告白

「告白」、観ました。
　
教え子に一人娘を殺された女性教師の復讐。
「2009年本屋大賞」を受賞した湊かなえ原作ミステリーを、「嫌われ松子の一生」、「パコと魔法の絵本」の中島哲也監督が映画化。

すごい映画でした。
映画の世界に思いっきり引き込まれて、怒涛のように押し寄せてくるストーリーの波に翻弄されながら、ラストを迎えた・・・そんな感じ。
観終わった後、なんとも言えない疲労感に包まれ、グッタリと重い足を引きずりながら帰途に着きました。
強烈なインパクトの映画、見応え十分で疲れたのは確かなんだけど、その完成度の高さに驚かされました。
考えてみると、中島監督の映画はこれが初めて。
今までのどの作品も話題に上っていて、評価も高かったように思います。
本作を観て、監督の独特の世界観から成る映像絵巻に魅了されました。
他の作品も観たい～、と強く感じた。

１年Ｂ組。
学級崩壊か？と思うほど、生徒たちは落ち着きが無くやりたい放題の騒がしい教室で、担任教師・森口は淡々と語り始める。
終業式の後、生徒たちに宛てた取り留めのない話に思われたが、森口の話が核心へとたどり着いた途端、教室内は驚愕で張り詰める。
「私の娘はこのクラスの生徒に殺されたのです。」
１ヶ月ほど前の２月、森口のひとり娘は学校のプールで溺れて亡くなった。
警察は事故と判断したが、実はクラスの生徒の手による殺人だったと、森口は告白するのです。

森口先生を演じた松たか子の、表情を押し殺した淡々とした演技が凄かった。
彼女の告白から、この映画は始まります。
映画館に置かれている看板とかには、生徒の写真が並んでいて、“先生の娘を殺したのは、誰？”なんてコピーが書かれていたりして、何となく犯人探しの話なのかな、と思ってました。
でも、冒頭の森口先生の告白で犯人ＡとＢの２人は誰だか分かるのです、早い段階で分かる。
この映画は犯人探しのミステリーではなく、この殺人事件に関わる登場人物たちそれぞれの視点から語られる事件の顛末と、彼らが突き進んでいくラストまでを描いた物語。
森口先生の告白の他にも、登場人物たちの告白は続きます。

流れるようなストーリー運びで、残酷で痛ましいお話は紡がれる。
スローモーションを多用し、どこか幻想的な夢物語のようにフワフワした浮遊感と、暗くて惨い部分とが融合して、この映画の独特の世界観を作り上げていました。
松さんはじめ少年Ａ、Ｂ、クラスメイトの少女、母親役の木村佳乃、熱血漢（が仇となる）の岡田将生、キャストも良かった。
特に子供たちは難しい役だろうけれど、熱演でした。

ラストまで、時間を感じさせずに物語に引き込ませる力のある作品でした。
映画館とかちょこちょこ行ってると、何となく場内の雰囲気を感じたりしませんか？
席を立つ人がやたら多い映画とか、気楽に楽しんでる、って気配とか・・・。
今回は張り詰めた緊張感がみなぎっていた気がする、多分中座する人もいなかったと思うし、エンドロールが終わるまで残ってる人も多かったです。

告白　　（2010）
　監督　中島哲也
　松たか子　木村佳乃　岡田将生　西井幸人　藤原薫　橋本愛
　山口馬木也　芦田愛菜　山田キヌヲ　新井浩文

コメント 12

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こんばんはぁ(^_^)/
実は観ている間、何度も席を立とうと思った作品でした。
結局、最後まで観てしまいましたが、最終的には
面白い作品という結論に至りました。(^^ゞ
演出は隙なく、凄い出来ですが、話は隙だらけなんですよね。
結局、登場人物たちの告白を含めて、全て森口先生の
妄想と捉えないと、辻褄が合わないという結論に至りました。
で、気持ちがスッキリしたので、好きだと言えます。(^_^)
by よーじっく (2010-06-16 20:15) 

小説読みたいな～って思いつつ忘れてたら、映画化されてビックリです。
映画も良さそうですね＾＾
by toraman (2010-06-16 22:39) 

話題の映画ですよね！
今週末、嫁さんが観に行く予定ですが、わたくしは断ってしまいました^^;（デヘヘ）
てくてくさんの記事を読んだら観たくなっちゃいましたよ～
おいらも観に行くことにしようかな(^O^)/
by てぷこだん (2010-06-17 19:11) 

