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プルーフ・オブ・マイ・ライフ [映画 *は]


プルーフ・オブ・マイ・ライフ [DVD]
「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」、観ました。

天才数学者であった父親・ロバートを亡くし、失意に沈む娘のキャサリン。
父親は5年の間、認知症を患っており、現実と虚構の間を生きていた。
1人で父親を看てきたキャサリンだけに、心に空いた穴は大きい。
ロバートが5年を掛けて書き溜めた多数のノートがあり、かつての教え子・ハルは目を通したいから、と家を訪ねて来ている。
彼は何かとキャサリンを気遣うが・・・。

父を亡くし、その現実に向き合う事に苦しみを感じる主人公・キャサリン。
数学者として若い内から数々の功績を残した父。
キャサリンはその父親の遺伝子を受け継いでいて、かつては大学で学んでいたけれど、父の看病のため退学。
病んでもなお、数字と向き合い続けた父を間近で見てきた。
キャサリンは父親譲りの才能を持つ反面、もしかしたら自分も父と同じように現実と虚構の入り混じる世界に生きているのではないか?と、不安に駆られてもいた。
そんな、不安定で脆い精神状態のキャサリンを、グウィネス・パルトロウが熱演しています。

ロバートの書いたノートは、その殆どが数学的には意味の無いものであったけれど、ハルは熱心に訪れる。
ハルとキャサリンは過去にも面識があり、父がまだ教授として弁を執っていたときに研究室で顔を合わせていた。ノートのためもあるけれど、もちろんそれだけで来訪しているのではない事は、キャサリンも気付いている。
それでも、自分を気遣ってくれるハルに当たり散らしてしまう彼女。
この辺りの演技も真に迫っていて、観ているこっちまで痛々しい気持ちになります。
葬儀のために帰ってきた姉とは折り合いが悪く、それも彼女の神経を撫でる。

そんな時、父親のノートから世紀の大発見とも言える“証明”が発見されるのです。
発表すれば世界はアッと驚くと言う・・・。
ハルは大喜びしますが、キャサリンはそれを書いたのは父ではなく、自分だと主張。
それをにわかには信じられない周りとの摩擦が、またしてもキャサリンを傷つけていく・・・。

あまり身近には感じられないかもしれない(^^;)数学の世界を通して、1人の女性が悲しみを乗り越え、自分の道を見つける姿を描きます。
偉大であった父親と同じ道を歩き、その大きな存在を超えて進まねばならないという不安。
それと同時に、もしや自分はそれを越えてしまったのではないかという戸惑い。
また、かけがえのない存在が消滅していくことを認めねばならない喪失感。
少しずつではあるけれど、それらと向き合う覚悟を決めていくキャサリン自身の再生の物語。
側で見つめるハルの存在が、彼女を勇気付けます。

地味目ではあるけれど、グウィネス・パルトロウ、ジェイク・ギレンホール、アンソニー・ホプキンスとキャストも充実。
「恋に落ちたシェイクスピア」でパルトロウとコンビを組んだ、ジョン・マッデン監督作品です。

PROOF  (2005)
 監督 ジョン・マッデン
 グウィネス・パルトロウ、ジェイク・ギレンホール、アンソニー・ホプキンス
 ホープ・ディヴィス ダニー・マッカーシー
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CORO

これはいい役者陣ですね。
こういう内面をしっかり描いた作品も見なくては。
by CORO (2009-07-18 20:51) 

cs

こんばんは。
自分は映画館で上映してるのを観たんですでに記憶が曖昧ですが、この作品の物静かなムードは好きでした。
この作品は派手な要素もなく全体の印象は地味かもしれませんが、それだけにそれぞれちょっと不器用だったりちょっとした部分で理解が足りなかったりする日常のリアルなやりとりがすごく共感できました。
意識からすっかり抜けている古い記憶って、自分のもののはずでも自信がもてなかったりするんですよね。
by cs (2009-07-18 21:46) 

Morimo

なかなか深そうな映画ですね。
by Morimo (2009-07-19 00:38) 

hash

ありがちなストーリーではありますが、数学がいいアクセントとなり、キャストの好演が後押ししていた感じで、良かったです。
by hash (2009-07-19 01:06) 

てくてく

shinさん。
おはようございます^^
いつもnice!をありがとうございます。

xml_xslさん。
おはようございます^^
いつもnice!をありがとうございます。

てぷこだんさん。
おはようございます^^
いつもnice!をありがとうございます。

COROさん。
おはようございます^^
豪華な出演者の割りには、地味目の作品かもしれません。
グウィネスの不安定な状態の演技が上手かったです。
宜しかったら、ご覧になってみて下さい^^
nice!&コメント、ありがとうございます。
csさん。
おはようございます^^
相手の気持ちを推し量るのは、なかなか難しいものですね。
キャサリンとハルもそうですが、
キャサリンと姉の関係も、お互いを思っているけど上手く伝わらない。
そんなところもリアルに描いていましたね^^
記憶って自分で書き換える事も有り得そうだし、
何が現実だったか曖昧なところも、このドラマに緊張感を与えてました。
nice!&コメント、ありがとうございます。

花乃子さん。
おはようございます^^
いつもnice!をありがとうございます。

Morimoさん。
おはようございます^^
家族の関係と、そこから一歩成長する女性の姿を描いてました。
静かなタッチの作品です。
nice!&コメント、ありがとうございます。

トムさん。
おはようございます^^
いつもnice!をありがとうございます。

hashさん。
おはようございます^^
アンソニー・ホプキンスなんて、
出番は多いって感じではなかったけれど、
さすがに物語を引き締めてました。
グウィネスの不安定さも上手かったと思います^^
nice!&コメント、ありがとうございます。

U3さん。
おはようございます^^
いつもnice!をありがとうございます。

るるさん。
おはようございます^^
いつもnice!をありがとうございます。

nobuaki4091さん。
はじめまして、おはようございます^^
nice!をありがとうございます。
by てくてく (2009-07-21 06:16) 

おぉ!次郎

 “ジョン・マッデン”という監督さん初めて知りました。同名の方でアメリカンフットボールで有名な方がいらっしゃいますが…。
by おぉ!次郎 (2009-07-21 22:45) 

てくてく

わかって建築家さん。
こんばんは^^
いつもnice!をありがとうございます。

おぉ!次郎さん。
こんばんは^^
前にグウィネス・パルトロウ主演で「恋におちたシェイクスピア」と言う作品があって、アカデミー作品賞、主演女優賞など受賞していたと思います。
中世の芝居一座を舞台にしたラブストーリー。
シェイクスピアのお芝居を劇中劇にして見せたりします。
素敵な作品だと思いますよ~^^
nice!&コメント、ありがとうございます。
by てくてく (2009-07-22 00:43) 

てくてく

エイジさん。
こんにちは^^
いつもnice!をありがとうございます。
by てくてく (2009-07-23 15:54) 

Betty

これは観たい!!さっそくチェックしてきます!!
by Betty (2009-07-31 15:22) 

てくてく

Bettyさん。
こんばんは^^
興味が湧かれましたか~?
良かったら、ご覧になって下さいまし~(^▽^)/
nice!&コメント、ありがとうございます。
by てくてく (2009-08-01 19:23) 

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