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ディア・ドクター [映画 *た]


ディア・ドクター オリジナル・サウンドトラック
「ディア・ドクター」、観ました。

へき地に勤務する医師・伊野が突然、失踪してしまった。
山間の村は人口の多くを高齢者が占め、唯一の医師である伊野は村人から“神様仏様”と崇められる人物。
彼が勤務した3年半の間、気さくな人柄と熱心な仕事振りは誰からも厚い信頼を得ていた。
そんな彼の失踪に、研修医・相馬や看護婦・大竹をはじめ、村人達は安否を気遣う。
はたして、何が彼にそんな行動をとらせたのか・・・。
「ゆれる」の西川美和監督作。

この前「レスラー」を観に行った時、予告編をやっていて気になった作品。
(都市に比べると公開は遅れることが多いけれど、ミニシアター系の面白そうな映画をチョイスしてくれる映画館です^^)
片田舎の村では近所付き合いも頻繁だし、周りは知らない人はいない、村中が気心の知れた間柄。
何か困り事があれば助け合いは出来るけど、事が病気に関するとなると、頼りになるのはお医者さんしかいません。
過疎化の村で、きちんと駐在してくれるドクターと言うのは、どれほど心強い存在であるか。
そんな医師が突然、失踪してしまうとは、いったいどうしたことなのか・・・。

鶴瓶が主役という事で、どことなくユーモラスに描かれていたりする場面もあるのです。
お年寄りが喉に赤貝を詰まらせてご臨終・・・かと思いきや息を吹き返すシーンでは笑いが起ってました。でも、私は笑えなかったな~。
何故ならその前に、お年寄りの家族と医師の間で、台詞も無く視線だけのやり取りがあったのです。
そこの所で、寝たきりのお年寄りに対する家族の複雑な思いがクッキリと浮き彫りにされていた。
そんな登場人物の心模様を想像していると、こちらにもその感情が伝染するというか、笑うに笑えない・・・。
伊野医師に対しても、徐々に徐々に、遣り切れない気持ちが膨らんでくるのです。

ネタバレにならずに書くのが難しくて、相当悩んで記事を書いてるのですが^^;
結局彼が消えたのは、やっぱりああするしかないと思うのです。
彼がああしないと(ネタバレ、反転母親と娘は生きている間に、再び会う機会が無くなってしまうかもしれない)人間として、それは絶対に出来ないと思ったのでしょう。
その前から、伊野は限界を迎えていたんだろうし。
肺に穴を開けた後、病院のエレベーターで呼び止められてなかったら、あの時に消えていたかも

とにかく、伊野には消えてしまうほどの理由があったということ。
医師としての彼は村の人達を癒したのは確かな事実。
それなのに彼が居なくなった後の、村人達の態度がにわかに変わったのも、何だかなと思いつつも、ありがちな気もしました。
伊野の元に就いていた相馬の態度に至っては、流石にショックだったけど。

観ている間も、帰ってきて記事を書きながらも色々考えたんだけど、上手く感想が書けない^^;
ポンと石を投げられて、確かに心に波紋は広がっていってるんだけど。
まとまりのない感想になったような・・・また、間を空けて観てみたい気がします。

ディア・ドクター  (2009)
 監督 西川美和
 笑福亭鶴瓶 瑛太 余貴美子 松重豊 岩松了 
 八千草薫 香川照之 笹野高史 井川遥 
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てくてく

釣られクマさん。
こんにちは^^
いつもnice!をありがとうございます。

takemoviesさん。
こんにちは^^
いつもnice!をありがとうございます。

xml_xslさん。
こんにちは^^
いつもnice!をありがとうございます。
by てくてく (2009-08-23 11:41) 

non_0101

こんにちは。
簡単には答えの出ない物語でした~
何となく分かってはいても口に出せない秘密。
それが暴かれた時、どんなふうに人間が変わるのかを見せられるところは
ちょっと怖かったですね。
またいつか、じっくりと観てみたい作品です☆
by non_0101 (2009-08-23 13:25) 

