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鳥 [映画 *た]


鳥 [DVD]
「鳥」、観ました。

突然、人間たちを襲い始めた鳥たち。
彼らの襲撃に恐れおののく人々の姿を描いたパニックサスペンス。

超有名ですよね、ヒッチコックの「鳥」。
私も昔、TV放送で観たことがあると思うのですが、結構おぼろげでした。
鳥の大群に襲われて、口ばしで突っつかれて、痛そうだし何よりおっかなかった記憶は残ってましたが。
今回観始めた時は、“そうは言っても鳥でしょう~”なんてちょっと甘く見てたのですが、やっぱりゾワゾワ来てしまいました。

最初にゾワゾワ来たのが、暖炉からスズメの大群が家の中に飛び込んでくる所。
ハンパ無いくらい大量のスズメが、滝のようにダーッと部屋になだれ込んで来て、もうしっちゃかめっちゃかになってしまうのです。
スズメなんて普段何気にその辺にたむろしてるけど、それが黒い塊になって飛んで来ると思ったら急に怖くなります。
口ばしって結構硬いと思うし、先が尖っているのが先端恐怖症の私にはキツイ・・・。
爪だってあるしね~。
それを考えたらもっと怖いのがカラスですよね、口ばしも爪も鋭いし、賢いと言うし・・・。
映画の中でもジャングルジムに無数に群がるカラスは、迫力ありました~^^;

海辺の小さな町で、鳥たちが人間を襲い始めます。
理由は分かりませんが、群れを作り集中攻撃を掛けては去っていく、それを繰り返しているのです。
この町に住む弁護士のミッチと、彼を訪ねて来た女性・メラニー、それからミッチの母親と妹もこの事態に巻き込まれ、必死で鳥たちとの攻防を試みる。
そのうちに被害は拡大し、やがて死者まで出るほど深刻な事態を迎えてしまうのです。
鳥たちがどうしてこのような行動を起こしたのか、その疑問に対する答えは明確には示されてはいません。
しかし、温暖化などによって地球の環境が変わりつつある現在の状況を思うと、何かのきっかけでこのような恐ろしい事態が起こるかもしれない、説得力は公開当時より今のほうが増しているんじゃないかな~。
“自然には畏敬の念を忘れてはいけない”という「ハプニング」の台詞を思い出したりしました。

それから、“鳥が襲って来る”という直接的な恐怖とは別に、もう一つの恐怖も描かれている事に今回は気付きました。
それはパニックに陥った人達の恐怖心に芽生えた集団心理という間接的な恐怖。
鳥の襲撃に怯えながら逃げ込んだダイナーで、メラニーとミッチは町の人達に危険な状況を訴えるのですが、まだ被害にあっていない人達は半信半疑のまなざし。
話を聞いて怯える者、持ち前の持論を展開し全く信じない者、あげくは世の終わりを次げる者。
その後、ダイナーの正面で鳥たちが暴れ始めるのを目撃するや否や、恐怖にとり付かれた人々はこの事態を誰か(手近でもっともらしい人物)に責任転嫁しようとするのです。
この時、ほんの数十秒の短いシーンだったのですが、追い詰められた人々の集団心理の恐ろしさを克明に炙り出していました。
嫌でも「ミスト」が浮かんじゃいました!
もしもダイナーから外に出られない状況に陥ったとしたら、きっと「ミスト」のストアーと同じような狂気が蔓延するんじゃなかろうか・・・^^;

やっぱり今観ても、趣があっていいですな、ヒッチコック。
BSで特集やってますね、まだまだ録画してあるのよ~、観るの楽しみです^^

THE BIRDS  (1963)
 監督 アルフレッド・ヒッチコック
 ロッド・テイラー ティッピ・ヘドレン ジェシカ・タンディ
 スザンヌ・プレシェット ヴェロニカ・カーライト
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hash

ヒッチコック作品が続けて放映されていますね。
恐竜が進化して鳥になったという説が現在では有力ですが、そんな説が一般化するよりも前に、鳥を題材に恐怖を演出したヒッチコックは目の付け所が違うと感心します。

来週からはC・イーストウッド作品が多数、放映されますよ。^^
by hash (2010-05-06 00:13) 

てくてく

hashさん。
こんばんは^^
恐竜→鳥なんですね~。
それは怖いはずだ・・・^^;
ヒッチコックは大の鳥嫌いらしいです。
それにしても色んな題材でサスペンスを作り出しますよね。
そして面白いと来てる^^
人間観察眼の鋭さも感じました~。

来週、楽しみですね^^イーストウッド!
nice!&コメント、ありがとうございます。

xml_xslさん。
こんばんは^^
いつもnice!をありがとうございます。

ナノノさん。
こんばんは^^
いつもnice!をありがとうございます。
by てくてく (2010-05-06 23:20) 

てぷこだん

こんにちは!
鳥が人を襲うなんて、信じられないような気がしますが、
カラスが同じ人を狙って攻撃するというのをテレビで見た気がしますので
やっぱりあり得るのかなぁ^^
そんな「鳥」ですが、わたくしも録画しました!
これから観ようと思っております^^

