＾
nice！＆コメント、ありがとうございます。
by てくてく (2010-02-26 20:14) 

今週の週刊文春の小林信彦のコラムで取り上げていました。
イーストウッドはもう次回作（マット・デイモン主演だそうです！）に取り掛かっているとか。

by きさ (2010-02-27 11:18) 

きささん。
こんばんは＾＾
ものすごいペースですね。
なんかすごくうれしいニュースです＾＾
今から公開が楽しみですね！
マット・デイモンは「インビクタス」でも良かったですから
続けての出演も分かる気がします。
いつもコメントをありがとうございます。

てぷこだんさん。
こんばんは＾＾
いつもnice！をありがとうございます。
by てくてく (2010-02-28 20:02) 

見てきましたよ、
この映画、「インビクタス (Invictus)」 ラテン語で「不屈」の方がしっくりする名前の気がします。　国家運営では、今まで拷問をしてきた白人の力が必要で、白人の力を借りてでも、黒人国家を作るのが「不屈」であり「負けざる者」かなと、そのあたりを、ラグビーを通して誰にでも分るように、したところが上手いですね。
by heibay (2010-03-01 22:39) 

heibayさん。
こんばんは＾＾
排除するのではなく、融合しよう。
そのためには“赦すこと”で一歩が始まる。
口で言うほど簡単なことではないと思いますが、
率先して実行していったマンデラの姿勢に感動しました。
本当に「不屈」の精神の持ち主ですね。
いつもコメント、ありがとうございます。
by てくてく (2010-03-04 00:21) 

こんばんは。
レビュー書きました。いい映画でしたね。
モーガン・フリーマン、マット・デイモンともに、
さすがの演技でした。
TBさせていただきます。
by coco030705 (2010-04-01 00:43) 

ココさん。
こんばんは＾＾
躊躇いなくいい映画、と言えますね～。
すがすがしい感動をもらえました。
モーガン・フリーマンもマット・デイモンも良かったです。
次回作も楽しみですね！
nice！＆コメント、ありがとうございます。
by てくてく (2010-04-02 23:30)