きさ

何ともフクザツな印象の映画でした。でも面白いんですよね。
一番色々と考えたのはラスト。
あのラストはどうなのかなあ。

by きさ (2009-08-24 21:20) 

てくてく

nonさん。
こんばんは^^
前作「ゆれる」を観終わったときも、
いろいろと想像しましたが、
今回も考えさせられました。
伊野は確かに、村人を癒していたはずですしね。
私もまた、じっくり観てみたいです^^
nice!&コメント、ありがとうございます。

Morimoさん。
こんばんは^^
いつもnice!をありがとうございます。

COROさん。
こんばんは^^
いつもnice!をありがとうございます。

るるさん。
こんばんは^^
いつもnice!をありがとうございます。

shinさん。
こんばんは^^
いつもnice!をありがとうございます。

きささん。
こんばんは^^
一口では言い表せないような
複雑な気持ちにさせられる作品でした。
ラストは少しびっくりしましたね。
いきなりファンタジーの世界かとも思いました。
でも、伊野らしい行動と言えば、そんな気もします。
コメント、ありがとうございます。
by てくてく (2009-08-24 23:43) 

きさ

ラストは八千草さんの見た夢、という説もありそうです。
その前のホームの所からファンタジーっぽいですよね。
by きさ (2009-08-26 13:22) 

てくてく

きささん。
こんにちは^^
現実的には伊野があそこで勤めるとは
考えにくい・・・。
八千草さんの夢でも肯けますね~。
そういう所もまた、いろいろ考えさせられる。
この映画の特徴ですね^^
再びのコメント、ありがとうございます。

りぼんさん。
こんにちは^^
いつもnice!をありがとうございます。
by てくてく (2009-08-28 08:23) 

cs

ご無沙汰してしまっています。
この作品、やはり西川監督の視点がユニークで伊野のキャラクターも「こういう人物」と簡単に表現できない、すごくリアルなものがありましたね。
自分もあの冒頭近くのお年寄りの回復するまでのやりとりなんですが、あそこでの例えば家族がもう勝手にそういう事態を受け入れちゃって、なんだか先回りして悲しんでたりとか、本当はもっと曖昧な境目を行き来してるんですよね。
そして伊野が偶然にも神の手を使ってしまったみたいな結果になって、本人もすごく居心地も悪い感覚が残ったんだと思います。そして、これは日常の積み重ねであって。
「ゆれる」もそうでしたが、やはり不思議なムードの作品でした。
by cs (2009-08-30 09:03) 

てくてく

csさん。
こんばんは^^
鶴瓶さんという事もあったし、コミカルではありましたが、
結構いろいろ重い事を描いていたと思います。
何となく、笑うに笑えない気持ちになってしまいましたもの。
それでもやっぱり、鶴瓶さんだったから、あのキャラに救われる部分もありましたね。
「ゆれる」よりは明るいテイストに感じましたし。

あそこまで村人に崇拝されて、
ここぞ!と言う時に運命も自分に味方するし、
伊野はホントに居心地悪かったでしょうね。

西川監督の作品は、これからも注目して行きたいです^^
nice!&コメント、ありがとうございます。
by てくてく (2009-09-02 00:57) 

Labyrinth

(^_^)ノ こんにちは~ お邪魔します。
本当にどう書いたモノか悩ましい映画でしたね(^_^;
でもさすが てくてくさんっ d(^_^) キッチリと赤貝の件も書かれてまして、Niceです!
私もあの場の雰囲気では笑えませんでしたね。
西川監督作品… 今回はよく理解できました f^_^; ははっ
by Labyrinth (2009-10-12 17:51) 

てくてく

Labyrinthさん。
こんばんは^^
なかなか感想をまとめるのが難しい監督さんです^^
「ゆれる」も難しかった・・・。
今回は鶴瓶さんのキャラもあって、すごく観やすかったかもしれない。
西川監督作、次回作もかならずやチャレンジするぞ~^^
nice!&コメント、ありがとうございます。
by てくてく (2009-10-14 00:10) 

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