ヒッチコックは鳥が嫌いだったのですね~^^;


by てぷこだん (2010-05-07 17:37) 

coco030705

こんばんは。
これは怖かったですね。どうやってあんなにたくさんの鳥を集めたんでしょうね。(今だったら動物保護なんかで集められないかもしれませんね。)
ヒッチコックはやはり天才だと思います。
by coco030705 (2010-05-07 22:20) 

きさ

これも面白いですね。
子供のころにテレビで初めて見たヒッチコック作品かも。
ヒッチコックは鳥肉や目玉焼きも嫌いだったとか。

by きさ (2010-05-08 08:55) 

あきら

昔テレビでやっていましたが、「鳥」はその当時としては
画期的な手法がたくさん使われていた・・・らしいのですが、
鳥が集団で飛び立つシーンなど手作業のところも多かったそうで。
今見ても、すごいなあと思える映画のひとつです。
by あきら (2010-05-08 20:40) 

てくてく

てぷこだんさん。
こんにちは^^
カラスは賢いといいますからね~。
餌を狙うときとかも色々考えているらしいし・・・。
ただ鳥が襲ってくるのですが、
やっぱり怖いものだと思いました。
てぷこだんさんはいかがだったですか~?
nice!&コメント、ありがとうございます。

ココさん。
こんにちは^^
どうやって集めたんでしょうね?
ジャングルジムの上に徐々に群がるカラス。
何か美味しそうなものをぬったりして集めたのかな?
多分、苦労を重ねて撮影したんでしょうね!
今でも語り継がれる作品、苦労も報われたかな^^
nice!&コメント、ありがとうございます。

きささん。
こんにちは^^
目玉焼きまで嫌いとは!
鳥嫌いだからこそ浮かんだアイデアかも、ですね。
初ヒッチコック・・・私もそうかもしれないです。
ヒッチコック劇場って番組もありましたよね。
あれも観ていた記憶があります^^
nice!&コメント、ありがとうございます。

あきらさん。
こんにちは^^
映画を作る苦労がしのばれますね。
当時は今と違ってCGとかも無かったでしょうし。
鳥もたくさん集めたんでしょうね~。
鳥嫌いの監督、頑張りましたね^^
nice!&コメント、ありがとうございます。

cheeさん。
こんにちは^^
いつもnice!をありがとうございます。
by てくてく (2010-05-09 12:32) 

てくてく

成瀬さん。
こんにちは^^
いつもnice!をありがとうございます。
by てくてく (2010-05-10 16:22) 

A-chan

初めまして。
「鳥」という映画は、ヒッチコック監督の代表作の1つですが、CGの無い時代によくこれだけのシーンが撮れたものと、作り手の苦労と熱意が伝わります(ヒロインを演じた女優さんの迫真の演技の裏話には脱帽:汗)。
この映画の中では、鳥が暴れ回るシーンでは鳴き声や羽音で賑やかですが、劇中でBGMが使われていないだけに、余計にこの映画の不気味さ、陰湿さが引き立ってますね。
鳥に蹂躙され命を落とす人々の描写は痛いですけど、逃げ込んだレストランでヒロインが地元の奥さんに事件を起こした元凶であるかのように罵倒される場面が一番悲痛ですね。罵倒されたヒロインは奥さんを平手打ちしますが、私だって彼女と同じ立場だったらそうするでしょう。自分だって被害者なんですから・・・。
責任転嫁、八つ当たり、部外者に排他的な村社会では特に多いと思いますが、そういう態度にこそ卑屈にならず毅然と対処する必要がありますね。

思えば私達人類は、生活を営むという上で自然環境を破壊し、多くの生き物の食糧や生活の場を奪っています。これからも地球上の生き物達と共存していく為にも、私達は自然環境を維持いていく事を心掛けないといけませんね。
by A-chan (2010-12-03 22:03) 

てくてく

A-chanさん。
はじめまして、こんばんは^^
つくづく考えるにつけ、
映画を作る苦労がしのばれますね。
今のような映像技術が無かった時代、
いろんなアイデアを絞って様々のシーンを生み出していたのでしょうね。
現在はCG等の技術が信じられない位に発達して
もはや映像化できないものなんて無いんじゃないか?と思ったりしますが、
それでも次々に驚かされる映画が登場します。
いつの時代も映画は私達を楽しませてくれる素敵な存在。
嬉しい限りです^^

映画の中で描かれていたレストランでのシーン。
人が恐ろしく感じられる場面も映画では多々、登場します。
パニックで錯乱した状況での心理というものを上手く切り取っていました。

SFなどを観ても感じるのですが
時代を超えていつの世にも通じるメッセージが込められた作品が多いです。
私たちも肝に銘じて今を生きなければいけませんね^^
コメント、ありがとうございます。
by てくてく (2010-12-04 19:45) 

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