よーじっくさん。
こんばんは＾＾
そうなんだ、よーじっくさん、席立とうとしたんだ。
私は自分がすごくのめり込んで観ていたので、
周りの雰囲気も張り詰めて感じたのですが・・・。
そういうのってかなりの主観が入ってますから
自分の良いように感じちゃったのかもしれないですね＾＾；
確かに、好き嫌いが分かれそうな作品です。
でも、最後まで観られてよーじっくさんも良かったんですね。
私は最後の森口先生の電話の話は、
“本当なんだろうか、それとも騙してるんだろうか”と思ってしまいました。
nice！＆コメント、ありがとうございます。

toramanさん。
こんばんは＾＾
なかなか強烈な映画でした。
私も原作を読んでみたいな、と思いましたです。
nice！＆コメント、ありがとうございます。

xml_xslさん。
こんばんは＾＾
いつもnice！をありがとうございます。

takemoviesさん。
こんばんは＾＾
いつもnice！をありがとうございます。

りぼんさん。
こんばんは＾＾
いつもnice！をありがとうございます。

てぷこだんさん。こんばんは＾＾
お嫁ちゃま、行かれるのですか～。
なかなか強烈な印象の映画ですよ。
てぷこだんさんもいかが？
確か、松さんのファンじゃなかったですか＾＾
彼女のモノトーン演技も必見かも？
nice！＆コメント、ありがとうございます。
by てくてく (2010-06-17 23:45) 

原作を読んで苦手だなぁ～と感じました。
映像で観るとまたまた重そうで辛そうです><；
by Betty (2010-06-18 13:06) 

こんばんは。
演技も演出もすごくて、引き込まれました。
そして怖かったです(T_T)
本当に怖くて…　でも、とても魅力的な作品でした☆
by non_0101 (2010-06-18 21:33) 

見ました。面白かったですが、やはりちょっとキツイですね。
キツイのですが、実はこの主人公の立場になれば、親として
同じような事をしようと思うかもしれないとも思いました。

松たかこは元々いいと思っていましたが、この作品でも好演でした。
個人的には中学生にこそ見せてみたい気もしました。

私の解釈はこの映画、登場人物の幻想とも現実ともどちらにも取れる様に描かれていると思います。

中島哲也監督の映画は結構見ていますが、割とけれんが多いので原作をうまくアレンジしたこの映画はオーソドックスな作りで成功したと思います。

by きさ (2010-06-20 22:37) 

Bettyさん。
こんばんは＾＾
Bettyさんはもう原作読まれてるんですね。
映画の方は内容は重いけど、
監督の演出のせいかとても引き込まれて鑑賞しました。
nice！＆コメント、ありがとうございます。

nonさん。
こんばんは＾＾
怖かったですよね。
帰る時はどんよりとしてしまいましたが、
家に帰って感想を考えてみると、
映画としてはとても面白い作品だと思いました。
nice！＆コメント、ありがとうございます。

きささん。
こんばんは＾＾
とても強烈で引き込まれる作品でした。
中島監督の他の作品も観てみたくて、
まずは「パコと魔法の絵本」をレンタルしました。
色々と観る映画が溜まっていて
時間がたりません＾＾；
nice！＆コメント、ありがとうございます。
by てくてく (2010-06-22 23:45) 

中島監督の作品だと「下妻物語」が良かったです。「嫌われ松子の一生」はちょっとハナシがきつかったです。
残念ながら「パコ」は見ていません。
by きさ (2010-06-23 05:19) 

きささん。
こんばんは＾＾
「嫌われ松子の一生」は凄そうですね。
「下妻物語」は茨城ですよね。
ダンナの転勤で茨城にも住んでいたので
親近感が沸きそうです＾＾
どの作品もカラフルだったから、
「告白」のトーンはちょっと珍しいですね。
ふたたびのコメント、ありがとうございます。
by てくてく (2010-06-25 01:02) 

こんにちは〜☆
そうそう。ぐいぐい引き込まれちゃう映画でしたよね〜。
わたし徹夜明けに観たのに、まったく眠くなりませんでした^^;
by ジジョ (2010-06-28 22:38) 

ジジョさん。
こんばんは＾＾
吸引力のある映画でしたね～。
そしてその吸引力が持続してました。
・・・って何かの掃除機みたい＾＾；
映画としてすごく面白い作品ですよね、眠気も吹っ飛ぶくらい。
nice！＆コメント、ありがとうございます。
by てくてく (2010-06-30 23:39)